001
──聞こえた。
女の子の声だ。静かで、澄んでいて、まるで水底から響いてくるみたいな、そんな声。
「…私のミスでした。」
「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況」
「結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……今更図々しいですが、お願いします。先生。」
なんだこれは。夢……なのか?
夢にしては、声がやけに鮮明だ。
「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……。」
「ですから……大事なのは経験ではなく、選択。」
「責任を負うものについて、話したことがありましたね。」
「今なら理解できます。責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択──それが意味する心延えも。」
声は落ち着いていて、けれどどこか必死で。
僕を信頼しているようで、そして、何かを託そうとしているようで──
「私が信じられるあなたなら。この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……。」
「そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです。」
「だから先生……どうか。」
……そこで途切れた。
002
「…じゃ………前様!…」
忍の声だ。聞き慣れた声だ。いや、聞き慣れた……はずなんだけど、妙に遠い。
「……うーん……むにゃ……忍……それは……罠だ……ドーナツは……0カロリーじゃない……」
「変な夢を見とらんで起きるんじゃ。お前様!」
そう聞こえた直後、僕の頰に痛みが走った。
「痛っ!? なにすんだ忍! って──あれ?」
目を開けた瞬間、僕は固まった。
ここは、僕の部屋じゃない。
広い。やたらと広い。病院にしては未来的すぎるし、家にしては白と青の配色が洒落すぎているし──まず僕はベッドで寝ていたはずだ。なのに今は、スーツ姿で、椅子に腰かけていた。
……スーツ?
あれ、僕はこの前直江津高校を卒業したばかり。
スーツを着て寝落ちした覚えなんて、当然ない。
忍「そうじゃ! 儂は影の外が急に違う空気になったのでな。まだ日が出ておったし寝ておったのじゃが、気になって外に出てみたら──なんとも変な場所じゃ。」
「外の空気が……変わった?」
また鏡面世界という裏の世界に迷い込んだのかと考えたが、鏡に映らないはずの忍が目の前にいる時点でその考えは否定された。
僕が眉をひそめていると、別の人の気配を感じた。
忍はすぐさま影に戻る。
「あら、起きられたようですね。」
振り返ると、黒髪ロングで、少し目つきの鋭く──大きい女の子が立っていた。
ただ、一つの違和感に視線が吸い寄せられた。
頭の上に浮いている、光る輪っか。
天使の輪っか──のようなもの。
ここは天国なのか?いや、この前死んだ時は地獄に落とされたので、僕はもう天国に行けないことおおよそ確定している。
「自己紹介が遅れました。私は七神リンと申します。学園都市『キヴォトス』の連邦生徒会に所属しています。」
「学園都市……? ギヴォ……トス?」
僕は一つの謎を解消し、そして新たに二つの謎を得た。
まず、ここは天国ではない。
でも“学園都市”って?
学園都市といえば、僕の知識ではトゲトゲ頭とレールガン少女くらいしか連想しない。何よりそんな都市が開発されていることも僕は知らない。
なのに目の前の彼女の頭には輪っかがついている。
……ということは別世界、なのか?
「ここは数千の学園が集まってできた巨大な学園都市で、この都市を運営する中央組織が連邦生徒会です。詳しいご説明は後ほどに。まずは……そうですね、実際にご覧いただきましょうか、阿良々木先生。」
「ちょっと待ってくれ。どうして僕が“先生”?
僕は免許どころか、この前高校卒業したばかりなんだけど。」
「えっ!高校を卒業したばかり⁈……コホンその件については、申し訳ありませんが私も詳しくは。阿良々木先生をここに呼んだのは、連邦生徒会長ですので。」
「……その会長さん、ちゃんと僕の経歴とか調べたのかな……まあ、他に選択肢なさそうだし、ついていくよ。」
「ありがとうございます。では、エレベーターで下へ。」
案内されたエレベーターの窓から外を見た瞬間、僕は呆気に取られた。
僕の世界じゃありえないような近未来都市がそこには広がっていた。
七神リン「改めまして──学園都市『ギヴォトス』へようこそ、阿良々木先生。」
信じられない光景だったが、そのど真ん中にどうやら僕は迷い込んでしまったらしい。
この透き通るような世界に。
色々な小説を投稿しては途絶えの繰り返しで申し訳ない。これもクロスオーバーの設定が次々と思い浮かぶのがよくないんじゃ…。
阿良々木君のエミュが上手くできてるか不安ですがこれからもよろしくお願いします。また更新が途絶えるかもしれませんが…
阿良々木君の吸血鬼性は開示するとして忍はどれだけ出すのがいい?
-
生徒の前でもガッツリだす。
-
戦闘の時に少しだけ出す。
-
日常回のみ
-
戦闘でも日常でも