分けた方がキリがよかったんでね。
プールに行って4日ほど経った頃、こんな連絡が来た。
「水着、か。」
「またプールに行くんですか?!」
少し前に上鳴達が話していたA組全員で水着を買いに行こう、という旨を伝える連絡が来た。
というか当たり前のように俺の独り言を盗み聞きして部屋に入ってくるなエリ。
「プールじゃない。明日みんなで水着を買いに行こう、という連絡が来たんだ。」
「どうして水着を買うんですか?」
「夏休みの中盤頃に林間合宿があるんだ。林間合宿中に川に入る時間があるらしいから特に女子陣は買っておきたいそうだ。」
「そうですか……楽しんできてくださいね!」
エリが途端に悲しそうな顔をしだした。すまんエリ。林間合宿には連れて行けないんだ。
「エリ、廻がいない間は俺と遊ぼうな!」
エリが悲しそうな顔をして5秒も経たぬ間に親父が俺の部屋に入ってきた。
そろそろ鍵でも付けるか。エリといい親父といいプライバシーを知らんのか。エリはまぁ別に入ってきてもいいが。
「明日はクラスメイトと買い物に行ってくる。」
「そうか。エリは俺に任せておけ。楽しんでこいよ。」
親父に任せるのは少し不安だが玄野と音本もいるから大丈夫だろう。
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「A組集合だー!!」
夏の日差しが俺達の体をジリジリと焼く。
マスクを着けてたら熱中症になったかもな……
A組は爆豪轟を除いて全員がショッピングモールに集合していた。
轟は母親のお見舞いに行くらしい。エンデヴァーとのしがらみからあいつも解放されつつあるな。
……爆豪が来なかった理由の説明は不要だな。
「じゃあ漢らしい水着を買ってくるぜ!」
「行くぞー!」
「ウチちょっと楽器も見ていいかな?」
「えーよー。私も日用品買いに行きたいし。」
皆それぞれ必要なものを求めて歩いて行った。
俺は……緑谷について行くか。
「緑谷はどこに行くんだ?」
「あぁ。治崎君。僕も水着でも見ようかと………なんだろうあの人。」
緑谷が不思議そうな顔をして見る方を見つめるとそこにはフードを被った緑谷と同じくらいの背丈の男がこちらを見ていた。
「あ、走って行ったね。」
血走った目でこちらを見ると、何かを思い出したように人のいない方へ走って行った。なんだ、あいつ。
「どこかで会ったような……」
「緑谷、あいつを追いかけないか?」
「そんな事しない、って言いたいけどなんか気になるし。ちょっとだけ追ってみようか。」
さっきの男が曲がって行った角を俺達も曲がったが、そこにはさっきの男はもういなかった。
「どこに行ったんだろう……」
「もう戻るか。」
「そうだね……」
緑谷が元の場所に戻るため、さっきの角を曲がった。
俺も戻ろう。
緑谷の後をスタスタとついていく。
「………え?」
曲がり角を曲がると、そこに緑谷はいなかった。