英雄症候群に治す治崎君っ!   作:シュガーマン

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これにて体育祭しゅーりょーです。


No.1

『体育祭も終わりが近づいてきたぜ!さぁ3回戦第1試合目はこいつらだ!』

 

「よろしく、轟君。」

「あぁよろしく。」

 

『特筆すべきはその圧倒的範囲!火力もやべーイケメンA組轟!対するは!

文字通り何でもできる!個性による後出しジャンケンがやべー!残念イケメンB組物間!』

 

「残念イケメンってなんだよォォ!」

「お前…ジャンケンで後出し使うのか…?」

 

「さぁ2人とも用意してちょうだい。…勝者は今晩私の部屋で食事でもどうかしら?」

『香山先輩相手は未成年ですよ!』

「あら相澤君久しぶりの呼び名ね。…まぁいいわ。用意、はじめ!」

 

今の地上波で流していい会話だったのか…?まあいい。なんにせよ3回戦が幕を開けた。

 

_______________________

 

「ハァァアアァ!」

「ち、ちょっ」

 

物間が話し終わる前に瀬呂戦同様、舞台は氷塊に埋め尽くされてしまった。

 

『もう勝負あったか?!』

『いや…まだだな。』

 

「鉄哲の鉄がカチンコチンだよ…!!!」

「飯田の時と同じ個性か…これで終わりゃ楽だったんだが。」

「僕はB組みんなの気持ちを背負っているからね、負けられ、ないのさ!」

 

ゴゴゴ!ガガガ!ドゴーン!

 

「な?!」

「吹出…借りるよ!」

 

物間が口から実体化した文字を出しその文字が氷塊を砕く。

 

「ちっ!どんだけ個性持ってんだ?!」

「何個だろうねぇ?!」

 

モクモク モクモク

 

『なんだこれ?!急に煙が出てきやがった!』

『B組吹出漫我の個性だな。だが…轟相手に煙は失策だろう。』

 

「ハァァアアァ!」

「またかよ?!」

 

轟はさっきまで声のしていた方に向かって更に氷塊を出した。

だが手応えがなかった。なら…

 

「もう一発だ!」

 

当たるまで出せばいい。

 

「クソッ!」

 

「もう一発!」

 

「ッ!!」

 

ようやく当たった頃には轟の体に霜が降りきっていた。だが…

一発は一発である。

 

「煙の中で体力が回復するのを待つつもりなのかも知れないがもう無理だろう。

リタイアしろ。」

「ふっ。アハハハ!」

「…何がおかしい?」

「いやぁ。当たったからといって致命傷になっていると決めつけているのが面白かったからさぁ!」

「なに??」

 

『戦いは一体どうなってんだぁ?!観客席からはなんッにも見えないぜ!」

 

煙の中、すでに決着はついていた。

 

『おっと、煙が晴れてきたぜ!…な、なに?!も、物間がバラバラになって浮かんでいるYO!』

『あれは…!B組取蔭の個性か…!』

 

物間は口と胴体部分だけを元の場所に置いて轟の背後に回り込んでいた!

そして会話で場所を誤認させ、胴体に攻撃を当てさせる事で本当に自分が動いていないように見せかけていたのだ!

そして轟の後ろに回り込んだ瞬間口と胴体を合流させて個性を解き、鉄哲の個性で、

「一撃さ。もう君立てないだろう?君の方こそリタイアしたらいいんじゃない?」

 

「おれは…ヒーローに…

「もう君の負けさ。」

なりてぇもんに…!

「ちっ、場外に投げるか。」

なりてぇもんに!!」

 

轟は左半身から炎を出しその炎を、

氷にぶつけた。

 

「な?!」

「名前は…膨冷…熱波だ。」

 

_______________________

 

爆発音が響いた。轟が試合するといっつも舞台壊れるな……

俺が座っていた観客席にも熱気がきた。

あの爆発で両者気絶と火傷。舞台は綺麗さっぱりなくなった。

緑谷の時より氷の量多かったからな…

試合は引き分け。あとで腕相撲で決着をつけるそうだ。

物間には悪いが腕相撲は轟が勝つだろう。あいつ割と鍛えてるからな。

それにしても轟…勝つ事と炎を使わない事。どっちを優先するかが決まったようだ。

 

それじゃあ…轟と決勝戦するためにも。

勝ってくるか。

 

_______________________

 

『3回戦第2試合!もう個性が派手すぎる!でも目つきワリー!

A組爆豪!』

「あァ?!」

『対するは!なんでもできる作れる!でも目つきワリー!

A組治崎!』

「は?」

 

「第2試合、はじめ!」

 

開始直後、爆豪が接近してきた。

常闇戦を見てもう俺の弱点に気づいたか!

 

「死ねェェ!!」

「ちっ!」

 

俺は石柱を大きく生やし、自分の移動と爆豪の移動妨害を両立させる。だが。

 

「無駄だァ!」

 

爆豪は麗日戦のような超火力で柱を一撃で全て壊した。

 

困った。ちょっと勝てない。

 

_______________________

<心操視点>

 

「尾白!」

「心操、どうした?」

「いや、こっちでお前と見ようと思って。」

「…そうか。」

 

本当は普通科が喜ぶせいでオレがまともに試合を見れないからなんだけどな…

おい尾白照れんな。

 

 

試合が始まってから治崎は防戦一方だ。このままじゃオレと同じ負け方をしてしまう。

だがここから何もしてあげられる事はない…え?

