ONE PEACE for DROID 作:noob_ Riot
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かつて吾輩にそう唱えた者は誰であったか、それはもう覚えてはおらぬ。その問いに意味はあったのであろうか、その解を得るには未だ我が身が過ぎた時は短い。
この身を義なる事に役立てる為に我が身、我が心は全てを機械に転じた。脳波をデジタルコードに変質させる技術を確立させたかの者達に、我が身は快く預けた。我が意識を0と1が全てを制する世界へと埋め、しばらくの間「情報生命体」となった。その間に、我が肉体を媒体とし、肉体を全て鋼へと変えた。長時間にわたる戦闘を可能とする為、自動修復機構の実装。肉体のもみならず機械で制御できる力として「磁気制御」による「物質操作」を組み込んだ。
肉体が作り終わり、我が意識もその中へと流された。長くも短いような不思議な期間をソースコードの海を揺蕩っていた吾輩に久しぶりの肉体という名の一つの枷。その重さと縛りは苦しくも、懐かしいモノであった。
そこからさらなる期間を費やし、肉体と電子頭脳となった我が頭脳媒体を慣らしていった。かつてその肉に覚え鍛えた格闘技術を思い出し、新なる技術たる「磁気制御」を我が脳に叩き込んでいた。目的はただ一つ……正義を、成す……ため?いや、何を成すためだった?
記憶がないわけではない。過去の記憶は覚えている限りの事は覚えている。学生の頃の記憶、家族の記憶、この研究に関しての記憶も覚えている事は多くある。では何が"抜けた"?この正義の為に何かを成さねばならぬという強迫観念に近い信念は、何処から生まれたのだ……。
なにかよくわからないけどこの中にも僕と同じ様に機械が入っているのかな?それにしては僕の様な液体カプセルって感じではないけど。カプセルの前の端末には脈拍みたいなうねるヤツとかもあるし、何かしらの数値が下がったり上がったり。起動はしている様だが……端末触っても動かない。ロックを解除する用のコマンドは出ているが、タッチが反応しない様だ。
「どうしよう……あ!もしかしたら」
もしかしたらと思い僕の身体、いや指の一本を立て、脳内回路でとあるモノをイメージする。イメージ、イメージ……よしできた。脳内のイメージを肉体?鋼体?が伝え、指がまるで粘土の様にうねりだすと、細く長く伸び始め、それはPC等につなげる様なケーブルに変容した。
「やっぱりできた!「武装の形を自在に変容できる」、これっておそらく自分自身のイメージを出力できれば、その物に形を変えられるって事だとおもったんだぁ!」
「さーて、端末に差し込んでっと……。」
端末横にさせる穴があるのは、これが何か調べる際に見つけてたから問題なし。端子の規格も見た感じ自分が知ってるタイプだからそこもクリア。コードの端子の先を差し込めば、自身の脳内回路に無数の端末情報が流れ込み、視界に0と1の数列が上から下へと流れ込んでいく。
でも、僕は機械である為この程度は問題なく。スラスラとソースコードを遡り、端末に出ているドア解除ボタンのコードを探し出す。何千万と綴られていくコードの海の中にあった一文を探す…口にすると有り得ない行為だが、コンピューターは素早く演算を済ませ、該当するソースコードを見つけられた。改めて機械の有難さを実感する。
周囲のコードをみて操作しても問題ないと判断すると、そのソースコード内容を実行する。電気信号が瞬時に流れ出し、端末内部に流れ込むと、「解除」のボタンが動き出し、「解除中...」と文言が変わった。そして、眼前のカプセルの入り口が重たい音と同時にギギギと内部の金属部品をきしませながら開封していく。
意外と頑丈で2重扉であった金属カプセルの第1扉がある程度開きだすと、奥の第2扉も連動し起動する。その奥からは白い煙が充満していたのか、少し空いた扉の隙間から冷たい冷気の煙が地面へと流れていく。
「凄い厳重…これ、もしかして封印系だった?(-_-;)」
両扉が全て開き切り、奥に見えるモノは……煙が充満してて見えない。けど、白い霧の奥には何か黒い影が見えている。何かが入っているのは間違いない様だ。残っている煙が地面へと流れていくと、奥に隠れていた影の正体が見えて生きた。
鋼と獣性が高度に融合した体躯を持つ男――。
金属光沢を帯びた銀白の鬣が風を裂き、獣のようにしなやかに伸びた脚を組み座禅を組んでいる。筋肉を思わせる滑らかな装甲は、まるで生き物のように脈動し、胸元に埋め込まれた黄金の核が不気味ながらどこか神聖さを感じる輝きを放っていた。
その両肩から伸びる巨大な二対の腕は、圧倒的な力を誇示しており。座禅の姿勢である手で組む「法界定印」は全体的な機械のデザインに見合った光景。まるで、金属で作り上げた高僧の様だ。
腰に巻かれた橙の布は、どういう原理か宙に浮かぶかの機体唯一柔らかな色彩として揺れ、周囲を旋回する七つの黄金の球体は、彼の意思に呼応しているのか機体の後ろで輪転し、曼陀羅の如く輝き、円を描いていた。
――静かなる巨嶽。それが最初にみた僕の感想だ。
「あ、あのぉ……。」
「……ふむ、まさか吾輩を起こすのが同胞とは思わなかった」
どこか機械的でありながら、僕より流暢な言葉で話てきた!しかも、結構友好的?こんな厳重に管理されていたのに、ちょっと意外な。とりあえず、簡単な自己紹介でもした方がいいかな?
