あれから昼休みが終わるまでずっと説教をくらった。
口より先に手と足がでたからな。ヒーローとしてどうなんだ、と。
ぐうの音も出ない。
物間の方もブラド先生に無理やり起こされてそのまま説教をくらっていた。
いいぞもっとやれ。あんな事は2度と繰り返してはいけない。
「もう教室に戻ってろ。2度とやんなよ。」
相澤先生はそう締めて帰らせてくれた。
急いで戻らないと授業に遅れてしまうな。
「……治崎、ありがとう」
「っ」
「今何か言いましたか相澤先生?」
「何も。それより早く戻れ。授業に遅れるぞ。」
……ツンデレ教師め。
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午後の授業が終わり、今日はまっすぐ家に帰っていた。
「エリ、親父、帰ったぞ。」
「あっし達には何も言ってくれないんですね若…」
「エリはどこにいるんだ?」
玄野と音本の言葉を華麗にスルーしてエリを探す。
「今は部屋で親父と遊んでるはずでやんす。」
「……そうか。」
……まだ。俺の頭の中でも整理がついていない。エリの個性"巻き戻し"
こんなところで燻らせていていいのか?世界を変革出来る個性を。
"巻き戻し"を利用すれば敵ヴィランはいなくなるんじゃないか?平和な社会を実現出来るんじゃないか?
もう考えない。そう結論付けたはずなのに同じ疑問が頭の中をぐるぐる回っている。
ハッ。こんな事を考えている時点で俺はもう立派な敵ヴィランだな。
ヒーローになって自力で今のヒーロー社会を内側から変える、こんな事を考えておいてなんて様だ。
俺に優しい親がいれば……こんな事を考える事なんてなかったのかもな。
こんな子供の気持ちを考えていない事を考えたりなんて……
いや、俺を孤児院に捨てたクソ親の事なんてもう忘れよう。
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同日の真夜中。
夜の闇に溶け込みそうな色をした霧がテレビの前に立つ。
「先生。」
ノイズだけが鳴り響いていたテレビからノイズが止まり、音声が流れた。
「どうしたんだい黒霧。1人で連絡だなんて。」
「いえ、少し聞きたい事がありまして……あの日話していたオーバーホール、とは雄英高校一年の治崎廻の事でしたね。」
「うん。そうだよ。」
「彼の個性は"オーバーホール分解と修復"でしたよね。死柄木弔と個性がかなり似ていますが……何か関係はあるのでしょうか。先生なら何かあり得ると思ったのですが。」
「面白い質問だね。君の口からそれが出てくるとは思えなかったよ。けれど……君には言えない。悪いね黒霧。」
「そう、ですか。」
「話はもう終わりかい?」
「……ええ。お時間を頂きありがとうございます。」
黒霧の言葉が言い終わったと同時にまたテレビからノイズが鳴り響いた。
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テレビとの接続を切るスイッチの音が鳴る。
「危なかったねドクター。まさか黒霧が聞いてくるなんて。」
「少し頭を弄った方がいいかもしれんのう。」
「まぁそれはおいおいやればいいさ。……ふ。"分解"が弔の中にあるなんて……治崎君が知った時が楽しみだよ。」
「"修復"も欲しかったがのう。実に惜しい事をした。」
「あんなに抵抗されるとは思わなかったよ。そもそもあの時は治崎君の個性そのものが欲しかったんだがまさか逃がされるとは。」
「残念だったのう。」
「まぁ今回なら個性を奪うなんて考えずに殺しただろうがね。タイミングが悪かった。」
「何のことじゃ?」
「こっちの話さ。少し話しすぎてしまったね。黒霧に質問されたのが面白くて気分が高揚していたようだ。」
巨悪の、笑い声が、夜に響いていく。
感想くれー!とこの辺で感想乞食をしておきます。
感想くれー!
2月3日14時42分
もう次の話書けた……少し短いけど。今投稿するかめっちゃ迷ってる。