【爆アド】生まれた直後から最強悪霊と脳内バトルしてたら魔力量が測定可能域を超えてました〜悪憑の子の謙虚な覇道〜 作:広路なゆる
「おじさん、いい人じゃなかったのですか! おじさんなら、悪霊降霊の儀で、お母さんも依代の子も死なせないことができるって……そう言ってたじゃないですか!? だから、お父さんも……! それなのに、どうして……? どうしてお父さんを……!」
暁が必死の形相でシビョウに問い詰める。
「んー? どうしたの? 暁ちゃん? 約束は守ったでしょ?」
「え……?」
「んー、実際、悪霊降霊の儀では、お母さんも依代の子もどっちも死んでないでしょ?」
「……!」
「悪霊降霊の儀の後のことは約束していないし、それに、お父さんが死なないなんて一言も言ってないよね?」
「っ……、そ、そんな……。ずるい……ずるいのです! そんなの……! お父さんに赤ちゃんを殺させるなんて……!」
「んー? それはさ、彼に元々、その願望があったからであって、全てを僕のせいのように言うのはやめてほしいねー」
「え……?」
「彼は子供よりも妻に生きてほしいと願った。何か悪いことか? 人は皆、平等だろ? 命に重さなんてないと叫ぶじゃないか? だとしたら、うるさくて育てるのが面倒な子供よりも、美しく自分の好きにできる女を選んだって何ら悪いことじゃない。僕はそんな願いを持つ彼に共感したし、その背中をほんのちょっと押してあげただけさ」
「っ……、お父さんは……お父さんは……」
暁はポロポロと涙を流す。
「あぁあぁ、うざいうざい……。そうやってすぐ泣く……。だから子供は嫌いなんだ。君の才能は利用価値がありそうだが、どうしたものか……。まぁ、この後、しっかり調教すれば……」
「
「へ……? ぴぺぇえっ」
シビョウは
しかし、
「んー、君も学習しないねぇ……」
シビョウはやはり復活を遂げる。
「んー、頭が弱いのは相変わらずか……ドウマ……、そんなの無駄だってわからない? テンシの膨大な霊力があればね、僕は100回でも200回でも復活するよ?」
シビョウは不敵にせせら笑う。
(……)
その時、界は一つの覚悟を固めていた。
(ごめん……父ちゃん、そっちには戻れない)
◇◇◇
「ぐぁああああああ!」
「彰彦さん……!」
……真弓、そんな心配そうな顔をするな……。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
傷を負ったのは……左肩、右ひざ、左太もも……。
急所は外している。
「ふむ……思ったより粘りましたね……。しかし、脚を負傷してはそれも長くは持たないでしょう」
「うるせえよ……」
「ほぉ……?」
脚を負傷したくらいが何だ……?
痛み……? そんなもの……!
身体強化の雷術に、超加速の雷術を掛け合わせる……!
「雷術合術〝
ぐぬぅうっっっ……!
全身に電流が駆け巡ると同時に激痛も駆け巡る。
「……! なるほど……、電気刺激で強制的に身体を動かしましたか……。いや、しかし見ているこっちが痛くなりそうです」
「八柱だかなんだか知らねえが、余裕ぶっこいてんじゃねえぞ……!!」
「実際に余裕なのだから仕方がないじゃないですか」
くっ……。
テンシは私の攻撃を防ごうとすらしない。
今この時も私の迅雷閃から逃れようとはしていない。
霊力の圧だけで、防げてしまい、そして
「……」
なんとか……なんとか糸口を見つけなけれ……、
「ぐっ……!」
………………え?
「な……? …………どういう?」
私の迅雷閃を被弾し、テンシがノックバックした?
しかも、テンシ自身も驚いている?
…………好機だ……。
なぜかはわからぬが、今しかない……!
畳み掛ける……!
「雷術合術〝
「っ……!」
想定外のことに
…………届け……! 届いてくれ……!
「…………惜しかったですね」
「っっ……!」
…………
「僕の聖剣を
「っ……」
くっ……、剣によるカウンターが来る。
……だが、こちらも大技の反動で……。
くっ……、失敗した。
千載一遇のチャンスを棒に振るった……。
テンシが剣を振りかざしている。
わかっている。
わかっているのに、見えているのに……どうしても身体が動いてくれない……。
すまない、真弓……。
…………こんな時に、息子の言葉が過る。
『でも父ちゃん、俺……、俺は今日、この日この時に父ちゃんと母さんを守るために……』
ごめんな、界……。
生き残ってやることができなくて……。
願わくば、お前だけは……強く生きてほしい。
……。
「っっ…………え?」
「ど、どういうことですか?」
テンシが動揺している。
初めてだ。
初めてこのすまし野郎と意見があった。
これは、どういうことだ?
私の身体は、どこからともなく現れた〝輝く壁〟で守られていた。