「僕は[VR-0004 VOCAL_ANDROID TETO] 、まあ長いからテトって呼んで欲しい。「重音 テト」元人間の現アンドロイドさ」
「なんと!わが先達であったか!ではこちらも我が名は「盤岳」。かの研究者には[KBB-0199 Agent_Record BANYUE]と呼ばれていた」
宙に浮いて座禅を組んでいた姿勢をとき、歩いてこちらに近づいてきた。近づいて気付いた…デッカ!!何メートルあるんだ?すごい巨躯だし、筋肉の様に構造されているボディパーツも美しいし、所々見えている流線形のパーツも発達した筋肉の一部に見えて、機械人間?てやつだけど、人間らしさがある造形美がある。
「ところで1つ聞きたい。吾輩がこの場で思考を沈めていた間にどれほどの時が経った?周囲の構造物がかなり劣化しているのをみると、相当の年月が経っているのだろう」
「そうだね。相当経っている筈。えっと、盤岳…さん?」
「そう畏まらなくてもよい。吾輩の事は「盤岳」、そう呼んでもらって構わない。」
「わかった、そう呼ばせてもらうよ。じゃあ盤岳、君が最後に覚えている年月は覚えてるかい?」
「吾輩が最後に覚えている記憶か…確か20XX年の10月が最後だったはずである」
その年月は僕が覚えている最後の記憶より数100年後じゃん!?え、僕そんな先輩だったの?だからさっき僕の事を「先達」って言ってたのか……。僕が覚えている限りだと、僕より前の人型アンドロイド実験は一切無かった…ハズ。なにせまだ記憶戻り切っていないから、曖昧なのだけど、何となしにそんな感じがする。
「それだと、今は968年後って所かな」
「なんと…相当の月日が巡った事は覚悟していたが、それほどとは……。」
ショック…というよりかは、そんな月日が経ったからどうしよう、って感情の方が大きそうな気がする。多分この人、人?も僕と同じ様に何らかの目的があって、製造されたタイプなんだろう。そして、盤岳はその目的を何とはなくに知っている。だからこそ今後の行動をどうしようか考え始めたのかな。
「ねぇ盤岳。君はどういう機体なのかな?僕が見た限り、君の情報は載ってなくてね。」
「吾輩か?吾輩は戦闘に特化してる。いづれ正義を成さんとする為、この身に力と技術を携えていたが、それを振るう日は来なかったな。まあ吾輩が繰り出される戦場が無かったのだろう」
「いや、というよりも……出す前に、やられたってのが正しいんじゃないかな?」
この荒れ模様、自然倒壊だけでなく明らかに襲撃されていた。この施設に戻る際に入り口のゲートを一瞬見たが、どう考えても経年劣化ではない破損や穴があった。あれは、爆発や弾痕によって出来たモノだ。恐らくこの研究者たちは、ここが戦場になった。というか、世界的に大規模な戦争でも起こったのだろう。
それゆえに僕にも本来追加する予定の無かった武装を追加したのだ。けど、それが日の目を見る前にこのラボが襲撃された。僕達が無事だったり、盤岳のカプセルが置かれていたフロアが他より綺麗だったのを見ると、研究者たちもこの非常時に備え武器でも作っており対抗してたんだろうね。そのおかげで敵を撃退したけども、ここももたないと結論出した為に仕方なく放棄……って所かな?
まあでも、そのおかげもあって今はお仲間が増えたとは有り難いけどね、うん。
「盤岳。とりあえず一緒に行動する気はないかい?」
「なんと、吾輩も同じ提案をしようと思っていた。この場にいる少ない同胞の一人だ、喜んで受けよう。」
「同胞って、そんなかたっ苦しくなくてもいいよ。とりあえず、一旦外に出てみない。現状調べられる所は調べたんだ。あとは倒壊が酷くて後回しって感じなんだよね」
「成程、承知した。吾輩も数百年たった地表の景色を見ておきたい。」
そういい、僕達は地上に上がるために歩みを進めた。でも、その行動が今の世界の現状を物語るある出会いになるとは思っても無かったけど……。
「おい、面白れぇ奴らが居やがるぜ!」
「何だこいつら!てかアイツ鉄で出来てやがるぜ!」
「おい、あれ闇市流せばいくらで儲かる?」
「ふむ。これが世界の現状か。」
「こんなん知らない!」
キャラ(アンドロイド)の雰囲気を出すためにそれっぽいフォントを使っていますが、見づらかったりしませんか?変えた方がいいでしょうか?
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そのままで
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フォントなしで
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別フォントで
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フォント無キャラ名付で