傑くんはさとりちゃんと付き合いたい!   作:かりん2022

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五条 悟は王子様

「電話、出ない」

 

 頑張らなきゃ。戦わなきゃ。

 私は、震える足に喝を入れた。

 傑から、悟を任されたんだから。

 ズボンが滑り落ちる。上着だけで隠れるし、任務が優先だ。

 シャツを上着でぎゅっと絞れば、気持ちもキュッと引き締まった。

 傑はすごく格好いい。男で唯一、寄りかかれると思った凄い男。

 ナルシスト入ってるのは理解してるが、傑に任せればさとりも大丈夫だと信じられた。

 

 

 

 

 そして外に出る。

 凄い血痕……。早く、悟を助けに行かないと。

 

 私は呪霊にお願いして、血痕から悟を追跡した。

 狙われるさとりが心配で、苦労して見つけた呪霊だ。

 

 空を飛んで、しばらくして。

 あいつの死体を見つける。

 そして、あいつの使ってた呪霊を見つけて取り込んだ。

 

 やっぱり凄い。

 頼り甲斐のある並行世界の私のライバルが出来る悟。

 美しい男の子。

 傑と同じように強いのだろう。

 

 自分の弱さと、それが女由来なのだろうかと悔しさを噛み締めながら足早に進む。

 

 

 拍手。

 そして理子ちゃんを抱き上げる、美神。

 彼が。

 

 

 

 写真で見た線の細さは、実際に会うとどうだろう。

 体は細くとも、鍛え上げられているのは明らかだった。

 頼り甲斐がある、強い、格好いい、イケメン、それらの要素を押し付けてくるこれほど極上な男が、傑以外にいたなんて。

 並行世界のさとりだからそりゃ美しいのは理解してたし、写真でも見てたけど、この頼もしさは写真からはわからなかった。

 女の私が、彼の手に守られたいと訴える。本当に、なんという美男子コンビなのだろう!

 

「どうする? こいつら殺すか? 俺は多分、何も感じな……」

「悟……」

 

 ボロボロと涙が溢れた。

 私の内側で感情が爆発していて、どうにも処理ができなかった。

 傑に頼まれたのに、悟の力になれなかった無力感。

 理子ちゃんを死なせてしまった悲しみ。

 さとり以外の人間に奪われかける恐怖。

 体の奥がマグマのように熱くて、辛いこと。

 目の前の男が与える、あまりにも圧倒的な頼もしさと安心感。

 

 私は何度も涙を拭った。ボロボロと大粒の涙が溢れるのが止められない。

 こういう時に泣く女は嫌なんだ。これだから女はって言われるから。だから。泣き止まなきゃ。

 

「待て。落ち着こう。えっと、傑? 嘘だろ? えっととりあえず通報して、学校行って……」

 

 五条悟は、その日初めて担任と同級生の女の子に助けを求めたらしい。

 その声がたいそう情けなかったと後で硝子に聞いた。

 私のせいで、悟に迷惑を掛けてしまった。本当、私って足引っ張ってばっかりだな。傑は女の子は可愛いだけで価値があるなんてアホなこというけど、そんな事ないのはわかってる。

 

 当たり前だけど、硝太はこっちでは硝子だった。

 硝子は私をさっさと裸にして、その時、上着から注射器がこぼれ落ちた。

 

「あ、これ、中身何が入ってるか見てもらっていいかな。打たれちゃったから心配なんだ」

 

 硝子は私を改めて見て、厳しい顔をした。

 

「挿入された?」

「え、えっと、あれ、どうだったかな」

 

 甚爾に触られた事を思い出して、震える。

 でも頑張って思い出さなきゃ。ああ、でも。

 触らせちゃったんだから、赤ちゃん孕んでなくても関係ないよね。

 ポロリと涙が溢れた。

 

「私、汚れちゃったから、彼女とお別れしなきゃだね」

「悪い、思い出さなくていい。避妊薬だけ飲んでおけ」

「う、うん」

「体はどうだ。何か変なところあるか」

「なんだか、体が熱くてちょっと苦しい」

 

 お風呂から出て、大きなTシャツとズボンを履いて、フラフラしながら部屋に案内される。

 男子寮ではない。離れだ。

 体が熱くてどうにもならず、もじもじしていると、悟が入ってきた。

 

「えっと、傑、じゃ、ないよな?」

 

 わかってくれるのが嬉しい。でも今、それどころではないので出ていって欲しい。

 

「でも、その、ごめん。お前の打たれた薬、男としねーと治んねー媚薬らしくて」

「えっ あっ ああ」

 

 悟が生まれてから発達した分野である。嫌すぎる。

 まあ五条家の総力を結集して媚薬の解毒剤が発明されているのだが。

 そうか、こっちでは解毒剤がないのか。

 

「どうしよ、困ったなぁ」

 

 媚薬と聞いて、体の熱が快楽だと自覚してしまった。太ももを擦り合わせる。

 

「それは、私が、どうにかするから、悟はちょっと出てくれないかな。ほら、呪霊とか」

「いやだ」

「えっ」

「傑そっくりのお前が、俺以外の誰かとどうにかするのも、呪霊でどうにかすんのも、俺は嫌だ。っていうか男の精が必要っつってんだろ」

 

 一歩下がった私の手を引いて、胸に抱き寄せる悟。ヒャ、お、男の人の胸って逞しい……。

 でもだめだ。私にはさとりがいるんだから。

 

「悟。困るよ。彼女いるんだ、私」

「ごめん」

 

 悟は私の首元に口を埋めて、悟って背がすっごく高くて、こんな男の人初めてで、体の全部が男の人を欲しいって言ってて、でもダメ、私にはさとりがっ

 

 呪霊が反応して、私は急いで扉を開いた。

 元彼の傑が抱き寄せてくれて、悟を撃退する。

 さとりが私を奪い取ると同時に、胸を揉み、チューしてきた。

 

 目を丸くする傑。

 ごめんね、傑っ

 

 こうして私たちはお互いの世界に戻った。

 

 その日のさとりはすっごくて、私はとっても蕩けてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 次の日。

 悟はあの後、止まれなかったらしい。男の人って、そういう衝動抑えるの大変って聞くもんね。

 相手が傑になっても、止まれなかったのだろう。

 傑は涙目で私に健全な男女交際の素晴らしさを説いた。

 男同士も女同士も不毛だ、特に男同士はムサイありえない、血迷うなよ悟ぅぅ! と傑は訴える。

 悟くらい綺麗で美しかったら、男同士でもまあいいかってならない? って聞いたら、だから駄目なんだって全力で主張された。

 さとりがいるのに、こんなの浮気だよ、と思いつつ、私も悟や傑がその、好きだったりする。

 特に悟のことを考えると、女の子として求めちゃうというか、その、はい。悟を嫌える女いる? いないでしょ。

 なのでその、私は傑の推進する悟とすぐり、さとりと傑でカップルになろう! 計画に賛同するのだった。




マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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