ここまで煙たい!不死の煙   作:みんなの茶番劇

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どうもみなさんあけましておめでとうございます!
新年早々最終話を投稿する「みんなの茶番劇」です!
もう少しこの話は続ける予定だったんだけどなぁ
それでは最終話 どうぞ!



最終話 Eternal Dream

 

雄二「紫さん……ここに残ることは、できないかな?」

 

俺は紫さんにそう聞いた。

俺はもう、世間からは“幻想”として捉えられたんだ。俺はもう外では、今までのように生きることはできない。

 

紫さんはそれを理解していたのか、俺のお願いをすんなり了承してくれた。

 

 

 

だが、あと一つだけ、どうしてもやっておきたいことがある。

それをするために俺は一旦、幻想郷を出た。

 

まずは家に帰るか。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

雄二「……ということだ」

 

俺は父さんと母さんに妹紅さんの正体を、そしてここにいるみんなに、俺が幻想郷に行くことを伝えた。

 

父「……そうか。……まぁ、あれだ。

俺は、お前らが何か隠していることは知ってたんだ。母さんもな……」

 

父さんは言葉につっかえながらもそう言った。父さんは東方が好きなんだ。だが今は、幻想郷というものがあったからといって舞い上がらないだろう。かといって、幻想郷を恨んでもいないようだ。

 

母「……お父さんはね、雄二が一週間もどこにいるかわからなかったものだから、とても心配してたのよ。お父さんだけじゃない。理一も、三輝も、私もね」

 

しばらくの沈黙が続く。この沈黙が、さらに俺の視界を暗くする。

まだ質問攻めされた方が、何百倍も楽なのに……。

 

父「でもな、形がどうであれ……お前が生きていてよかった」

 

幻想郷なんてゲーム上の舞台に過ぎないと思っていた。

でも幻想郷って、不思議と現実味があるんだ。俺は一時期、幻想郷に憧れを持っていた。頭ではないとわかっているんだが、なぜか憧れてしまう。これはきっと、東方好きなら共感してくれるだろう。

 

俺は、そんな憧れに助けられた。

 

理一「正直、まだこれが現実だという実感が湧かない。本当に行ってしまうのか?」

 

あの賢い兄貴が、実感が湧かない、か。そりゃそうだよな。

今気づいたが、三輝はずっとポツリと座っている。無理もない。まだ小学生なんだ。

 

雄二「あぁ。俺はもう、ここで生きることはできない。呑気に学校になんて行けない。世間に顔を出さない。もう俺は、半分以上幻想になってしまったんだよ」

 

理一「……もう手はないのか?」

 

雄二「……何か手はあるのか?」

 

理一「…………」

 

本当はここで、何か提案してほしかった。だが兄貴は黙り込んでしまった。

 

三輝「雄二兄ちゃんは、どこか行っちゃうの?」

 

三輝は、若干この空間とは合わないような声色でそう聞いた。

このくらいが、俺は助かる。

 

雄二「あぁ。だが年に何回かは戻れると思う。心配するな」

 

まぁ、保証はないがな。

だがせめて、三輝だけでも安心させて去りたいんだ。自己中だな、俺は……。

 

三輝「そうか〜。雄二兄ちゃんに毎日会えなくなるのは悲しいな〜。年に数回なんて少なすぎるから、最低でも月に数回にしてよ〜」

 

……これは、こっちの方が胸を痛める。

俺は三輝に微笑む。この微笑みを、どうか探らないでほしい。

 

俺は百瀬家を出る。

こんなに早い独り立ちになるなんて、誰も予想できなかっただろう。

 

次は、こたのところに行くか。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

こたに連絡をした。どうやら補修で学校にいるようだ。

俺は補修が終わった後、帰路の途中にある公園で待ち合わせようと思っていた。

 

この公園は人が滅多に来ないから、俺がいても大丈夫だろう。

けどあいつときたら、学校を抜け出してでも来るのだ。ほんとバカだな。

だがあいつはクズじゃない。だから俺は、あいつと親友でいられるんだ。

 

こたが来るまで、10分程度だろう。それまでベンチに座って待つか。

はぁ〜、さみぃなぁ。家から出る時、上着を着ておいてよかった。

 

俺はふと、空を見上げる。灰色の雲が目立つな。その中を、一匹の鳥が飛んでいる。

 

……紅白の鳥が、こっちに近づいてくる。

 

このタイミングか。

 

その鳥は、俺のすぐ前に着地した。

 

多分、一番心配をかけてしまったな。

 

