前世ファンだったヤツのイナイレ転生 作:Lcrcl (エルマル)
side三雲拓也
鬼道が率いる帝国学園が世宇子中に惨敗したという知らせを聞いた、数日後。
昼ぐらいに俺達の練習を鬼道が見ていたが、表情は暗かった。音無が話しかけ、2人で何処かに行った。
その夕方…偶々河川敷に来ていた。
「神のアクアって、ホントに強いんだね…」
「…元キャプテンとして申し訳ない」
「照美は悪くないよ、もう世宇子中の生徒じゃないでしょ?」
そう話してるのは俺、スピカ…そしてリハビリ中の照美。ようやく薬が抜けきって、動けるようになったのだ。
「…あれ?あそこにいるの鬼道くんじゃない?」
「ん?ホントだな、音無もいる」
2人の方に近付くと、鬼道が先に気付いた。
「三雲と乙女乃と…確か、元世宇子中のキャプテンか」
「えぇっ、元キャプテン!?どういう事ですか!?」
「私は亜風炉照美、君の言う通り元キャプテンだが…知ってたのかい?」
「そこにいる2人の会話を偶然耳にしてな」
盗み聞きかよ、いつ近くにいたんだ…?
「その、すまない。私の元チームメイトが…」
「…お前が関わっていないは分かっている。だから謝らないでくれ」
「っ…」
「ヤツらにはまるで歯が立たなかった…格の違いという物を思い知らされたんだ」
暗い表情で鬼道は続ける。
「負けたら悔しい、と人は言うかもしれない。だが、今俺にある感情は悔しいという言葉じゃ測れないんだ…ッ、手も足も出なかったんだぞ…!」
試合に出れただけマシだと思っていたが、メンタルが折れかけているのは変わらないようだ…と俺が考えていた所で、何処からともなくボールが飛んできた。
「──ッ!」
「えっ、誰が…っ!?」
鬼道がボールを蹴り返すと、ソレを拾ったのは───豪炎寺だった。
「豪炎寺か…!」
「豪炎寺くん、何をして「待てスピカ、ココは俺達が出る幕じゃない」…え?」
スピカを制止しつつ、豪炎寺を見る。
「アイツの顔を見ろ、鬼道に喝を入れるつもりだ…見ておくだけに留めておこうぜ」
「…分かった」
「ありがとう三雲……鬼道、来い」
「あぁ…」
2人はグラウンドに降りると、ボールを互いに向かって蹴り合いはじめた。
「そんなに悔しいか、鬼道!」
「ッ、悔しいさ!俺は世宇子中を倒したい!」
「だったらやれよ!」
「無理だ…!帝国は、FFから敗退した──「自分から負けを認めるのか、鬼道!!!」…ッ!」
「爆ファイアトルネードッッ!」
炎に包まれたボールを鬼道が避けると、その先の壁に衝突しクレーターができた…リアルで見るとマジで怖いな。
「…一つだけ方法がある。お前は円堂や三雲を、正面からしか見たことがないだろう?──アイツらに、背中を任せる気はないか?」
「──!!」
俺も入れてくれるのは嬉しいが…さて、鬼道は入ってくれるだろうか?
「鬼道くん…」
「…恐らく、彼は雷門に来るだろうね」
「えっ、どういう事?」
「背中を任せる、とはそういう事だと思うよ」
「…確かに、そっか」
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そして、千羽山中との試合当日。照美が観客席にいるのを目撃しつつ、俺達は試合が始まるのを今か今かと待っていた。
「監督、なんでまだ行かないんですか!?」
「このままだと試合が中止になっちゃうっす!」
「…もう少しで来る」
「来るって、一体誰が!?三雲とヴァーゴも何か言ってくれ!」
「「………」」
「なんで黙り込んでんだ…?」
…よし、そろそろだな。
「「来た」」
「来た?マジで誰なんだ──」
「待たせたな」
そう言ったのは…マントを赤から青に変え、雷門のユニフォームを着た───鬼道だった。
「えっ…?」
『えぇぇぇぇっ!?』
三雲のスピカ呼び
大体試合中などの緊迫した場面で言ってるので、聞いても気付かずスルーしている。だから誰も気に留めていない。
爆爆熱スクリューとかいう面白い技名。
次回もよろしくおねがいします。