お酒の力を借りようと思いますわ! 作:名無し
「僕吸い……?いや全く意味が分からないんだが……と、とにかくこんなはしたないことはやめてくれ!……って、え……!?」
「ひっく、うう……ロイドさまひどいですわ……ワタクシのことをそんなふうに思っていたなんて……ううっ」
「!?」 (な、なんで泣いて……!?別におかしなこと言ってないよな!?)
至極当然のことを言っただけなのに急にさめざめと泣きだしたレオノーラ。その姿にますますロイドは動揺し、そしてそのさめざめと泣くレオノーラの姿がかつて自分が泣かせた
「……わ、わかった!分かったから!レオノーラの好きにしていいから!だから泣くのはやめてくれ!」
「うう……ほ、本当ですか……?」
「あ、ああ!勿論だよ!それにそもそも僕達は婚約者なんだからこのくらいのスキンシップ当たり前というか…と、とにかく君の好きなようにして構わないよ!」
「…………ふふ、言いましたね?」
「え?レオノーラいまなんて――……って、レオノーラ!?」
「お邪魔しますわあ~」
先ほど泣いていたのが嘘のようにスッと涙を引っ込めたレオノーラは声を弾ませてズカズカとロイドの自室に入っていく。その変わり身の早さにロイドは呆気に取られるが、レオノーラがふらふらとロイドのベッドに近付き、そのままシーツの海に飛び込んだところでロイドの思考が追いついた。
「ちょ、レオノーラ!?君は何をして……!!」
「ん~?」
「いや、『ロイド様も寝ます?』みたいな顔をして布団を捲らないでくれ!いや、確かにさっき君の好きにして構わないとは言ったが……ああもう本当に今日の君は一体どうしちゃったんだ!こんな、まるで酒に酔っているみたいな……っ!…………ん?」
そう言いかけてロイドはハッとした様子で改めてレオノーラを見てみる。
「……ロイドさまあ?」
とろん、とした瞳。焦点の合いきらない視線、わずかに紅潮した頬、やけに緩んだ口元。それにこの舌ったらずな幼稚な喋り方。これはもしかしてもしかしなくても……
「……レオノーラ、まさか君お酒を飲んで……?」
「んえ?おさけぇ?んん、おさけなら……お部屋で、ちょっとだけぇ……んふふ……甘くて美味しかったですわあ……」
「ほ、本当に飲んでいるのか!?だ、だめじゃないかレオノーラ!君はまだ酒を飲める歳ではないんだから勝手に酒を飲んだりなんかしては!それにちょっとだけと言っているがその様子だとちょっとじゃなくてだいぶ飲んで――」
「うるさい!!」
「!?」