青物語   作:立花オルガ

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阿良々木君節むずい…


序-2

003

エレベーターに乗り、下の階につくと、なにやら騒がしかった。

 

「阿良々木先生、つき──「ちょっと待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」…」

 

扉が開くのと、ほぼ同時に神原のような元気のいい声が聞こえた。ちなみに隣にいるリンは面倒くさいという感情を隠さないような怪訝な顔をしている。

 

「………うん?隣の方は?」

さっきから立て続けに喋っているのは青髪のツーサイドアップの女の子だ。…太いな。

リンの隣にいたことで、側にいた俺に気づいた青髪の彼女は首を傾げた。

首を傾げたってことは僕に違和感があるって事だ。

「僕に何か?」

 

「いいえ!ただ頭のヘイローもなく、銃も持たない人は初めて見たんで…」

どうやら、頭の上のものは「ヘイロー」というらしい。

確かに彼女達は多分僕とはそんなに違いがなさそうに見えるが、僕はヘイローもついていないし、銃も持っていない。

それにしてもこんな僕と同じくらいの歳の女の子達が銃を持っているなんて…

 

「主席行政官。お待ちしておりました」

 

そう言ったのは黒髪で大きく、翼の生えた女の子だった。……いや、大きいのは別にその、胸のボリュームとかそういう意味じゃなくて。純粋に身長の話だ。念のために言っておく。

 

「連邦生徒会長に会いに来ました。我が校の風紀委員長が、今の状況について納得のいく回答を要求しています」

 

ブロンドの髪の眼鏡をかけた少女もすごく不満漏らしていた。

さっきから僕に"先生"を頼んだ連邦生徒会長という単語が出ているがその人はどこにいるんだろうか?…正直僕もなぜ僕を選んだのか聞きたい。

 

そう言ってやいやいの言われて問い詰められていた隣のリンは

 

「ああ…面倒な人たちに捕まってしまいましたね」

 

小声なのにはっきりと聞こえるように愚痴をこぼした。 …多分この子真面目そうだけど結構いい性格してないか?

そして何か言いたげであったが、ぐっと堪えて答える。

 

「連邦生徒会長は今、ここにはおりません。……正直に言いますと、行方不明になりました」

 

連邦生徒会長が……行方不明?何やってるんだ。委員長の羽川だって3年生の途中から旅に出ていたが、それでも連絡はついていた。

 

「リンちゃん。今のって本当か?」

 

「リンちゃんはやめてください…そうです。つまり「サンクトゥムタワー」の最終管理者の生徒会長がいなくなったので、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。先ほどまで認証を突破する方法は存在しませんでした」

 

ん?「先程まで」?それは今はあるみたいな言い方じゃ無いか。…待てよ連邦生徒会長は僕を先生に指名した。そしてその後行方不明になった。となれば導き出せる結論は一つ

 

「……もしかして、その方法って僕が関係している?」

 

「はい。この先生こそが、その為のフィクサーになってくれるはずです。」

 

「予感が的中したーー!」

 

嫌だからほんとになんでだよ!この前高校を卒業したばっかの僕が先生、ましてや僕とそんな年頃が変わらない高校生の!

 

「ちょっと待って。そういえばこの先生はいったいどなた?あまり私たちと年も変わらなそうですが?」

 

「ヘイローがないのでキヴォトスの外から来た方のようですが……先生でいらっしゃったのですね」

 

「はい。こちらの阿良々木先生は、このキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です」

 

場の視線が僕に集まる。

 

「行方不明になった連邦生徒会長が指名……? 余計に訳がわからないじゃないの……?」

 

うん、それは僕も同意する。よく考えたら失踪した人物の指名とか怪しさ満々だもんな。僕も八九寺が急にいなくなった後に八九寺から指名された代理の神とか絶対受け入れにくいからな。

 

まあ、でも今はこの選択しかないようだし、とりあえず自己紹介でもするか。

 

「……阿良々木暦。年齢は18。高校を卒業したばかりなんだが…さっき言われた通り連邦生徒会長に言われてお前らの先生として赴任することになった。怪しさしかないと思うがよろしく。」

 

「「「「こ、高校を卒業したばかり⁈」」」」

まあ、そりゃ驚くよな。

 

004

 

「私と同年代の男の人が先生か……あ、こんにちは、先生。私はミレニアムサイエンススクールの……い、いや挨拶なんて今はどうでもよくて……!」

 

「そのうるさい方は気にしなくていいです。続けますと……」

 

やっぱいい性格してるな、リン。

 

「誰がうるさいですって!? 私は早瀬ユウカ!覚えておいてください、先生!」

 

「早瀬ユウカか、よろしくユウカ」

 

青髪ツーサイドアップの女の子はユウカか。今のところ、キレたり、噛み付くところが月火ちゃんそっくりなんだが…月火ちゃんほどの狂犬ではなさそうだ。

 

「……阿良々木先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになりました」

 

そういって手元のタブレットを操作して僕に画面を見せる。

そこには『S.C.H.A.L.E』という文字と、その地点を指し示す地図が表示されている。

お世辞にも僕の英語の成績は最終的にもいいとは言えないレベルなので、なんで読むの分からない。

 