妹紅「雄二!!」

 

……妹紅さんだ。

 

雄二「妹紅さん……すみませんでした」

 

俺はベンチから立ち、頭を下げる。

ずっと罪悪感でいっぱいだった。俺が幻想郷に行くほどの怪我をしなければ、四六時中逃げ回る生活なんてしなくて済んだ。俺が未熟だったんだ。

 

俺が謝ると、妹紅さんはとても悲しそうな顔で、泣き出しそうな顔で……

 

妹紅「なぜ謝る!!」

 

と、叫んだ。

 

雄二「……だって、妹紅さんは俺のせいで、こんな逃げ回るような生活をさせてしまったから……」

 

俺は涙をグッとこらえて言った。

 

妹紅「……確かに結果はこうなった……

でもな、雄二は人間として良い行動ができたんだ……!

あの空間で雄二は、行動の良し悪しを冷静に判断できる力で、クズどもに注意できる行動力で、そして何より……

“親友と、不老不死である私を庇える優しさ”で、私たちを守ったんだ!

これは簡単にはできない。判断できても行動できない奴、判断する前に行動してしまう奴がほとんどの中、雄二はその二つを持っていた!

これを私は、“本当の優しさ”だと思う!!

結果なんてどうでもいい!

お前は判断できる賢い奴でもあり、行動ができる天才でもある、すごい人間なんだ!!」

 

……賢くて、天才、か……。

俺がそんな大層な奴だなんて……そんなわけ……。

 

俺は自然と、涙が溢れてくる。

俺はただ、昔からクズにならないように、考えて考えて、考え続けてきただけだ。評価なんてされないってわかってるのに、ただ辛くなるだけなのに……。

それでも俺は、クズにだけはなりたくなかった。そういう奴だったんだ、俺は……。

 

 

康太郎「ゆーーじーー!!」

 

こたが、こっちに走ってくる。

 

康太郎「心配させやがってぇーー!!」

 

こたは再会するや否や、抱きついてきた。ギャン泣きだ。

 

雄二「……ごめんな、心配させた」

 

康太郎「本当だよ!どこ行ってたんだよぉー!!無事でよかったよぉー!!」

 

雄二「本当すまn」

 

康太郎「なんでそんなに謝るんだよぉ〜〜!!

俺は雄二が庇ってくれたから無事だったんだよぉ〜〜!!

ありがとぉ〜!」

 

……俺は、理解者が欲しかったんだ。今、気づいた。

この俺の価値観を、バカにせず、ただ静かに理解してくれる人が……。

 

俺の周りには、俺を本気で心配してくれる人が、こんなにもいる。

これはもう、“理解者”と言ってもいいよな?

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

みんながやっと泣き止んで、俺はこたに妹紅さんの正体と、ここにいるみんなに、幻想郷に行くことを伝えた。

 

康太郎「おいおいマジか!!

妹紅さんは東方のあの藤原妹紅で、雄二は行っちまうなんて!!」

 

雄二「あぁ、マジだ」

 

康太郎「もう会えないのか!?」

 

そう言えば、どうなんだろう?

まだちゃんと知らないんだよな。三輝には帰ってくるって言っちまったしな。

 

妹紅「別に、やろうと思えば帰りたい時に帰れるぞ」

 

雄二「え?そうなのか?」

 

妹紅さんは頷く。

 

雄二「よっし!」

 

康太郎「ぃいよおぉっっっしゃああぁぁーーーーぁぁあ!!!」

 

雄二「うるせぇーー!!」

 

妹紅「ギャハハハハ!!」

 

俺たち三人は、バカみたいに笑った!

最後に、こんなことができるとは思わなかった!!

 

 

 

 

時間のようだ。俺の目の前に、スキマが出現する。

 

康太郎「うお!マジで出てきた!!」

 

妹紅「短い間だったが、楽しかったよ!」

 

雄二「それじゃあな!こた!!」

 

俺と妹紅さんは、スキマの中へと入っていった。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 




『ここまで煙たい!不死の煙』を最後までご愛読していただきありがとうございました!
最初この話は私が小説を投稿できるのか、投稿を続けれるのかを試す為に書き始めたものでした。毎話投稿ペースを落とさないことだけを心がけていた為、正直私でも恥ずかしくなるほどの出来になってしまいました…。

この話をご愛読してくれた人がどれほどかはわかりませんが、好評ならまたいつかこの話の続編や、番外編などを作るかもしれません。
この話のご意見とご感想をお待ちしております!

それではまた次のお話でお会いしましょう!
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