こちらに向かって0ポイントロボットがかなりの速度でビル群を壊しながら近づいてきていた。
少々まずいな。ポイントはある程度稼いでいるがまだ足りない気がしている。
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何を言っているんだ?他のロボットとは様子が違う。ちっ戦うしかないか。
と、思っていたが方向転換して違う方に向かって進んでいった。
その方向には俺がいる場所よりも多くの受験生がいる。
あれだけ数がいれば時間を稼いでくれる事だろう。
ポイントが貰えるなら助けにいったかもしれないがまだ俺のポイントは心許ない。
この間に稼ぐか。
「………えっ?」
今俺は何を考えていた?自分にメリットがないから人を見捨てようとしたのか?俺が?
それは俺が最も嫌ったヒーロー、その思考とおなじじゃあないか。
金、地位、名誉。そんなものの為にヒーローをしている、
いわゆる職業ヒーロー。そんなものヒーローじゃない。
ロボットが向かっているのはおそらく1ポイントロボットが多くいた辺りだろう。
あそこには最も多く人がいた。
ロボットとその場所までの間にもたくさん人がいた。
あのビル群の崩壊に巻き込まれると、大怪我をするやつも出るかもしれない。
俺が雄英に入学しようとした理由、それは。それはッ!
利益しか考えなかったヒーロー達を内側から
俺はすぐに地面に触れて個性を使い、地面から勢いよく石柱を生やした。
俺は石柱に乗り、できるだけ石柱を伸ばして、
それ以上伸ばせなくなるとまた新しい石柱を生やし、それに飛び移る。
それを繰り返してロボットが進んだ跡の方に移動する。
はやく助けないと手遅れになる奴がいるかも知れないから
まずはこっちから対処するべきだろう。
ロボットの方に向かってもビルの破壊に石柱が巻き込まれて近づくことすらできないからな。
そこだけは他の誰かに託すしかない。
近くなるにつれ状況が分かってきた。
なんて怪我人の数だ…
「おい!大丈夫か?!」
大丈夫じゃない事なんて見れば分かる!焦るな俺!
「大丈夫じゃない!
ここに重症が約4人!軽傷が13人いる!重症者から順にすぐに雄英の治療所に運ばなければ!」
講堂で見た眼鏡の少年が答えてくれた。人数が把握できたのは嬉しい。
やっぱり聞いてよかったな。
重症者は俺の個性で治せば…治す…治す、か。
なんで俺はこんな時に!
蕁麻疹が急に出てきて気分が悪くなってきた。
そうか。こんだけの量の怪我人を潔癖症の俺が見ればそりゃこうなるよな。
「はぁはぁ。くっ……そ…はぁ」
治すにはこの怪我人達に触れなくちゃ行けない。
血を流していない人にも基本的に触れられないこの俺が。
「大丈夫か?!」
眼鏡の少年が心配してくれてる。返事をして安心させてあげないと。
「だ、だい、大丈夫だ。」
あぁこんな返事もっと心配させるだけだろう。
「本当に大丈夫なのか?……とりあえず状況を説明する。
ここには遠くから走ってきた俺と石柱で移動してきた君、
それと運良く巻き込まれなかったがショックで震えている人達、
あと怪我人しかいない。震えている人に声をかけてみたが反応してくれない。
パニックになってしまっている。しかも怪我人はこれだけじゃない。
ロボットが進んだ方にはここよりもっと怪我人がいるだろう。
「俺の個性は『エンジン』。足にエンジンがついていて高速移動が出来る。君の個性は?」
答えるしかない、な。
「俺の個性は『オーバーホール』。触れたものをなんでも分解、修復出来る。」
「じゃあ君の個性で怪我人を治す事が出来るんじゃないかっ!」
「すまない。それは出来ない。」
クソックソ!俺は怪我人を助けられる個性なのに!
「だがこれなら出来る。」
俺は近くに転がっていたロボットの機体に個性を発動し、担架に作り変えた。
「凄いな!これなら!…いやだめだ。人手が足りなすぎる。間に合わない。」
……俺は組長のようなヒーローには、なれないのか。