どうもみなさんこんにちは!
腹が減ったら眠くなるのは少数派なのか少し気になっている「みんなの茶番劇」です!私の周りは腹が減ったら苛つくって人ばったりで……
それでは第四話 どうぞ!
[妹紅 視点]
百瀬家のご両親をなんとか説得し、一通り落ち着いた頃。
私はふと、自分の“ボロボロの服”に母の視線が刺さっていることに気付いた。
母「さっきから気になってたけど……その服、破けてるじゃない。まずはお風呂に入ってらっしゃい。服は家にあるのを置いておくから」
その声音が、優しすぎて。
久々に“母親”という存在に触れた気がして、胸が少しだけ痛んだ。
妹紅「……ありがとうございます。それでは、お借りします」
私は頭を下げて、風呂場へ向かった。
湯気の匂い。
人の生活が染みついたような、柔らかい暖かさ。
そんなものを感じながら、私は静かに扉を開けた。
────────────────────────
[雄二 視点]
妹紅さんは風呂。
母さんは妹紅さん用の服選び。
……いや、なんであんなに真剣なんだ?部屋着だぞ?
母「うーーーん……これも似合いそうだし、これも良さそうよねぇ」
いや選ぶ基準がわからん。
部屋着なんだから、サイズが合えばそれで……って思うのは、やっぱ俺のファッションセンスが壊滅してるせいなんだろうか。
父「これとかどうだろう?」
父さんが持ってきたのは胸元に “welcome Hell” とだけ書かれた無地T。
……いや無地じゃなかった。変Tだった。
母「………」
父さんは無言で視線を外され、そのまま二階へ帰っていった。
後ろ姿がすげぇ哀しそうだったけど……まぁどうでもいいか。
理一「もうこれでいいじゃん」
兄貴が抜いたのは、服の山の中に埋まってた無印の服。
シンプルで、妹紅さんにも似合うと思う。
母「やっぱり〜?」
理一「え、これ候補に入ってたんだ……?」
こうして、ようやく服が決まった。
母さん、どんだけ悩んでたんだよ。
────────────────────────
しばらくして――
妹紅「今、出ました〜」
風呂上がりの妹紅さんが出てきた。
サイズもぴったりだし、雰囲気も悪くない。
母「あら〜、服あっててよかったわ〜」
三輝「zzz…」
理一「あ〜あ、三輝寝ちゃった。こんな時間に寝たら夜眠れんだろ…」
時刻は午後7時。
三輝は、空腹→眠気のコンボでいつもこうだ。
母「じゃあご飯にしましょうかね〜。残り物あるし」
昨日カレーだったしな。
冷蔵庫にまだ入ってんだろ。
────────────────────────
[第三者目線]
夕食を囲む百瀬家と妹紅。
妹紅「これは?」
小声だった。
“家の子じゃない自分が警戒されないように” という、控えめな気遣いだ。
理一「これはカレーって言って、白いご飯にかけて食べるんだ。まぁ一口食ったらわかる」
妹紅「ほへぇ〜……匂いはいいんだよなぁ。なんの匂いかはよくわからんけど」
三輝「……ん?ご飯?」
雄二「お、三輝起きたか。あとは父さんだけだな」
呼んだばかりの父さんが、絶妙なタイミングで階段を降りてくる。
父「お待たせ。それじゃあ……」
一同「『いただきます!!』」
妹紅「……うまっ!」
その一言で、母は一気に表情をほころばせた。
母「お口に合ってよかったわ〜。みんな、おかわりあるからね〜」
雄二「お茶取ってくり〜」
三輝「さっきついだばかりなのに〜……ほれ」
雄二「ありがとう」
父・理一「『おかわりください』」
母「ちょっと、早食いしないの!」
妹紅「私も……おかわり、欲しいです!」
母「はいはい、いっぱい食べてね」
百瀬家に一人増えた夕飯は、見た目ではいつも通り。
けれど、テーブルを囲む6人は――
“いつも以上に楽しい晩ご飯” だと、自然と感じていた。
そして妹紅は、この夜をきっかけに――
カレーライスが一番の好物になった。
────────────────────────
[雄二 視点]
晩飯が終わって、俺は風呂へ。
湯船に足を入れると――
雄二「あっつ!!」
なんだこれ!?
熱湯風呂か!?罰ゲームか!?
……あ、妹紅さんか。
炎の出る人が使えば、そりゃ湯温も上がるわ。
十分ほど風呂が冷めるまで待ちぼうけ。
冬じゃなくてよかった。
湯気で蒸し焼きになるところだった。
そして、これ妹紅さんに言ったら絶対気を遣わせる……
このことは黙っとこう。
風呂から出ると、リビングでは寝床の相談中だった。
母「二階に空き部屋あるわ。敷布団は予備があるから、それ使って寝なさいね」
敷布団の予備……普通ある?
いや、母さんの心配性が異常なだけか?
あ、それと妹紅さんには「座って寝る設定」は伏せてある。
東方マニアの父さんが気付いたら面倒だからな。
その夜。
百瀬家の二階には、新しく一枚の布団が敷かれた。
妹紅は、まだ慣れない部屋の天井を見つめながら――
今日一日の出来事をゆっくり噛みしめていた。
炎の中を生きてきた自分が、
こうして“家族の生活音”に包まれて眠る日が来るなんて、
ほんの少し前まで想像すらしていなかった。
遠くの部屋から聞こえてくる兄弟の笑い声。
階下からかすかに響く、母と父の片付けの音。
そして、どこか懐かしくて落ち着く、夕飯の匂い。
――ここは、あったかい。
妹紅はそっと目を閉じた。
今日までとは少し違う明日が、
ここから始まる気がしてならなかった。
こうして藤原妹紅は、
百瀬家の “ちょっと不思議で、ちょっと騒がしい日常” に、
静かに混ざっていったのであった。
ありがとうございました!
また次回もお楽しみに!