またまたバスに揺られて俺は試験会場に来ていた。
試験会場のゲートの奥にはたくさんのビルが所狭しと建ち並んでいる。
ロボットはもうこの中にいるんだろうか。そんなことを考えていると
もう俺と緑の髪の少年以外の受験生はスタート地点に並んでいることに気づいた。
はやく並ばなきゃ目立ってしまう。まぁ俺は服装のせいで目立ってしまうのだが。
ここで俺の服紹介だ!
動きやすいジャージ ←まぁ分かる
運動靴 ←分かる
白い手袋 ←…分かる
ペストの医者のようなマスク ←???
俺は潔癖症の都合でこのマスクが必要だ。デザインは玄野と音本だ。
…なんでこんなマスクにしてるんだあいつは。
風邪の時に使うようなマスクでよかったんだが…まぁ今更考えても仕方ない。
付け方がわからず試行錯誤しながら無理やり付けた。
普通のマスクより顔を覆えるから利便性はあるがそれ以外がまるでダメだな。
仮にもヒーロー志望がペストの医者みたいなマスクつけていいのか、なんて考えてはいけないだろう。
このマスクのせいで講堂の時からずっとチラチラ見られている気がする。
まぁ仕方がないな。
潔癖症が克服出来たらこんなマスクすぐ外して燃やしてその灰を玄野と音本に個性で合成させてやろう。
「わぁ!もう始まっちゃう!そこの人も早く行かなきゃ!………
『あの人のマスクは個性に関係してるのかなマスクをつけるような個性…
周りにガスでも出すんだろうかならロボットとも相性悪そうだ、
いや金属にも影響する程の強さも出せるのかもしれない
あんな形のマスクをつけてるってことはなにかそれ相応の理由が…』」
「ああそうだな、ありがとう助かった。」
緑の髪の少年が俺に声をかけてくれた。
なんだか小さい声でボソボソ何か言っていたが気にしたら負けなやつだろう。
さあ、始まる。ここまで鍛えてくれた死穢八斎會のやつらのためにも、合格しなくてはな。
「皆さんスタート位置につきましたね!
制限時間は10分です!
よーい!スタート!」
「「「「えっ!!10分!!!」」」」
受験者のほぼ全員が驚く声と同時に
俺の将来を左右する試験が始まった。
まずはどのくらい強いか確かめるために2ポイントロボットを探すか。
大体こういうのは真ん中のレベルを見れば大抵分かる。
<標的補足 ぶっ殺す>
ちょうど俺の死角になっていたところから物騒な事を言いながら
ロボットが体当たりしようとしてきていた。
「ちっ!」
なんとか体を捻って避けてそのまま距離を取る。
ロボットの肩には3の文字があった。
初手で3ポイントロボットとは運がない。それも不意打ちで。
ただ今の攻撃を避けて分かったがパワーもスピードもあまりない。
これなら…
<避けるな 殺す>
「あまり物騒な事を言わない方が! いいぞ!」
<!!!>
俺は右手を大きく振りかぶった攻撃を姿勢を低くして避け、手袋を外して
ロボットの右手に触れた。
まるで元々そうであったかのようにロボットは跡形もなく鉄屑になった。
別にロボットだから修復はいらないだろう。むしろ後片付けしやすいようにバラバラにしておいた。
いける、いけるぞ!俺の個性はこの試験とすこぶる相性がいい!
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俺は試験残り2分になるまでロボットを分解し続けた。
たまに攻撃をくらう事もあったがそんな時は自分をある程度修復して応急処置をすればいい。
自分を全快させるとすぐに個性が使えなくなるからな。
そんな事よりもロボットが動く事で生じる埃が気になって仕方がない。
たまにロボットの攻撃を避けきれずに身体を負傷したやつが
俺に「治してくれ!」とお願いしてくる事もあったが個性の限界を理由に断った。
本当は個性の限界というのもあるが俺が潔癖症だからだ。
実際個性の限界の方は今まで個性を使ってきてきた事がないからあまり分からない。
だがまあ今日のようにいつもと違う環境でたくさん使えば限界がくるかもしれないから嘘ではない。
治してやりたかったが仕方ない。
だが誰かの助けがなければ合格できないような奴は大したヒーローにはなれないだろう。
「うわっ!?」
初めに会った緑色の髪の少年はロボットに攻撃もせず逃げ回っていた。
戦っているところを全然見ていないがポイントは大丈夫なのだろうか。
「おい!なんだあれ!すげえでかいぞ!」
他の受験生が声を張り上げて叫ぶ方を見ると
そこには近くのビルを壊しながら進むとてつもない大きさの
0ポイントロボットがこちらに向かってきていた。
夜にまた投稿します