英雄症候群に治す治崎君っ!   作:シュガーマン

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筆が乗らない……今回すごく短いです。


創造の前には破壊が必要

次の日、俺は自室の椅子に座り、また考え事をしていた。

 

何度も同じ問いが俺の頭の中をぐるぐる歩き回る。

 

『なぜステインはあれほど俺に執着するんだ?』

 

職場体験をしたあの日、俺をヒーローとして認めたからだとするなら緑谷や轟に無反応なのはおかしい。

 

俺の個性が必要?

 

それともヤクザの若頭が必要?

 

それとも……

 

「ヒーロー社会を……壊す。」

 

壊すために、必要?ステインは、死柄木は何を考えている?

 

 

ピコンッとまた薄い板がしゃべった。

スマホを見ると委員長から連絡が来ていた。

 

「林間合宿の場所が変わるのか。あの日みんなが買っていた水着が無駄になるかもな。」

 

 

スマホをベッドに放り投げ、また椅子に深く座り込んで天井を見上げる。

 

 

 

ふぅ。

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

 

 

 

覚悟はもう。決まった。

 

 

ドアからコンコン、という小さな音が聞こえてきた。

エリか。やっとノックすることを覚えたようだ。

 

 

「……廻。大丈夫か?」

 

「……親父?」

 

今までの人生で親父にノックなんかされた事がなかった。

ノックだけで親父の真剣さが分かる。

 

 

「お前、昨日家に帰ってきてからずっと部屋にこもっているだろ。ヒーロー殺しに2度も会ったん、だ。不安になる気持ちは分かる。

俺に出来る事があればなんでも言え。分かったな?ハッ、まぁ俺に出来る事なんてそう多くは無いがな。」

 

 

親父。ありがとう。

 

でも。

 

 

 

 

「ありがとう親父。でも大丈夫だ。」

 

「そうか……頑張れよ。廻。」

 

 

 

 

 

 

 

 

______________

 

 

「林間合宿だー!!!」

 

あれから数日後にしおりが届いた。

やはり水着を着る時間はないようだ。峰田ががっかりしていた。

 

 

しおりが届いた時はエリはなんともなかったが、今朝は泣きながら俺を引き止めてきた。

やめてくれ本当に行きたくなくなるから。

 

 

「お前ら静かにしろ。遊びに行くわけじゃないんだ。飯田。みんなを整列させてバスに乗せておいてくれ。」

 

「分かりました相澤先生!」

 

「みんな!整列だ!」

 

飯田が手をカクカクさせながら整列を促してくる。あの手ひっさびさに見たな。

 

「隣は……轟か。USJの時と同じだな。」

「あぁ。よろしくな。」

 

前よりは会話が持ちそうだ。

 

 

______________

 

 

「お前ら、そろそろ降りる準備をしておけよ。」

 

轟……なんでこっちを見たまま黙り込んでたんだ。やめてくれ圧が、圧がすごいッ!

 

「なぁ治崎。」

「なんだ、いやなんなんだ本当になんなんだ。」

 

「何か、あったか?」

 

「……いや、何も。」

 

 

「そうか。……そばおにぎり食べるか?」

「食べたくはないが気になる。」

 

 

みんなに心配されてしまうな。

だがもう大丈夫だから。

心配はもう、しなくていい。

 

今日も俺の頭の中は散らかって、散らかって、何があるのか分かりやしない。

 

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