始まる雄英試験
バスに揺られる事1時間。俺は雄英の門の前に立っていた。
なんだか感慨深いな。親父に拾われてからずっと目標にしてきた高校の前に立てたんだ。
「うわっ!」
俺から少し離れたところで同じように校門を眺めていた緑色のぼさついた髪の少年が俺の方に向かって倒れてきた。
「っ!」
俺は反対方向にサッと避けた。助けられるのなら助けたいが俺はひどい潔癖症で、他人に触れられない。
常にマスクと手袋が必要なほどに。逆に他人に素手で触れられるやつの気が知れない。
死穢八斎會の奴らでも触れられたくない。それほどに酷い潔癖症を患っている。
「大丈夫?試験前に転んじゃったら縁起悪いもんね。」
「え?な、なんで?!浮いてる。」
転びかけた少年は丸顔の女の子に助けてもらったようだ。
浮かしているのは女の子の個性だろうか?
発動条件にもよるが、敵に発動すれば怪我させずに相手を無力化でき、
一般人に発動すれば簡単に避難させられる
その個性はとてもヒーロー向きだと言えるだろう。
もう少し感傷に浸りたかったがもうそろそろで試験が始まるから俺は門をくぐった。
試験会場である講堂に入り、受験番号の書かれた受験表片手に自分の席に座った。
配られていたプリントには大小さまざまなロボットが計4体描かれている。
「ん?」
パッと急にライトが付いた。
説明が始まるみたいだ。
「へいリスナー達!もう席には着いてるよなぁ!
説明始めるから手元のプリント見ながらしっかり聞いといてくれよ!!」
…うるさい。
やけにハイテンションでロックなコスチュームをまとった試験官出てきて説明を始めた。
試験官の近くの席座ってた奴らも耳を押さえている。
この声が個性なんだろうか?
「そのプリントに描かれているロボットは仮想ヴィラン!それぞれにポイントが振り分けられていて
ロボットを壊すとポイントが与えられる!そのポイントがそのまま試験の点になるから注意しとけよ!」
なるほど。わかりやすくていい。相手が人間じゃなくて良かった。
できるだけ触れたくなかったからな。
俺の個性なら触れるだけで壊せるから相性もいい。
だがこの0ポイントと記載されているロボットはなんだ?
「質問はあるか?!」
眼鏡をかけたカクカクした動きの少年が0ポイントロボットのことを聞いてくれた。助かる。
記念受験をしに来た奴の事についても話していたがまぁそれは別にどうでもいい。
「そいつはただのお邪魔虫だ。他のロボットよりも強固な作りになっていて倒すメリットが無い!
この試験のミソはどれだけそいつを避けられるかだ!」
「なるほど。ありがとうございます!」
試験官が試験のミソを教えても良かったのだろうか?だがいい情報をもらえた。
まぁ俺なら分解で一撃だが。ロボットでなければ分解を最大限に活用することができなかった。
危ない危ない。
「もう質問はないみたいだなぁ!
じゃあそれぞれ受験表に書かれている番号のバスに乗って試験会場に移動しろぉ!!」
ここまで来たのにここ試験会場じゃなかったのか…
ちゃんと調べとけば良かったな。
死穢八斎會から雄英がバスで一時間なのは完全オリジナル設定です。
遠かったら治崎君の登下校が大変でしょ!