『それでは秋の大感謝祭を開催します』
今の俺の眼前には、たくさんの出店・屋台が並んでいる。
その全てに、ウマ娘の姿。
「おお、これが聖蹄祭……!」
中々見ない規模の祭りに俺が思わず感嘆していると、横でチャラ男こと荒木が自慢げに笑った。そして、変わらず糸目は見えているのかさっぱりだ。
「せやで~これが中央の聖蹄祭や。楽しいモン一杯あるで~」
「それは実に楽しみだ」
ガヤガヤとした喧騒が、俺の好奇心を刺激してくる。
まるで3徹明けの時に何とか帰れた自宅のベッドを視界に入れた時のような気分だ。
あ、クソ。そのことを思い出すとあのクソ院長のことを思い出してしまう。
「……どしたん?何か敵見つけたみたいな顔しとるで」
ふと気づくと、荒木が俺を見ながら聞いてくる。
「いや、何でもない。行こうか」
「うっしゃ。なら俺が色々案内したるわ!」
ヤクザが付けそうな茶色のサングラスを掛けながら張り切る彼に、俺は思わず苦笑する。
相変わらずギャップで頭がイカれそうだ。
「ああ、頼む。あとできれば紅茶が飲めるところも案内してほしいな」
朝飲んでいるが、偶には別の種類とかも飲んでみたい。
これだけの規模ならあるだろう。喫茶とか。
「それなら今年は執事喫茶があるで」
「ほう、それは興味深い」
「なら後で寄ろか。ほな、取り敢えずあっちから行くで!!」
随分張り切っている荒木が俺を急かさんとばかりに歩き出す。
俺も好奇心のままに歩き出した。
……よし、今日のカツラ君はちゃんとくっついてるな。
◆ ◆ ◆ ◆
『いえーい!祭り最高―――――ッ!』
屋台の並ぶ道を、一人のウマ娘がワクワクしながら猛スピードで通り抜ける。
客は思わず迷惑そうにそのウマ娘の方を見たが、その姿を見た瞬間動きを止めることになった。
何故なら、フランスでその名をはせたウマ娘の一人だったのだ。
しかし、彼女が来た方向からゆっくりとやってきた数人に、一同は更に目を向くことになった。
歩いてきたのは貫禄のあるウマ娘二人と、一人の中年手前の男。
『あいつ、また先先と……』
そう言ったのは鹿毛に一筋の白メッシュの入ったウマ娘――――ダンシングブレーヴ。
深い溜息を吐くので、思わず中年手前の男は苦笑した。
『まあまあ。偶にはいいじゃないですか』
『偶に、がいつもだから困ってるんだ、トレーナー』
ジトリと睨まれ目を逸らす男に、もう一人のウマ娘が肩を竦める。
『いいじゃないか、自由奔放』
栗毛のニヒルな笑みを浮かべるウマ娘――――トランポリノだ。
三人が我先にと走っていったウマ娘を歩いて追うと、彼女は一つの屋台で止まっていた。
「おっしゃあああ!ウチ特製たこ焼き焼いて焼いて焼きまくるで!」
『おおおお!凄い凄いッ!』
発言・看板から見て、どうやらたこ焼きの屋台らしい。
フランスでは早々お目にかからない食べ物なので、きっと興味が湧いたのだろう。
近づいて見てみると、一人の小さな葦毛のウマ娘が全力でクルクルとたこ焼きを転がしては紙器に載せてた。
何とも神がかった動きに男が感嘆の息を漏らす。
「コンニチワ……んんッ……こんにちわ、お嬢さん方」
記憶の底に眠る言葉を掘り起こしながら話しかけると、葦毛のウマ娘は驚いた顔をした。
「おお!日本語喋れんのかいな!」
「ええ、自身が担当しているウマ娘が日本語好きでして。自然と」
「ん?担当してるってことは、トレーナーかいな?」
葦毛のウマ娘がたこ焼きを転がしながら、男を一瞬見定めるような目で見た。
だが男は変わらず微笑みを崩さずに言う。
「ええ、一応。この子たちの担当をさせてもらっています」
男の背後から二人のウマ娘が近づいてくる。
その姿を見た途端、思い至ったらしい葦毛のウマ娘は目を見開いた。
「おいおい、まさかあんた……フランスで有名なあのトレーナーかいな?!」
男が視線を向けられ、苦笑する。
「まぁ、メイビーそれです。スミスと言います」
「ウチはタマモクロスっちゅうもんや!よろしくな!」
