助けて前世、逃亡を   作:おおは

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※飯テロあり。空腹の方は発狂にご注意ください。


産地偽装や!大阪の粉味わえヤァ!


じわりと迫る魔の手()

「おーい!」

 

暫く待っていると、てんやわんやの民衆をかき分けて荒木が姿を現した。

 

「貰って来たで、タマちゃんのたこ焼き」

 

胡散臭気な笑みを浮かべながら、いい香りのする袋を俺に差し出してくる。

 

「感謝する」

 

「たこ焼きは日本を代表する食べモンやからな」

 

袋からたこ焼きの入った紙器を取り出す。

 

手に持つと、ほのかな温かさと非常に食欲のそそる匂いが鼻腔を擽る。

 

生地にソースの甘酸っぱい匂いだ。

 

実に久しぶりだ、たこ焼きを食べるのは。

 

一緒に入っていた爪楊枝で一つを口に運ぶ。

 

瞬間、口の中で旨味が蕩けるようにじゅわりと浸透した。

 

「!旨いなこれは」

 

「せやろ~。そもそもたこ焼きが美味しいんやで」

 

大仰な素振りをしながら茶色のサングラスをカチャリと鳴らす。

 

周りの視線があっという間に荒木へと―――そして俺へと集まった。

 

「お前、注目を浴びてるぞ」

 

「お前こそやんけ。その男装美人みたいなカッコどうにかならんの?」

 

そう言われ、俺は視線を落とす。

 

今の俺の服装はいつものジャージ、ではなく、カジュアルなジャケットを羽織り、デニムを穿いている。

 

俗に言う店員おススメセット。俺チョイスは一ミリも入っていないのだ。

 

「ジャージ以外はこれくらいしかないぞ」

 

「は?何それファッション興味なさすぎやろ。俺みたいにイケイケならな」

 

トラ柄のジャケットをバサリと翻す。

 

「イケイケかどうかは疑問に思うが?」

 

ヤンキーとしてはイケイケか。

 

「折角なんやからもっと色々着たらええのに」

 

「おいおい、な」

 

たこ焼きを口に運ぶ。

 

弾ける旨さに脳が蕩けそうだ。

 

ああヤバい。全然止まらない。もうラスイチじゃん。

 

「取り敢えず執事喫茶行くかいな?」

 

「ムグ……ああ、そうだな。食後に紅茶は最適だ」

 

立ち上がり、最後の一口を食べる。

 

空の紙器を袋に入れてから荒木についていく。

 

「あ、そういやさっき面白い人と出会ってん」

 

荒木が前をチンピラのように歩きながらふと呟いた。

 

「面白い人?」

 

「せや。まぁ……そやな、多分会ったら面白いことなるわ。クク」

 

ウザい笑い声を上げているが、何を言ってんのかよく分からん。

 

俺は溜息を吐いて辺りを見回す。

 

道中多くの露店を通り過ぎながら改めて思うが、やはりかなり大規模だ。

 

特徴的な制服を纏うウマ娘の姿の多さも然ることながら、客の数も滅茶苦茶多い。

 

あちこちを見回していると、遠くからガヤガヤと一層大きな音が聞こえてきた。

 

見てみると、何かが凄い勢いで走り回っている。

 

「俺が一番早く全部回るんだ!」

 

「いいや私よ!」

 

「「何だと(ですって)!」」

 

二人のウマ娘が顔面をぶつけ合わんばかりに張り合いながら凄まじい勢いで屋台を回りまくっているではないか。

 

「いーや俺が先だ―――――ってうわっ」

 

走ってきた鹿毛の一人と俺がぶつかってしまう。

 

俺は少しバランスを崩したものの、何とか倒れずにすんだが、相手は盛大に倒れてしまった。

 

「イテテ……」

 

「おい、大丈夫か?」

 

手を差し伸べると、顔を上げた相手と視線が合った。

 

ショートヘアの鹿毛に白のメッシュが入り、顔半分を隠しているウマ娘だった。

 

だが不思議なことに、俺を呆けるような感じで見ている。

 

「堂々としてんの……か、かっけぇ……」

 

「……?」

 

今、かっけぇって言ったか?

 

急にどうしたんだ?

 

そう疑問に思っていると、いつの間にかもう一人のウマ娘がやってきた。

 

「アンタ何やってんの!さっさと行くわよ!」

 

栗毛のツインテールで、どこか女王様感がある。

 

そのウマ娘が鹿毛のウマ娘の首根っこを掴みあっという間に去っていった。

 

「一体何だったんだ……?」

 

なんか俺の救急で働いてた時に鍛えられた直感が警鐘を鳴らしてるな……

 

彼女達か、はたまたそのトレーナーか……。

 

 

 

◆     ◆     ◆

 

 

 

「「お帰りなさいませ、ご主人様」」

 

執事喫茶に入ると、中ではイケメンタイプのウマ娘が客たちを持て成していた。

 

俺もそのうちの一人に案内され、椅子に座る。

 

因みにだが荒木は先ほど警備員にお話いいですか?と連れ去られていった。

 

逆によく入った途端に捕まらなかったなと思っている。

 

「こちら、セイロンティーになります」

 

執事服を纏った青鹿毛のウマ娘が洒落たティーカップに鮮やかな色の液体を注ぐ。

 

いやー凝ってるねー流石。

 

去っていく姿を見送ってから、俺は紅茶を一口飲む。

 

……うん、流石はセイロン。最近はダージリンばかりだったから懐かしい。

 

舌でよく味わっていると、ふと優秀なウマ耳が向こうで会話しているウマ娘の声を聞き取った。

 

「……シンボリルドルフ会長は?」

 

「さっきトウカイテイオーさんと楽しんでくるって言ってたわ」

 

シンボリルドルフにトウカイテイオー……ネームドにも程がある。

 

ジャパニーズトレセンは凄いな。

 

まぁ史実は兎も角今世ではまだ会ったことないが。

 

ズズズ……と最後に軽く音を立てて飲み切る。

 

やはり紅茶は飲むと落ち着くな。

 

コーヒーのほうが健康に良いっていう研究があった気がするが、現場やってた人間はそういうの気にしてたらストレスで干乾びるんだわ。

 

ふぅと一息ついてから俺は席を立ちあがった。

 

すると、それを察したらしいウマ娘が一人近寄ってきた。

 

「もうお帰りですか?」

 

「ああ、美味しかった。感謝する」

 

「お褒め頂き光栄でございます」

 

相手がフッと笑ったので、俺もフッと笑い返してやる。

 

「あなたも執事服、似合いそうですね。会長と雰囲気が似ている」

 

「それは勘弁だ。紅茶ありがとう。失礼する」

 

このまま居たら色々不味そうなので、早々にお暇する。

 

だが、俺への災難は喫茶店ではなく、たくさんの屋台を見回る道中で起こることとなった。

 

 

 

 

 

「――ん?あいつは……こないだのウマ娘じゃねぇか……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おいおい、ね。甥にもおいおい伝えたいね―――もう冬終わりかけてるしいいよね?


ということでアンケートの結果に従いおきーのTでいきます。
何でこんなに人気があるのに本名出てないんでしょうね……?

フランスちゃんが聖蹄祭最初に出会っちゃうトレーナーは、、

  • 沖野T←作者推し
  • 南坂T
  • 東条T
  • (北原T)
  • オリ主のT
  • あったけぇ〜 !
  • 任せる。
  • ケ?
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