「おかしいだろ! 男同士女同士でくっついても不毛だろ!」
「うん……でもさとり、綺麗だよ……」
「悟だって可愛いさ。けど! けど私はさとりとも仲良くなりたい!」
「私も悟と話したい、かも」
「ということで、一緒にラブラブ大作戦を決行しよう!」
「俺は傑とラブラブしたいんですけど?」
「傑も好みではあるけどさ。私が好きになったのはすぐりなの。わかる?」
後ろで相方が何か言ってるが、傑は怯まない。
「私だって女の子と甘酸っぱい恋したい! 悟は好きだけど嫌だよむさいよ。それにさとりも心配だし! お願いお願いお願い!」
主に傑の方が必死でお願いする。格好付けの傑がここまでみっともなく駄々をこねるのは珍しい。
「……1ヶ月協力してやる代わりに、なんでもさせてくれる券3枚縛り。そっちの俺がいいならな」
「それと、エッチはなし! 1ヶ月後にはちゃんと戻ってくる事も縛って」
ため息を吐いて、悟。
「ええっ ……まあ三回なんでもするだけでさとりと付き合えるなら破格か。学生でエッチなしは当然だし」
「よ、よろしくね」
「おー」
悟とさとりの許可が出たので、私達は入れ替わる事になった。
「ちゅーもーく!」
「しばらく私、男だからよろしく頼むよ」
「戻ったんじゃないのか」
「ちゃんと戻るまで1ヶ月くらい掛かりそうなんだ。男子諸君は仲良くしてくれると嬉しい」
「任せてください!」
「灰原」
そんなこんなで、私はすぐりとして性別逆転世界に侵入した。
「硝太ってどんなエロ本見るの?」
「ざけんな」
「私はね……」
「黙れ」
「さとり〜。硝太が意地悪する」
「ごめん、硝太。ほらこっち来る」
「またね、硝太」
「ちゃんと見とけよ」
私はさとりに回収される。
私はさとりが大好きなので、これはこれでいい。
「手合わせでもするかい? さとり」
「お前、女殴れんの?」
「そのつもりだけど」
ということで、手合わせをする事になった。
「……やり辛い!!! わかってる! さとりなのはわかってるんだけど、でも顔面国宝を殴るのに抵抗があるんだよ!!」
「……腹たつな」
「ごめん」
「いや、純粋にフィジカルが強くなってて、呪力の流れが良くなってる」
「それは女の子の時と比べて弱かったら泣いちゃうよ……。体の作りが違うんだ」
「わかるけどさ。むかつく!」
「受け止めるよ」
その後、勝手が分からず少しやりすぎて、さとりが覚醒した。
しばらくして、さとりが任務に出ている間に私は身体検査を受ける事になった。
「なんで精液検査なんてあるんだい……?」
「五条家たっての望みです」
「えっ それって私を婿として考えてくれるって事!?」
「さとり様は五条家の至宝。滅多な事を言ってはなりません」
「は、はい」
そして私はおとなしく調べられた。いうまでもなく健康優良児だ。
ちゃんと精子も健康である。
そしてスペシャルミッションが降った。
「さとり様を男にしてくだされ……! もしも男にできた暁には、すぐり様を側室にしましょうぞ! さとり様は決して加茂の好きものにも禪院の乱暴者にも渡しませんぞ!」
「ええ……。わかったよ、今は無理だけど方法探すよ……。でも、それを使うのはさとりが望むならね?」
よく分からないけど、さとりの婚約者候補にろくなのがいないらしい。
さとりの力にはなりたいと思うが、本人の意思が大事だよね。
「もし見つからなくて、さとりが選んでくれたら私でもいいかな?」
「誰もが認める功績を打ち立てたならば」
「頑張るよ」
さとりと結婚したいので、頑張ろうと思う。
さとりが幸せになれる方法、私が隣に立てる方法。全部探そう。
そんなわけで、任務が雪崩を起こすかのように送られてきたが、私は頑張った。
さとりが生理の時は、さとりの分も頑張る。
やっぱり女の子はそういうハンデがあるよね。さとりの事を守ってあげたい。
それに、ゴリラムーブをするだけで皆が色々反応してくれるのも面白い。
物を運ぶのだけで周囲がオロオロするんだよ? 面白い。
休日が重なった時、さとりが言った。
「ほら、デート行くよ。私と親しくなりたいんでしょ?」
さとりってどうしてこうウルトラ可愛いんだろう。
一緒に映画を見て食事してショッピングをしてゲームをする。
さとりに色々着せてみて、私も色々着せられた。
ちょっとすぐりのお金に手を出しちゃったけど、おあいこだからと事前に話し合いは済んでる。
事件は1ヶ月の終わり頃に起きた。
「夏油さん。好きです」
「えっ」
まさかの灰原からの告白である。
その上、私は灰原のベッドに押し倒されていた。おかしい。
「えっと、ごめん、灰原。私はさとりが」「女の子じゃないですか。女の子なんですよ。五条さんも、あなたも」
「えっ 男だけど」
「男になったぐらいでその色気は誤魔化せませんよ」
「えっ」
「これから、夏油さんが女の子だって教えてあげます」
私は灰原をぶん殴ってなんとか離脱した。
その夜、私は悟に爆笑された。
さとりはご立腹だ。
「私も口説かれたよ。今の夏油さんは女の子だって教えてあげますって」
「すぐりの一番は私だから! 誰にも触らせちゃダメだから!」
「わかってるよ、さとり。私は安くないよ」
「どっちにしろ女の子扱いなんだ……?」
「お前、モテすぎなんだよ。これにこりたら気をつけて誰彼構わず誑かすんじゃないぞ」
「誑かしてないよ……」
「なんでもいいから帰ってこいよ。すぐりはいいやつだし可愛いけど、お前がいないと寂しいんだよ」
「私も悟がいないと寂しいよ」
「すぐり。帰ったらすぐしよ。すぐりのマシュマロ揉みたい」
「さとり、恥ずかしいよ……」
こうして私達は元さやに戻った。
親友に戻った、と言いたい所だけど、当たり前のように食われてもっと距離が短くなった。
だけど、私はさとりと!!! いい仲になりたいのだ。
悟は好きだ。好きだよ? でも親友でいたいんだよ、私も可愛い子猫ちゃん抱きたい!
ムサイのは嫌ー!
全く同じ生活に戻れると私は勘違いしてたんだ。
私を見る目が、全然変わっていたのに、私は気づけなかった。
女というインパクトは、男よりも遥かにでかいのだ。
マシュマロ
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