前世ファンだったヤツのイナイレ転生   作:Lcrcl (エルマル)

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転生者だとか、この世界が前世では創作だったと教えるのって賛否両論ですよね。出し方にもよるし、人によっては地雷にもなりうる。
だから前回で警告をする必要があったんですね(某兄貴風)


相棒

side三雲拓也

 

「──コレで全部だ」

 

覚悟を決めたヴァーゴに、俺は自身や瞳子さんが前世で死んでこの世界に転生したこと…そして前世ではこの世界がアニメやゲームだった事を伝えた。

所々驚いたりするも、ヴァーゴは最後まで真剣に聞いてくれた。

 

「…なるほど、ね。正直信じられないような内容だけど…私に初めて会った時驚いてた事とかを思い返すと、納得できる。その上で…一ついいかな?」

 

「?」

 

「拓也くんは、この人生を楽しめてる?」

 

ヴァーゴの口から出たのは、そんなシンプルなものだった。俺の答えは決まってる。

 

「楽しめてるって、そりゃ楽しいさ。本来なら架空の話だった事が今…現実としてココにある。今の俺にとっちゃぁ……この世界はアニメやゲームなんかじゃなく、紛れもない現実。キャラクターとしてではなく、実際に存在する人や物として関わるのが何よりも楽しい」

 

「(…三雲くんはそう思ってるのね。私もそう思える時が来るのかしら)」

 

「それにヴァーゴ」

 

「?」

 

「俺は確かに前世ではお前の事を"推し"だと思っていた…だけど」

 

ヴァーゴの目を見て、俺の気持ちを伝える。

 

 

 

「今じゃ俺の大切な───『相棒』だ」

 

 

 

「っ…相棒、かぁ。相棒……ふふっ」

 

ソレを聞いて、ヴァーゴは嬉しそうに言葉を繰り返す。

 

「ありがとう、"拓也"。相棒と呼んでくれて…瞳子さんも明かしてくれてありがとう」

 

「…お礼を言われるつもりはなかったんだがな?」

 

「私もよ。むしろ…知識を持ってて何故より上手く動かなかったか、非難されると思っていたわ」

 

「そんな事しないよ!?私を何だと思ってるの!」

 

「教えがいのある子」

「相棒」

 

「へ?そ、そう言われると、うーん…って関係ないじゃん!」

 

「「そう?」」

 

「謎にシンクロしてるし。…とにかく、私は言ったことに感謝こそすれ非難は絶対しないからね?だから瞳子さんも拓也も気にしないで」

 

「そりゃありがたいな…ん?拓也って呼んだか今」

 

一回目はさらっと言ったから気付かなかったぞ。

 

「呼んだよ?相棒だし、この距離感で呼んでもいいかな~って。私のことはスピカって呼んでね?」

 

「…マジか」

 

前世も今世もヴァーゴ呼びで慣れてしまってるんだが。

 

「慣らすためにまずは私たちしかいない時でもいいよ」

 

「…じゃあそうする。ヴァ…スピカ」

 

「っ!(なんだろ、この感覚…凄くいい!)ん~、もう一回!」

 

「なんで?」

 

「いいから!」

 

「ス、スピカ」

 

「っ~~!(キャーっ、何コレ凄いんだけど!)もう一回!」

 

「なんで???」

 

〇〇さんがご飯で呼びに来るまで、しばらく名前呼びに付き合わされることになった。

 

「………(私、一体何が悲しくてこの光景を見せられてるのかしら)」

 

ーーーーー

 

ーーーー

 

ーーー

 

ーー

 

 

スピカに実質的な告白を済ませ、週明け。全国大会に向けた練習が始まったので俺は部室で見つけた究極奥義のページを響木さんに見せる。

 

「部室にこの秘伝書があったんですけど、名前が分からないんですよ」

 

「む、コレか…」

 

懐かしそうに破れたページを見ながら、響木監督は答えた。

 

「この技は大介さんですら使えなかった大技だ。曰く『適正じゃない』とか言ってたがな…そして、この技に名前は──ない」

 

「えっ?」

 

「使える者が現れたら名前を明かそうと言ってたが、結局分からずじまいだ」

 

「なるほど…」

 

「中身は確か、『ドッ、シュルル、ズバーン!』だったか?ドッは疾走、シュルルは回転、ズバーンがシュートって所までは分かってるな」

 

疾走して、回転し、シュート…何となくイメージが湧いてきたな。

 

「ありがとうございます、ちょっと練習してみます!」

 

「あぁ。幻の技が見れるの、楽しみにしてるぞ」

 

 

 

ーーー

 

 

 

一方その頃、とあるアフリカの国にて。

 

「うおっほん!風邪かのう…む、どうしたんじゃ?」

 

咳き込んだ老人に、弟子と思われる子供が駆け寄る。

 

「師匠、今俺に教えてる技って原型とかあるの?例えばゴッドハンドXにはゴッドハンドとかさ」

 

「…どうしてそんな事訊くんじゃ?」

 

「なんか興味が湧いてさ」

 

「うむ…一応あるぞい。じゃがゴッドハンドXと違って原型はあまり留まってないがのう」

 

「どんな技なの?」

 

「突風のようなスピードで走り、回転してその遠心力を利用してボールを蹴り込む究極奥義じゃ。名前は────」

 

一息置いて、老人は答える。

 

「──ウィンドブラスト」




ウィンドブラスト 風 未習得
突風のようなスピードを持つ者だけが使える究極奥義。正義の鉄拳やムゲン・ザ・ハンドより先に考案されたが、それ故に裏ノートではなく秘伝書に書かれている。
ゴッドノウズ≦ウィンドブラスト≒エターナルブリザード

果たして三雲は習得できるのでしょうか?

次回もよろしくおねがいします。
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