英雄症候群に治す治崎君っ!   作:シュガーマン

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筆が乗って3話目です。


昼食にて

「なぁ治崎。期末試験の実技は何するんだろうな。」

「また入試のようにロボットと戦うんじゃないか?」

 

授業が終わり昼休みになった。

 

授業は職場体験を終えて自分の成長を実感する機会だった。

義速(ギハヤ)がかなり長く使えるようになっていて満足だ。

着替えの時に女子更衣室を覗こうとする輩がいなきゃもっと満足だった。

どうやら先輩方が女子更衣室を覗く穴を掘っていたようで峰田が、その穴を使おうとしていた。

もちろん目の前で穴は修復した。

 

俺と轟は食堂へ向かっている。

 

「轟は今日何食べるんだ?」

「蕎麦。あったかくないやつ。」

「いっつもお前ざる蕎麦食ってんな……」

「治崎は?」

「Aランチ。鳥がセットの。」

「共食いか?」

「誰が鳥野郎だ。最近じゃ爆豪からの呼び名はマスク野郎だ。たく……」

 

 

 

雑談を交わしながら食堂の列に並び、食券を購入する。

 

「鳥に七味いるか?」

 

「……まぁもらっておこうかな。」

 

「お前赤好きなんだろ?USJのバスで話してたし。」

 

「よく覚えているな。……食に色のこだわりはないぞ?だが七味はもらおう。」

 

 

食券と引き換えに注文したランチを受け取り席を探す。

 

 

「おーい、治崎君!轟君!」

 

お、緑谷が手を振ってくれている。

 

「あっちで食うか。」

「そうだな。」

 

邪魔にならないよう縦に並んで移動し、緑谷が座っている席の隣におぼんを置く。

 

 

「……君達も食堂に来ていたのか。」

 

「…飯田。お前もいたのか。」

 

食券売り場からは死角になっていて見えなかったが、緑谷の前に飯田と麗日が座っていた。

 

 

 

………………

 

 

 

「と、とにかく食べよ?!ね?!」

 

「う、うん!ほら座って座って!」

 

麗日と緑谷の圧に押されて俺たちは席についた。

 

 

とんでもなく空気が重い。

 

 

「そ、そういえば治崎君と話すの久しぶりやね!」

「そうだな。入学式くらいしかまともに話した記憶ないな。」

 

「入試の時2人でデク君の事をお願いしにいったよねー!そんでさ──」

 

麗日がなんとか話を回してくれている。申し訳ない。

 

「麗日と緑谷って付き合ってるのか?」

 

「どしたん急に轟君?!」

「つ、つ付き合ってなんかないよ!第一釣り合ってないし!」

「……釣り合ってない事なんて……」

 

 

全員黙ってしまった。

なにしてんだ轟。

 

「ふ。それならはじめ3人で食べていたから僕はお邪魔虫かな?」

 

飯田が茶化すように2人に話した。

少し…明るくなったな。カウンセリングのおかげだろうか。

 

「そんな事ないよ飯田君!」

 

「悪いな。変な事言っちまった。」

 

轟がそう言ったタイミングで全員が食べ終わった。まぁ緑谷と飯田は先に食べ終えていたが。

俺達が食べ終わるのを待ってくれていたようだ。麗日はとんでもない量を食べていた。

俺より食べてるんじゃないか……?

 

「痛っ」

「ごめん。君の頭が大きくてぶつかってしまった。」

 

なんだこいつ。どこかで……

金髪の男子が緑谷の頭に肘をぶつけていた。

 

「君ら……ヒーロー殺しに襲われたそうだねぇ。」

 

…人をイラつかせる奴だ。笑みを浮かべながら金髪は話を続けた。あ、こいつ体育祭にいた物間か。

物間は話を続けた。

 

「体育祭に続いて、注目浴びる要素ばかり増えていくよねぇA組って。ただその注目って、決して期待値とかじゃなくて、トラブルを引き付ける的なものだよね。あぁ怖い!いつかキミたちが呼ぶトラブルに巻き込まれて僕らまで被害が及ぶかもしれないなぁ。」

 

「死ね。」

「もう黙ってくれ。」

 

俺の正拳突きと飯田の蹴りが物間の顔面に炸裂した。

 

「ぐぇ」

 

蛙が潰れたような声を出して物間は後ろに倒れ込んだ。

物間がぶつかった机や椅子も一緒に倒れる。

 

「家族の大切さは俺にはあまり分からん。だが間違いなく飯田兄よりお前が死ぬべきだった。贋物が。」

「物間君!仮にも!ヒーロー志望の話す事か!それがッ?!」

 

「2人とも!抑えて!」

 

悪い緑谷。もう手が出てしまったよ。

 

一気に騒ぎになってしまったな。

周りで飯を食っていた生徒は一斉に食堂から出て行った。おそらく教師を呼ぶのだろう。

 

「お、落ち着いて2人とも!あぁもうほんとにうちの物間がごめん!ほんとに!」

 

誰だこいつ。

 

「拳藤ちゃん悪くないから謝んなくていいよ。」

 

麗日曰くこいつは拳藤というらしい。おそらくB組だな。

 

「物間!あんた、死人が出てんだよ?!それは言っちゃ駄目な事だろ!」

 

「拳藤さん……物間君気絶してる。聞こえてないよ、それ。」

 

「おい、お前ら何やってる!」

 

相澤先生とリカバリーガール、そして確かB担当のブラド……だったかな、ブラド先生が来た。

 

まぁ仕方ないな。

 

「治崎君。一緒に物間君を殴ってくれた事、感謝する。……いまだ君の事は完全には理解出来ていない。けれど、この昼食を通して昨日より君の事を知れた気がするよ。」

 

「礼には及ばん。勝手に俺がした事だ。」

 

 

飯田は暗い顔のままだったが俺に向ける視線が少し変わった気がする。

 

「何話してる!とにかくついてこい!」

 

ブラド先生に両手を押さえられ、俺と飯田、そして物間は連れられていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

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