助けて前世、逃亡を   作:おおは

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他者視点ぇぇぇええん!!ンアーッ!!!(狂気乱舞)

因みに時間めっちゃかかった。


ネタがない。ノリで生きていこう。うん、そうしましょう。

ということで明けましておめでとうございます~。
今年もよろしくdeath.


太陽間近は焼死はしない

「妹さん、学費たりるかのぉ?」

 

近所のおばあさんが私に問いかけてくる。

 

私の答えはそう、足りない。

 

妹だってウマ娘だ。走りたいに決まっている。

 

私はどうにかして走らせてやりたいと考えていた。

 

 

 

■     ■

 

 

 

 

パドックをルーキーと呼ばれた栗毛のウマ娘が優雅に歩く。

 

だが纏う服は王者のそれ。何故フランスの王の服に似ているのだろうか。

 

そのウマ娘とすれ違う。

 

漆黒の目が気品というか、荘重とした雰囲気があった。

 

続いて私も小さなパドックへ出た。

 

『続いても同じく初参戦、ミズホテイオーです』

 

『彼女は若干緊張しているように見えますが、期待が持てますね』

 

私はここで500万を手に入れる。

 

そうすれば、妹の学費の大きな足しになる。

 

ふと前を見ると、先ほどのウマ娘が周りのウマ娘に睨まれていた。

 

初っ端から何をしでかしたらあんなに睨まれるのだろう。

 

だがそのウマ娘は全く気にすることなく堂々と歩いていた。

 

その時、私は素直に凄いなと思った。

 

そんなことを思っているうちに、私達は今回の戦場へ出た。

 

覚悟を決めて、ターフを踏みしめる。

 

準備をしているうちに、歪なファンファーレが鳴った。

 

頬っぺたを一度パンと両手で叩き、意識を切り替える。

 

そして、ゲートへと入る。

 

何人かは若干渋っていたが、直ぐに全員がゲートに入った。

 

特に先ほどの栗毛のウマ娘は何故か安堵の表情を浮かべている。

 

狭いゲートで安堵するウマ娘なんて見たことがなかった。

 

それに対して苛立ったのか、二つ隣のウマ娘が「ぶっ潰す!」などと吐き捨てている。

 

だがやはり栗毛のウマ娘は気にせずに、ターフのその先へと目線を向けていた。

 

私も深呼吸をして、走るターフを見つめる。

 

良バ。私の得意とする状態、距離。これなら、勝てる。

 

ゲートが開くと同時に、脚に力を込めて走り出す。

 

だがそれよりも早く前に出ていく影があった。

 

『おっとデイスカンが綺麗なスタートを決めて先頭に躍り出た!』

 

栗毛のウマ娘がどんどんとスピードを上げて、後続を突き放していく。

 

逃げ、走りながら脳裡を過ったのはそれだ。

 

であるなら、ペースを乱されないように気を付けなければならない。

 

離され過ぎず、近づきすぎずを保つ。

 

私の脳を一抹の不安が通り抜けるが、やれると反芻して押さえつける。

 

そして、周囲のウマ娘の速度・配置を考える。

 

私の今の位置はバ群のやや後方だ。スリップストリームを使い体力を温存する。

 

『――おおっと!!ここでモグモグパクパクがスピードを上げた!!』

 

と、やがて1000mを切ったところで一人のウマ娘がバ群を抜けていく。

 

しかし、先頭に迫っていったところで、栗毛のウマ娘が再加速したのである。

 

追い付けなかったウマ娘が疲弊し、速度を落としていく。

 

私が追い抜かしたとき、その表情は悔しそうだった。

 

それを見ると、勝てるかどうかが不安になる。

 

だが、500万あれば妹の助けになる。

 

今は勝つことに集中する。

 

そして、最後のカーブに差し掛かる時、私は今まで溜めていた力を脚に注ぐ。

 

ここで決めるッ!

 

そう思い地を蹴ると、景色がグンと流れていく。

 

「なッ――――」

 

バ群のウマ娘たちが追い抜いていく私を見て驚く。

 

どんどんと加速する感覚。

 

同時に息もどんどんと荒くなっていく。

 

セカンドウィンドウにはとっくに入ってるだろう。

 

しんどさを我慢しながら、前を向くと、先頭の栗毛が目に入った。

 

一瞬だけ加速する態勢をしていたが、何故かそれをやめている。

 

原因は分からないが、このチャンスを逃す手など存在しない。

 

更なる辛苦に耐えながら、私は重くなりだした脚に力を込める。

 

『――――おっとここでミズホテイオーが追い上げてくる!』

 

私が2バ身差に迫ると、栗毛のウマ娘が驚愕の表情を浮かべる。

 

いけるッ。ここで行くッ!

