【爆アド】生まれた直後から最強悪霊と脳内バトルしてたら魔力量が測定可能域を超えてました〜悪憑の子の謙虚な覇道〜   作:広路なゆる

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28.白神彰彦【一部、父視点】

 これは、どういうことだ?

 

 私の身体は、どこからともなく現れた〝輝く壁〟で守られていた。

 

 ……。

 

 これは……界の光の壁……?

 しかも隠術により隠蔽されていた?

 相手だけでなく、味方も(あざむ)くためか……?

 これが限定的な効果で〝切札〟だとしたら、確かに、守られる対象は、この壁があることを知らない方が必死になる。

 

 しかし、これ程の隠術をいつの間に……。

 

「……っ!」

 

 思えば……、

 

 

『子供の足にはちょっと遠いよな』

 

『ウン……僕、疲レチャッタヨー』

 

『母さんニモオンブシテ欲シイヨー』

 

 

『母さん、おんぶー、おんぶー』

 

『ん? 界、どうしたの? 最近、おんぶをせがむことが増えたけど、ひょっとしてお母さんに甘えたいのかな?』

 

『うんー』

 

 

 界はここ最近、我々に対して、妙にスキンシップを望んだ……。

 東京では、(めぐり)に遠慮していた分を発散しているのかと考えていたが……、

 まさかその時に……?

 

「くっ……、霊力が……」

 

 ……! テンシが表情を歪ませている?

 

 …………この壁が影響しているのかは分からないが、明らかに奴に何かが起きている。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「〝白蓮凛火(びゃくれんりんか)〟」

 

「ぺぎっ」

 

「〝白蓮凛火(びゃくれんりんか)〟」

 

「あがっ」

 

「〝白蓮凛火(びゃくれんりんか)〟」

 

「きさっ」

 

「〝凛火(りんか)〟」

 

「ま」

 

「〝凛火(りんか)〟」

 

「こ……」

 

「〝凛火(りんか)〟」

 

「なに……」

 

「〝凛火(りんか)〟」

 

「を……」

 

 

 

(悪い父ちゃん……俺はもうそっちに戻れないかもしれない…………。いや、違う。戻る必要がない)

 

 

(「ドウマ、今ので何回?」)

 

【全く……この儂様を数取器(かずとりき)に使いやがって…………327回だ】

 

(「ありがとう」)

 

【田介よ……、我が依代ながら……無茶苦茶な……。なんというゴリ押し……】

 

(そうだ……。奴が100回でも200回でも再生するなら、1000回でも10000回でも消滅させてやればいい……。そしてその魔力源が聖乱テンシなら、実質的に父ちゃんと一緒に戦っているのと同じだ)

 

 

「〝凛火(りんか)〟」

 

 

「……小癪な!」

 

 シビョウは暗黒の炎に包まれてもなお、存在を維持していた。

 

(……! 白蓮凛火(びゃくれんりんか)で消滅していない?)

 

「……はぁ……はぁ……、もうその技は効かぬぞ……。テンシから通常の数十倍は霊力を吸収した」

 

 シビョウはニヤリと微笑む。が……、

 

「最初から……」

 

「はい……?」

 

 界はぼそりと呟く。

 

「粘らないで最初からそれやれよ……」

 

「へ……?」

 

 

 ◇◇◇

 

 

「ぐぬぅ……」

 

 テンシが苦悶の表情を浮かべている。

 

「「っ……!」」

 

「彰彦さん……これって……」

 

「あぁ……」

 

 真弓も気づくほどに、明らかにテンシのプレッシャーが激減した。

 

 理由はわからない。

 わからないが、きっと……界が……界が何かをしてくれた。

 不思議なもので、なぜかそんな気がしてくる。

 

「ぐっ……」

 

「彰彦さん……!」

 

 くそっ……、こんな時に、身体の痛みが……。

 痛い……。死ぬほど痛いとはきっとこのことだろうと思える程に。

 

 だが……、息子が……界が作ってくれたこのチャンスを逃すわけにはいかない……!

 

 今一度でいい、動いてくれ……。私の身体……!

 

 集中しろ。

 今、この瞬間が〝歴史を塗り替えるであろう男〟の父たる私、白神彰彦の価値が問われる。

 我が息子の覇道に失敗の文字を刻むわけにはいかない……!

 

 空気が張り詰め、微細な静電気が肌を刺す。

 雷が右の手の平へと収束し、白熱の閃光が脈動する感覚だ。

 

 (はし)り出す。

 強制的に動かした身体は、自らの限界を超えて、敵へと猛進する。

 

 

 

 

「貫け……! 雷術合術〝迅雷轟閃(じんらいごうせん)〟!」

 

 

 

 

「っ……! ぐっ……、なぜ僕がこのような並の破魔師に…………畜生…………畜生がぁあああ!」

 

 

 

 私の全てを懸けた右ストレートがテンシの腹を捉えた。

 

 

 

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