英雄症候群に治す治崎君っ!   作:シュガーマン

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ヒーローネーム

飯田は兄が死んだ次の日も休まず学校に来た。

表情がぴくりとも変わらない、まるで能面を貼り付けているようだったが。

誰にも八つ当たりをせず、ただいつも通りに過ごそうとしている飯田はかっこいいようで、

見ていて辛くなる。

みんなは飯田の顔を見て兄の死を悟り、誰も何も聞かなかった。

 

「治崎君。」

「どうした飯田?」

 

いつもは笑って話しかけてくれるが……

 

…飯田の兄は………俺のせいで死んだようなものだ。俺がもっと個性を鍛えていればなにか変わったかもしれない。

 

「もし、予定が空いているのなら、今度の日曜日兄さんの葬式に来て欲しいんだ。」

「ッ!それは駄目だ飯田!だって…お前の兄は俺のせいで…!」

「君のせいなんかじゃない。君は最期まで治そうとしてくれていたんだ。話す時間さえ作ってくれた。感謝してもしきれない。

 

自分が1番辛いくせに…こいつはヒーローなんだな。

 

「……ありがとう、ぜひ行かせてくれ。」

「あぁ、こちらこそ…ありがとう。」

 

「おい、飯田、ちょっと来い。」

 

相澤先生がいつのまにか来ていたようで、飯田を呼んでいる。

 

「飯田。行ってこい。」

「あぁ。」

 

飯田が相澤先生と別室に移動するのを見届けながら俺は一時間の用意を始めた。

緑谷がこっちを見て右往左往しているが、結局自分の席に戻った。

 

ありがとう。

 

_______________________

 

「今日の1時間目だが、予定を変えてヒーロー情報学をする。

本当は昨日するはずだったんだが、色々ドタバタしてしまってな。」

 

相澤先生が飯田と一緒に教室に帰ってきて、説明を始めた。

 

「ちょっと特別な事をする。……『ヒーローネーム』の考案だ。」

 

「「………」」

 

全員が息を潜め、飯田の方を見た。

それに飯田は頷いて返した。

 

「「……胸膨らむやつキタァァァァ!!!!」」

 

飯田兄の手前、騒いでいいのか分からなかったが、飯田は気にしなくていい、と頷く事で伝えてくれた。

無言の圧力に飯田がビビっただけかもしれないが、大丈夫だろう。多分。

 

「というのもプロからのドラフト指名に関わってくる。指名が本格化するのは経験を積んだ2、3年から……

つまり今回来た指名は将来性に対する興味に近い。」

 

「え、めっちゃ大事じゃん!」

 

上鳴の言った言葉をスルーしながらリモコンをりもりもこんこん使ってプロジェクターを操作する。

 

円グラフは轟、爆豪、俺、常闇、飯田〜と続いていく。

緑谷も自傷しなけりゃもっとたくさん指名もらえたろうに。

 

「これを踏まえ指名の有無に関係なく、いわゆる職場体験ってやつに行ってもらう。 お前らはUSJの時にもう体験したが、

今回でプロの活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった。分かったな?」

 

「「はい!」」

 

「今回決めるヒーローネームは仮ではあるが…」

 

「適当につけると地獄見ちゃうよ!この時の名前が世に周知されそのままヒーロー名になってる人もいるからね!」

 

「「うぉぉぉ!」」

 

峰田と上鳴が興奮しだした。18禁ヒーローのミッドナイトが教室に入ってきたからだ。

高校に18禁ヒーローが務めている謎は個性が探偵のやつがいれば調べてくれるだろう。そんな奴いない?なら知らん。

 

「まあそういうことだ。将来自分がどうなるのか、名をつけることでイメージが固まりそこに近づいていく……

名は体を表すってことだ。『オールマイト』とかな。」

 

前から回されてきたホワイトボードを受け取りながら考える。

ヒーロー名か……俺の個性はものを作り出す、みたいな感じだからクリエイト…クリエティなんていいんじゃないだろうか。

 

「I can not stop twinking!」

 

?????

青山がホワイトボードにそう書いて前で発表していた。

青山はミッドナイトにcan not じゃなくcan'tにしろ、と訂正を受け席に座っていく。

……?????

次は芦戸が前で発表した。

 

「エイリアンクイーン!!」

 

…………さっきよりましだな。

というかもっと真面目に決める奴じゃないのかこれ。この空気のあと発表とか無理だぞ俺に。

 

「次私が発表するわ。」

 

頼んだぞあ、…梅雨ちゃん。

 

「梅雨入りヒーローフロッピー…なんてどうかしら?」

 

ありがどゔづゆぢゃん゛

一斉にフロッピーコールが始まった。ないす、フロッピー!

 

よし、次は俺が

 

「万物ヒーロークリエティ!」

「分かりやすくていいわね!」

 

え…かぶるとかあんの?

八百万に気づかれぬよう俺は必死に睨んでおく。

ん?必死…必死か。

 

俺は思いついたヒーローネームをホワイトボードに書き、前に立った。

親父みたいな…ヒーローに…!

 

「英雄ヒーロー『デスパレト』」

 

「デスパレートって必死って意味よね…いいんじゃないかしら!

英雄ヒーローって意味が重複してるのとデスって名前が入ってるのは微妙かもだけどね。」

 

親父は必死に俺の事を守って助けてくれた。あの時の顔を俺は一生忘れない。

そして、俺が助けた奴にも俺の顔を忘れられなくしてやりたい。

 

「爆殺卿。」

 

「却下よ。」

 

爆豪、飯田の2人だけ保留でこの時間は終わった。

 

 




オーバーホールっていうイカした名前はあえて残しときます。
それとですね…これから大体1月20日くらいまで投稿できません!
待ってくれてる人は本当にすみません!リアルが忙しくてね……受験とかやっぱゴミだわ。
合否によっちゃもっと投稿出来ないかもしれません…
20日までの間に一話くらいは投稿できるかもしれないですがあまり期待なさらず……
活動報告で生存報告としてボソボソなんか喋ると思うんで良ければボソボソで返してください。
えこなちをよろしくお願いします!
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