 

だるいだるいと叫ぶ脚を無理やり動かす。

 

「はあぁぁぁああああ!!」

 

歯を食いしばり、彼女に並ぶ。

 

「負けるかぁぁああ!」

 

栗毛のウマ娘も、並びながらそう叫ぶ。

 

お互いが全力を持ってゴールを駆け抜けた。

 

徐々に速度を落としてから、急いで呼吸をする。

 

「ゼェ……ゼェ……カヒュ……」

 

気管支が締まって上手に呼吸ができず、空気の音がする。

 

マズいマズい……

 

そう思っていると、向こうから大歓声が聞こえる。

 

どうやら結果ができたらしい。

 

何とか視線を上げ、掲示板を見る。

 

そこに表示されていたのは、私が二着であることだった。

 

そうか……私は負けてしまったんだ……

 

視線の先で片手を頭に乗せながらガッツポーズをしている栗毛のウマ娘に。

 

彼女が、係員らしき男性から封筒を貰っている。

 

あれがきっと500万の厚みなんだろうなぁ……

 

ふと気付けば悲しさからか、酸素欠乏からかは分からないが、体が言う事を効かずに傾いた。

 

抵抗する力も、最早ない。

 

目を瞑り、身を重力に任せたその時だった。

 

身体がフワリと何かに支えられる感覚。

 

目を開くと、栗毛のウマ娘が私を支えに来ていた。

 

随分と心配そうな表情をしている。

 

大丈夫といって離してもらい、地面に座り込む。

 

だが、自分のせいなのに、口から文句が溢れてしまう。

 

「なんでッ……」

 

「それは助けるのが医者の仕事だからだ」

 

医者?このウマ娘は医者だとでもいうのだろうか。

 

文武両道まさしくだ。余計に私の中の燻りは大きくなった。

 

「はぁ……はぁ……あなたが、いなければ私がッ……妹の学費をッ……」

 

申し訳ないと思うが、そう叫んでしまうのも仕方がないだろう。

 

栗毛のウマ娘は数舜困った表情をしていたが、やがて何かを決意したように私を見た。

 

「……なら半分いるか?」

 

「えッ?」

 

思わず彼女を見る。

 

500万が必要だから走りに来たのではないのか?

 

もしそうなら、驚くほどの慈善家だと思った。

 

私が呆然と見つめる中、彼女が視線を動かす。

 

――――その時だった。

 

栗毛の髪束が落ち、隠れていた漆黒の髪が露になったのである。

 

思わず目を見開いた。

 

その漆黒の姿が、前にテレビで見た姿と重なる。

 

『ん?――ッあ、あの漆黒髪……!あれはまさか――』

 

実況が叫ぶ。

 

それに対して、彼女が「Au revoir la paix……」と呟く。

 

あぁ、本当にそうなのか。そう思ったときだった。

 

「おらぁ!大阪府警の出張逮捕じゃぁぁ!おんどりゃ大人しく捕まれやおらぁ!」

 

という怒声が入口から響いた。

 

警察……確かにこのレースは違法だ。

 

しかし、大阪府警……なぜ。ここは大阪ではない。

 

「で、でた!!警察だ!!サツに見つかったぞ!!!」

 

「逃げろぉぉ!!」

 

観客達が絶叫しながら散開していく。

 

やがて警察の特徴的な青の制服が観客達のいる所から見え、ブイーンという何かのエンジン音も聞こえてくる。

 

もう走る気力もない。どうしようもないなぁ。

 

そう思うが、逆に何故か清々しい気分だ。

 

だが隣をふと見ると、既に彼女の姿は無くなっていた。

 

代わりに、金束がポンと置かれている。

 

足跡が新たに出来ていることから、きっと逃げたのだろう。

 

……それにしても、本当に置いていったんだ。

 

私は少しだけ笑ってしまった。

 

 

 

 

そこからのことはあまり記憶に無い。

 

警察に保護され、結果的には監視対象ということで解放された。

 

帰り道の手は何も持っていない。

 

だが、不思議と悪い気はしなかった。

 

案外どうにかなるかもしれない、と思ったからかもしれない。

 

静かな夜の道を歩きながら、今日出会った存在を思い返す。

 

漆黒の髪に、優雅な笑み。まさしくフランスを体現しているようだった。

 

あんなレースに参加していたということは、運営側の知り合いなのかもしれない。

 

また会えたらいいなぁ、と思いながら私は自宅のドアを開いた。

 

「ただいま」

 

「お帰りお姉ちゃん!」

 

「今日ね、凄いことがあったんだよ―――――」

 

活気のある声が、静かな夜の街に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この話で更なる高みに行こうじゃないか!!ウルトラではない!!

(GLをする気もなければ勘違いをしようとしているわけでもないのでタグはつけません)


〇セカンドウィンドウがウマ娘にあるのかは知らない。

フランスちゃんが聖蹄祭最初に出会っちゃうトレーナーは、、

  • 沖野T←作者推し
  • 南坂T
  • 東条T
  • (北原T)
  • オリ主のT
  • あったけぇ〜 !
  • 任せる。
  • ケ?
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