 

『治崎が一発爆豪にくらわせたぁ!』

 

治崎は爆豪が爆破しようと近づけた手を持ち、そのまま爆豪の腕を折っていた。

え、あいつあんなインファイト強かったのかよ…

 

「ヤクザ舐めんな。」

「あ?!」

 

治崎はそのまま爆豪の腹に膝蹴りをくらわせる。しかし、爆豪もくらうだけではない。

 

「ッ!死ねェェエエェェ!」

「ッちっ!」

 

爆豪はまたあの超火力を出した。治崎の顔に向かって。

 

『おい爆豪!治崎が死ぬぞ!!』

 

会場も騒然となった。そりゃそうだ。自分の目の前で死人が出たかもしれないのだから。

 

オレは立ち上がって爆豪に抗議をしようと「おいやめとけ。」

 

「え?なんでだ尾白!治崎が」「あのくらいじゃあいつ死なないよ。」

 

「今のはライン越えなんじゃないか。」

「テメェ、なんで無傷だ…」

 

『治崎無傷だァー!』

 

「あいつの個性は土を操る個性じゃないのか?!」

「地面に潜ってたとか?!」

 

観客席もざわつく。そうか、あいつの個性はまだはっきり伝わってないのか。

オレの声帯いじってたのも外からじゃ分かんないし。

 

「傷つくと同時に治しただけだ爆豪。痛みはある。2度とあれ人に向けんなよ。」

「…うるせえ、ぶっ殺」

 

あ。

 

『治崎復讐の顔面パンチだァ!爆豪まだ喋ってただろ!』

 

「試合はこっからだ。」

「治崎ィィ!」

 

治崎が次はまた腹を殴ろうとしたがそれは爆豪の手でガードされる。

そしてまた爆豪は縦横無尽に空を駆け回った。あれをされると治崎の個性じゃ何も出来ない。

 

「オラァ!」

「ッ!」

 

土の壁だけじゃ防御が間に合っていない!爆破の衝撃で少しずつダメージが蓄積されていっている。

あいつ…確か自分を修復するのはあまり使えないって言ってたな…!

ジリ貧。その言葉が頭の中をぐるぐるまわる。

このままじゃ…

 

『なんだ!爆豪が急に落ちたぞ!』

 

…なに?

 

「テメェ…何しやがった!」

「あまり高度を出してなくてよかったな。まぁ死んですぐなら治せたから別にどっちでもいいんだが。」

「質問に答えろッ!」

「さっき顔を殴ったあと、お前腹パンを手でガードしただろ。あん時汗腺を分解した。

さっきまで爆破出来てたのは手に残った少量の汗のおかげだな。」

「は???」

「つまり。今のお前は実質無個性だ。まぁ俺も個性を使いすぎたせいでほぼ無個性状態だがな。

つまり、こっからはステゴロだ。汗腺はあとで治してやる。」

「俺がむ、無個性??」

「だからあとで治して「死ねェェェェ!!!」

 

爆豪が姿勢を低くして治崎に突撃する。それを治崎はいなし、隙をついて少しずつダメージを蓄積させる。

 

「なぁ尾白。」

「あぁ、これは治崎の勝ちだ。」

 

________________________

 

このまま殴り続けて気絶させるか。

 

「卑怯…モンがよォ…!」

「人を殺す火力を顔面に向けてきたお前に言われたくないな。」

 

「うァァ!」

 

単調、だな。あまりステゴロをした事がないように見える。顔面狙いがバレバレだ。

俺はその手を掴もうとした。

 

「な?!」

「甘いぜマスク野郎。」

 

爆豪は爆破による急加速で俺の股をくぐり俺の背後を取った。

 

「俺が自分の汗腺の異常に気づかず飛び続けるわけねーだろ。ちゃんと汗残しといたわ。」

「お前…キレたフリしてたな…!ふっ。卑怯者が。」

 

俺は頭に強い衝撃を受け爆豪の汗腺だけなんとか治して、意識を失った。

_______________________

 

俺が目を開けたのは夕方の事だった。どうやら雄英の保健室で寝かされていたようだ。

目を開けるとえらく不機嫌な爆豪と目が合った。

 

「おいテメェ、なんであん時自分の体じゃなく俺の汗腺治した。」

「起きて早々これかよ…個性の許容量がだな「ちげえ。」

「は?」

「まだ使えたろ。なんでだ?」

 

バレてたか。

 

「負けた、と思ったから、そんだけだ。」

「…そうか。」

 

「「…………………」」

 

お前も緑谷や轟みたいに会話苦手なタイプかよ…!!

 

「……体育祭は誰が優勝した?」

「…俺だ。」

「よかったな。」

「よくねぇ!あの半分野郎、手加減しやがった…!」

 

あいつ炎使わなかったのかよ……

 

「それでも勝ちは勝ちだろ。」

「……死ね。」

 

そう言って爆豪は保健室から出て行った。

 

俺は3位か…まぁ優勝できなかったのは悔しいが、来年再来年がある。

そう思って俺は枕を濡らしながらまた眠りについた。

 

 

 

 

 




爆豪
「治崎に汗腺治してもらってなかったら半分野郎と無個性でたたかわなきゃいけなかったのか……」
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