助けて前世、逃亡を   作:おおは

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世界を股にかけた転生バ

フランスに、一人のウマ娘がいた。

 

レースに出場してからというもの、ほとんど全勝。二位とは10バ身差を付けたこともよくあった。

 

そして、凱旋門賞での初3連覇。それはそれはもう世界は大きく荒れた。

 

そのまま各国のG1を奪取しまくった。ちょうど数週間前の出来事だった。

 

結果付けられた異名は“漆黒の前人未踏(ラナテニャーブル・ノワール)”。走るときに靡く黒髪から想起されたものだった。

 

人々はそのウマ娘を英雄のように称え続けた。

 

だが、彼女は突如として姿を消した。勿論フランスは大慌てであった。

 

自国を代表すると言っても過言ではないウマ娘が、忽然と姿を消したのだ。焦りに焦った。

 

しかし、見つかることはなかった。

 

そして、勿論世界も行方不明となった世界最強と言っても過言ではないウマ娘を放っては置かなかった。

 

いったい本人はどこにいったのか、何故いなくなったのか……

 

未だ彼女は見つかっていない――――――

 

 

■     ■

 

 

 

俺は朝は早起きするタイプだ。

 

早起きしてから紅茶セットを用意し、顔を洗うために洗面台に向かう。

 

鏡の前に立った俺の姿。それは前世とはまるで違う。

 

絹のようにつやらかな漆黒の髪(今は所々寝ぐせがあるが気にしない)。所々に走る白のメッシュ。

 

整えられた白羽のような軽やかな肌。少し冷酷さを漂わせる鋭い目つき。

 

そして、頭部から生える耳。

 

どうしてこうなった。

 

……どうもピスタチオです。違うわ!

 

今の名前は“デイスタン”だ。

 

何故かウマ娘に転生していた元人間です。元男です。ちわっす。

 

取り敢えず顔を洗い、タオルで拭う。

 

寝ぐせは直すのが面倒なので放置。後で勝手に治るだろう、知らんが。

 

紅茶を濾紙に入れ、湯を注ぐ。沸騰したばかりのままではだめなので少し冷ましている。

 

蒸らしている間にオーブンに昨日特売で買ったフランスパンを切り分けて突っ込んでおく。

 

やがてチンと音が鳴って完成したフランスパンと紅茶を持ち、リビングの机に置く。

 

そして、机に置いてあったリモコンでテレビを付けた。

 

『えー次のニュースです。現在行方が分からないと言われているフランスのウマ娘についてです。』

 

そう言ってテレビに映るのは見慣れた顔。

 

絹のようにつやらかな漆黒の髪。所々に走る白のメッシュ……

 

寝癖だけが違う。 

 

 

うん、はい。俺です。デイスタンです。

 

「向こうは大変らしい」

 

困ったように言ったその声は昔の俺とは違い高い。アルトに近い。

 

そして、身体補正によりなんか威厳のある口調になる。

 

最近やっとこさ慣れてきたが、やはり違和感が残りはする。

 

「勝手に変わる……これはウマ娘補正か」

 

何で逃亡したかって?そんなの至極明解。面倒だからだよー。もう走りたくない。

 

前々までは色々あって走っていたが、もういいだろう。

 

俺はフーと紅茶に息を吐き、紅茶を口にする。

 

あったかいなぁ……。ずっと前から好きだった味だ。

 

うん、やる気がでる。一日やっていけそうだ。

 

今日も路銀稼ぎ頑張りますか――――――。

 

 

 

 

 

 




血迷って書いた作品です。

更新は多分日曜levelです。

ま、いっか。としていたら何か月もたつという悲報ってね。

えーウマ娘アニメ勢(最近見始めた)ですので、色々設定漏れあると思いますが……

※ラナテニャーブル・ノワール:L’Inatteignable Noireから。

やっぱり掲示板は要る、よね?

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  • いや
  • え?
  • 既に掲示板にいる
  • パクパクですわ!!!!
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