梅雨ちゃんの舌から解放されたあと、俺は再び石柱での移動を開始した。
梅雨ちゃんがいなきゃ一回地面に体ぶつけて死にかけてから個性で治すとかいう荒業をしなきゃだったから本当に助けられた。
それも気絶でもしてたら一発アウトだったし。
『A組蛙吹が治崎を助けたァ!ヒーロー精神ヤベー!』
『蛙吹の無意識のうちの優しさをうまく利用したな、治崎。』
いやなんか言い方がひでー…
「先生にも梅雨ちゃんと呼んでもらいたいわね。」
そう言って俺と並行していた梅雨ちゃんは速度を上げ俺との距離を話していく。
速すぎてついていけねーよ。
石柱で吹っ飛びながら進んでいくとプレマイの放送が耳に入ってきた。
いや、耳に刺さってきてるが正しいレベルの声だが。
『轟と爆豪を筆頭にもーう第二関門に着いちまったァ。だが、こっから先は楽には進まねーぜ!
落ちればアウト!それが嫌なら這いずっちまえ!第二関門!』
『 ザ・フォール!!』
もうなんか声だけで分かる。絶対やばいギミックだ。
その放送を聞いたあと、少し進むとその全貌が見えてきた。
一定区間の地面が無くなっている…下に落ちた時のためのネットなんかがあるのだろうが
落ちると戻る頃にはもう競技が終わっているのではないだろうか。
一定区間の地面を無くし、その代わりに真ん中に計二ヶ所の中間地点、
そしてそれぞれに繋がる4本のワイヤーでこの第二関門は出来ていた。
ここに多くの生徒が手間取っているようで、空を飛べる爆豪以外の
轟、飯田、瀬呂、飯田、あ、…梅雨ちゃんなど
の先頭集団の姿見えた。まぁ轟はもうクリアしそうだが。
…というかこの関門俺に凄く相性いいじゃないか。
「よっと。」
俺は中間地点に繋がるようにこちら岸の地面に個性を使い土の橋を作り出した。
『お前んとこの治崎ヤベーぞ!なんか1人建築してるぜ!』
『だがあれはあまりいい策とは言えないな。』
『どうしてだYO!』
「見りゃ分かる。』
「おいこっち橋あるぞ!」
「ナイスヒーロー科!」
まぁ思った通りだったが…俺が作った橋をもう他のやつが後ろから渡ろうとしてきている。
だがな…性格の悪い俺がお前らに有利になるような事するわけないだろう。
『なにィ!』
『あいつ…イカれてるな…』
治崎は中間地点に渡ると同時に石柱で吹き飛びながら二つしかない中間地点のうちひとつを分解してしまった。
さっきまで治崎の後ろを通ってきていた生徒も皆叫びながら落ちていった。
その叫び声を聞き優越感に浸りながら治崎は向こう岸に着き、そして、…轟に追いついた。
「よう轟、まーだこんな所にいたのか。」
「治崎…なかなか酷い事するじゃねぇか。」
「ヒーローはいつだって、全力なんだよッ!」
轟は爆豪を追うためまた氷で滑りはじめた。治崎を気にしない理由は速度にあった。
轟と治崎では速度が全く違う上、治崎の移動は不安定だ。はじめの展開と同じようにすぐ距離を離せる、そう考えていた。
だが。それは間違いである。
「おい、なんだよそれ!」
「お前の動きを見てインスピレーションを得たんだよ。」
治崎は轟と同じように地面を滑っていた。いや、轟は氷を使って滑っているが
治崎の滑り、いや滑っているように見えるその動きは轟の動きと全く原理が違う。
治崎は足元に手をつき、足元に個性を使い続けていた。
地面の土に個性を使い上方向の力を0に、ただ前方向に動かすためだけの極小の石柱を作り続けていた。
それによって前方向に進み、また石柱を生やしそれでまた前方向に進む。
治崎の後ろには小さな石柱によって立方体がたくさん埋め込まれた道のようになっていた。
この移動法は治崎の従来の移動方法と一線を画す速さを出す事が出来た。
事実、轟は治崎に距離を離されていく。
だが、この移動法には一つ大きな欠点があった。
「お前そんなに柱生やして、個性の限界は来ないのか?!」
「ちっ、やっぱ気づいてくるよなぁ。」
やっぱバレるか。まぁ遅かれ早かれバレていたんだがな…
元々治崎の個性の限界値というのはあまり多くないのだ。
治崎の個性の限界を仮に100としよう。
これまでの移動、約15分の間で生やしてきた石柱の量なら多く見積もっても20くらいで、ほとんど負担にはなってない。
個性を使わず浮いている時間もあり、その間に少しずつ回復するほどでコスパがかなり良い。
だが何度も連続で、かつクールタイムも無しに生やし続けると話は変わる。
轟と競っていた2分間でもう30は使ってしまっている。元々減っていた分も含めればあと残りは30くらいだろうか。
第二関門で使った中間地点での分解に関しては実は5ほどしか使っていない。
分解はあまり疲れない、というより修復のコスパが悪すぎるのだ。
相手の体を治す時に使うのは15くらい、自分には45くらいだ。
体を治している、というのもあるがやはり修復の方がコスパは悪い。分解だけなら人体など2くらいだ。
何が言いたいのかというと。この移動をあと同じだけすると個性が結構の間使えなくなってしまう、という事だ。
さて、ここからどうするか。はじめに見せられたこの第一種目の全体マップによるとそろそろ最後の関門があり、
その後少し一直線があり、ゴールだ。
最後の関門の内容にもよるが間違いなくこの速度で行くと個性が限界に達するだろう。
どうしたもんか…
「なに!マスク野郎!半分野郎!もう追いついてきたのかよ!」
「「速度を上げているからな。」」
「テメェらぁ…!」
『ここで爆豪、轟、治崎が先頭になったァ!三つ巴の戦いの始まり、だぁ!』
『山田、うるさい。』
なんか漫才が始まっているが気にしていけない。
『よく見ろ。三つ巴なんかじゃないぞ。』
『い、いつの間にこんなに追い上げて来ていたんだァ!ヒーロー科の多くが3人を猛追しているぅ!』
後ろを見ると遠くの方に飯田と麗日、梅雨ちゃんや常闇なんかが来ている。
飯田と梅雨ちゃんはともかく麗日と常闇はいつの間に…というか常闇は移動個性じゃないのにどうやって来てたんだ…
『もう最後の関門の出番が来ちまった。最後の関門!かくしてその実態は…
一面地雷原、だ!!』
まじかよ雄英…死人とか出ない?
とりあえずこの辺で治崎の個性の詳細をサラッと書いときました。
この辺の数字は割とノリで決めたのであとから辻褄合わなくなるかも…
じゃあなんでノリで決めて今書いたんでしょう。誰かこの作者に聞いといて下さい。
多分作者も分からないですが。