俺が本気で走れば勿論凄まじい速度がでる。
転生特典さまさまだが、そんなことをすれば運んでいるものは悲惨なことになる。
だから精々ランニング程度に収めている。
そして勿論、帽子を被って(髪はまとめて帽子の下)眼鏡(伊達)を掛け、マスクを付けている。
何だかんだ言っても凱旋門賞3連覇。そして黒髪に特徴的なメッシュ。
まぁバレるだろうな、と思っての対策だ。
因みに服はジャージ。昔フランスで友人から貰った、まだ研究中のウマ娘用ジャージらしい。
似合うか?知らん。前世からファッションには興味がない。実用主義だ。
走っていれば通行人にチラチラと見られるが、まぁ事実バレていないだろう。
無事之名バ主義の俺にとって、ガチで走らずに生きていけるこの環境は最高だ。
体をぶっ壊す競技には前世医者だった俺があまりいい気持ちにならないからな。個人的感想だが。
「さて、さっさと配達してしまおう」
一息ついて、俺はまた走り出した。
■ ■
『さぁ始まりましたウマ娘大食い大会!!!優勝景品は超高級ニンジン100本!!そして今回はなんと!!オグリキャップの参戦です!!』
圧倒的な歓声の中、ステージに上がった葦毛のウマ娘―――――オグリキャップが手を挙げる。
それを遠くから一人のトレーナーが見ていた。
「何で俺がついてこなくちゃならないんだ……」
沖野が困ったように声を上げる。
彼から見れば、オグリキャップの圧勝は確実だろう。彼女以上のブラックホールを彼は見たことがなかった。
「少し散歩するか……」
そう決断し、オグリキャップが圧勝するまで辺りをウロウロと周る沖野トレーナー。
すると、視界の隅に走る一人のウマ娘が映った。
「ん……? ありゃウマ娘か?」
じっくり見ると、ボックスを片手に持ちながら、帽子を深く被りマスクを付けて眼鏡を掛けた、見たことが無い柄のジャージの少女が走っている。
しかし、帽子の穴から突き出す耳と尻尾がウマ娘であることを物語っている。
されど髪はまとめて帽子の中に入れているらしい。怪しいことこの上ない。
「何だあの恰好……にしても、綺麗なフォームだなありゃ」
彼女の走りは非常に綺麗で効率的だ。そして鍛えられている。
現役の子だろうか。というか、本気で走れば相当優秀かもしれない。
だが、トレセンであのフォームは見覚えがなかった。
「うーん……いつか見た気がするんだがなぁ」
彼は必至に頭の中を探し回る。
そして、それが喉元まで来た時だった。
「沖野トレーナー。終わったぞ」
背後から突然声をかけられ、彼の喉元まで迫ったものは霧散した。
「ん?お、オグリキャップ……何だそれ」
振り返った彼。
そこには箱を何段も背負い、更には前にも持ち視界をほとんど塞いだオグリキャップの姿があった。
「優勝商品の高級ニンジン100本だ。凄くいい。これで暫くは楽しめるな」
ホクホク顔のオグリキャップ。
沖野はま、いいか。と思うのだった。
「じゃ、帰るか。荷物少し手伝おうか?」
「そうだな。荷物は大丈夫だ。一人でも運べるぞ」
彼らはその場に背を向ける。
ふと、先ほどの姿が脳裡を過る。
既に完成している高身長でないながらも滑るようなストライド走法。
片鱗だけでも相当な才能を感じれる。
「今度会ったらスカウトしてみっかな……トモも確認してぇ」
ついでに脚も確認したい、と要らぬ事も考えてしまった。
あれは絶対良いトモだ、と。
時系列はあまり気にせずやってるのでご了承。
ウマ娘はややこいですね。
沖野トレーナーがいます。
個人的に沖野トレーナーが好きなので。
やっぱり掲示板は要る、よね?
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うん
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いや
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え?
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既に掲示板にいる
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パクパクですわ!!!!