あれから特筆すべき事は何も起こらず、ただゆっくりと日常が過ぎていった。
そして迎えた期末試験。この期末試験で赤点を取ると夏休み後の林間合宿に行けなくなるらしい。
なんてこった。
期末試験は2日に分かれていて初日は筆記試験だ。
といっても筆記試験はもう終わったが。
まぁ赤点になる事はないはずだ。
今回、八百万が筆記試験のための勉強会を開いていたようで、俺もそれに誘われた。が、遠慮しておいた。勉強よりもエリとの会話を優先したいからな。
エリは個性を知るためのテストのせいで俺を少し怖がってしまっていたが、何度か言葉を交わすと、仲良くなる事が出来た。
「一緒にこれ、見ませんか?」と某女児アニメを指差しながら言われた時だけかなり焦ったが。
……おかげで女児アニメにかなり詳しくなってしまった。
なんで同じ話を3回ずつ見せられたのかは理解できん。
「ありがとヤオモモ〜!勉強したとこ出たよぉ〜」
「それはよかったですわ!」
八百万の勉強会は効果があったようで芦戸と上鳴が涙目で感謝を伝えていた。
……俺も行けばよかったかもな。
「治崎くーん!どうだった?」
「緑谷。そういうお前は?」
「数学を少し失敗しちゃったかも……エクトプラズム先生の数学難しいよね……」
「確かにな。俺も数学は不安だ。」
轟も話に参加してきて一気に賑やかになった。
葉隠や瀬呂も来てエクトプラズム批判が始まる。
「あの先生たまにすごいの出すよね!」
「分かる。癖強いんだよな〜。」
「100点取らせたくないんだろうねー。」
………エクトプラズム先生………
______________________
次の日。
「今日は実技試験を行う。」
実技試験のため、全員グラウンドαに集合している。
相澤先生とオールマイトはまだ分かるがセメントス先生やブラド先生なんかの他の教師がいるのはなぜだ?
「拳藤ちゃんから聞いたけどロボットと戦うだけらしいよ。」
麗日が俺に小声でそう教えてくれた。
いい情報だ。これなら大丈夫だろう。
「お前らは今回の実技試験、何だと思ってる?」
相澤先生の質問に芦戸と上鳴が意気揚々と答える。
「入試みたいなロボットとの戦闘!」
ロボットなら俺の個性との相性もいいしよかった「例年なら入試のようにロボットと戦ってもらってるけど、今年は敵が活発化しているから今年から試験内容を変えるのさ!」
……相澤先生の捕縛布の中から根津校長が飛び出してきて説明した。……???
……麗日を睨みつけておく。
麗日はあり得ないほど焦っていた。
「君らにはここにいる教師陣と2対1で戦闘訓練をしてもらうのさ!」
相澤先生が補足をしてくれる。
「これからは、対人戦闘・活動を見据えたより実戦に近い教えを重視した試験にする。
今回は、こちら側で決めた二人組で教師1人と戦ってもらう。教師側はハンデとして教師の体重の半分、おもりを身につける。」
なるほど、例えば相澤先生なら大体30kg程度のおもりをつけるわけか。
「試験時間は三十分。君らの勝利条件は専用の手錠を教師につけるか、指定の出口から脱出する事だ。」
捕縛か、脱出か、か。なるほど、確かに実際の戦闘でも重要な事だ。
捕まえられるなら捕まえるに越した事はないが、無理そうなら救援を呼ぶのも一つの選択肢だからな。
「さぁ。プルスウルトラで乗り切ってくれ。」
ふぅ。プルスウルトラ、か。言ってくれるな。
______________________
俺は。飯田とペアになり、セメントス先生と戦う事になった。