「ええと、シターレ?シャル?」

 

「『シャーレ』です、先生。『シャーレ』は連邦捜査部でして、単なる部活ではなく、一種の超法規的機関。連邦組織のため、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒たちを、制限なく加入させることも可能で、各学園の自治区で、制約なしに戦闘活動を行うことも可能です」

 

「つまり、僕は大きい権力を持って色んな争いに介入出来るってことか?1人の人間が持つ権力にしては大きすぎやしないか?」

 

「なぜこれだけの権限を持つ機関を、連邦生徒会長が作ったのかは分かりませんが……シャーレの部室はここから約数十㎞離れた外郭地区にあります。今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令で、そこの地下に「とある物」を持ち込んでいます」

 

とりあえず、とんでもなく面倒な厄ネタを持たされたことだけは確かだ。まあ、僕はすでに自分が死ねば、影の中にいる怪異の王が解き放たれるという特大の厄ネタを抱えているが…

そう考えている間に、リンは誰かと通信し始めている。目的地まで10km以上も離れているんだ。何かしらの交通手段の手配に違いない。

 

「モモカ。シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど……」

 

それにしてもホログラム通信か…僕なんてまだ、スマホでもないんだぞ。

というか、スマホでも多分ホログラムなんて無理だ。どれだけ技術が進んでるんだ、この世界は?

 

『シャーレの部室? ……ああ、外郭地区の? そこ、今大騒ぎだけど?』

 

「大騒ぎ……?」

 

ここにいる人達の大半が銃を持っていたり、兵器が出回っているのは確認済みだが、そんなトリガーハッピーな人達でもいるのだろうか?

 

『矯正局を脱出した生徒が騒ぎを起こしたの。そこは今戦場になってるよ』

 

僕の嫌な予想が的中したかもしれない。いや予想以上だ。このギヴォトスは某世紀末のヒャッハーなモヒカンみたいな人達の集まりらしい。

 

『連邦生徒会に恨みを抱いて、地域の不良たちを先頭に、周りを焼け野原にしてるみたいなの。巡航戦車までどっかから手に入れてきたみたいだよ?』

 

巡航戦車なんてとんでもなく物騒なフレーズも飛び出して来た。これはトリガーハッピーというものでは済まされない。

本当にどうなってるんだ、この世界は。

 

「そうだった!連邦生徒会長がいなくなって大変なことになってるんだから!数千もの学園自治区が混乱して、この前は、ミレニアムの風力発電所がシャットダウンしたんだから!」

「私の方でも連邦矯正局で停学中の生徒たちについて、一部が脱出したという情報も耳にしました」

「スケバンのような不良たちが、登校中のうちの生徒たちを襲う頻度も、最近急激に高くなりました。治安の維持が難しくなっています」

「戦車やヘリコプターなど出所のわからない武器の不法流通も2000%以上増加しました。これでは正常な学園生活に支障が生じてしまいます」

もうモヒカンがヒャッハーとかいう話ではなくなって来た。なんだ、戦車やヘリコプターの不正流通って。そもそもなんで学生間でそんなもん流通してるんだ。そして何故それを扱えるんだ。

 

ホログラム先のモモカと呼ばれる子は話を続ける、ポテチを食いながら……呑気にも程があるだろ……

 

『それで、どうやら連邦生徒会所有のシャーレの建物を占拠しようとしてるらしいの。まるでそこに何か大事なものがあるみたいな動きだけど?まぁでも、そんなことしなくてもめちゃくちゃだから……別にきにしなくて……あっ、先輩、お昼ごはんのデリバリー来たから、また連絡するね!』

 

「………はぁ……」

 

そういって一方的にぶつ切りにされたリンの顔はもはや怒りを通り越して諦めのような感情の顔をしていた。

あのモモカって子、リンの表情から察するにいつもああなんだろう。乱闘騒ぎより自分の昼飯優先するとは…

 

「なあ、リン…」

 

「……大丈夫です。……少々問題が発生しましたが、これくらいは大したことではありません」

 

「いや、大事な場所が乗っ取られてるんだよね⁈ほんとに大丈夫なの⁈」

 

「いや、大丈夫です。だって…」

 

「だって…?」

 

そんなドンパチ、慣れてしまってたまるかと思っていた僕の口が止まってしまった。

なぜならそういった直後、僕は気づいてしまった。今のリンが物凄く悪い顔をしていることに。そして、そのままユウカ達に目線を向けた。

 

「「「「……?」」」」

 

「ちょうどここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので、私は心強いです」

 

おーい。皮肉がガッツリ漏れてるぞー、リン。

 

「「「「……えっ?」」」」

 

「キヴォトスの正常化のために皆さんの力が今、切実に必要です。出発しましょう。」




アンケート設置しました。是非回答お願いします。

阿良々木君の吸血鬼性は開示するとして忍はどれだけ出すのがいい?

  • 生徒の前でもガッツリだす。
  • 戦闘の時に少しだけ出す。
  • 日常回のみ
  • 戦闘でも日常でも
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