そう言って元気に言う葦毛のウマ娘―――タマモクロスに男は感嘆の息を漏らす。
「おお……あのタマモクロスですか。こちらこそ会えて光栄です」
「褒めてくれても何も出えへんで。ほな、たこ焼きいっちょあがりや!」
男――スミスは差し出された数多くのたこ焼きを受け取り、目を輝かせるベーリングに渡す。
ベーリングはすぐさまそれを口に運んだ。
「Oui ! C'est délicieux !」
何を言っているかは分からないが、喜ばし気な様子にタマモクロスは満足気に頷く。
すると、遠くからタマモクロスを呼ぶ声が聞こえてきた。
「おーいタマちゃーん!」
一同が視線を向けると、なんとも怪しい恰好をした若い男が屋台の方へと走り寄ってきていた。
茶色のサングラスに、トラ柄のジャージ。極めつけには糸目。
疑わない方が可笑しいだろう。
だがタマモクロスは知り合いだからだろう、朗らかな声で迎え入れた。
「おお! 荒ちゃんやん! 今日はどないしたんや」
若い男――荒ちゃんと呼ばれた―――は屋台の傍に来ると胡散臭い笑みを浮かべながら頭を掻いた。
「たこ焼き貰いに来たんやわ。二人分な」
「二人分?そんなようさん食べたっけ?」
「いや、今知り合いのウマ娘預かっててな。食べるか聞いたら食べたい言うてたから」
それを聞いたタマモクロスは感心すると同時に、やる気を漲らせた。
ウマ娘は基本的にエゲツないほどの健啖家であるからだ。
「そうなんか!おっしゃそんならオマケ付けといたるわ!」
「おおっ流石はタマちゃん!太っ腹や」
若い男は胡散臭いオーラを放ちながら大仰に応援の声を放つ。
「こんにちは、あなたもたこ焼きを?」
スミスが負けじと話しかける。
「んあ?そうやな。タマちゃんのたこ焼き旨いねん」
「そうなんですね」
お互いが微笑みながら見つめ合う。
だがその視線は全てを見透かさんとばかりで、全く笑っていなかった。
二人の見つめ合いを断ったのは、袋を持ったタマモクロスの声だった。
「ほな荒ちゃん、たこ焼きな」
「おお、有難うな。じゃ、また来るわ!」
「おう!いつでも来いや!」
手を振った若い男がサングラスを反射させながら去っていく。
変わった男だった、とスミスは考えた。
「では、私達もこれで」
スミスが笑みを浮かんで一礼すると、タマモクロスは満面の笑みを浮かべた。
「おう!楽しんでってや!」
「有難うございます」
スミスもたこ焼きに夢中のベーリングを引き連れて、その場を後にするのだった。
書いて書いて書いて書きまくります。
※オグリキャップ引退年ですが、シングレとは大分変えてます。
ちなギャロップダイナを出したい。
〇チャッピーにOHANASIしてデイスタンの画像作ってもらって格好いいなぁとは思ったけどウマ娘感ある作画ではなかった。参考にして描き直そうかな、、、
フランスちゃんが聖蹄祭最初に出会っちゃうトレーナーは、、
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沖野T←作者推し
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南坂T
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東条T
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(北原T)
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オリ主のT
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あったけぇ〜 !
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任せる。
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ケ?