魔法は祈りに変わり、星は希望を示す   作:春夏秋冬夏蜜柑

15 / 17
この作品は 『hrak』の二次創作です。
登場する主人公「森羅 万(しんら よろず)」はオリジナルキャラクターであり、原作には登場しません。

※ぴくしぶにも同じ名前で投稿していますが、本人の手で投稿していますのでご安心ください。

以下の注意点をご確認いただけますと安心して読めます。
・hrak世界を知らずの転生です。
・個性の都合上、テ/イ/ル/ズ作品の魔法が多々登場します。
・俺つえー系の話にはしない予定ですが、そう感じる場合があります。
・沢山の地雷を無自覚に仕掛けている場合があります。その場合は即ブラウザバックを推奨します。
以上のことをお気をつけください。


14話:昼休憩

騎馬戦が終わり、1時間の昼休憩に入った。

因みにマイク先生は相澤先生をお昼に誘い、断られていた。…まぁそういう時あるよね!

 

お昼に向かう生徒が大勢の中、私は白の所へ行こうと腰を上げた。

それを見て縛野さんが声をかけてくれた。

 

 

「森羅さん、よければ一緒にご飯食べへん?」

「ごめんね、私先に相棒の様子見に行きたくて」

「相棒…ですか?」

「うん、凄く大きい狼」

 

 

こーれぐらい、と全身を使って白の大きさを表現した。

 

 

「……え!?そしたら狼連れてる神秘ガールって森羅さんだったの?!え、森羅さんの売り出し方…完璧に私の中で整っちゃったな…!!」

「整っちゃったかー。…え、というか神秘ガールって…何?」

 

 

どうしてもそれだけ解せなかった。なんだその呼称。初めて聞いたけど?

 

 

「森羅って外見は凄く神秘的だし、でかい狼もつれてたから俺たちの中でそう噂されてたんだよ。知らなかったのか?」

「…氷野君、噂って意外と本人の耳には入らないんだよ」

「まぁ神秘的なのは外見だけだってのは今回分かったから、皆に言っとくよ。神秘ガールじゃなくて面白ガールだって」

「熱い風評被害だよ人吉君!!!あ、いや…神秘ガールよりマシ…かな…?」

「森羅さん、屈しないで…!」

 

 

弱戸君に励まされたが、どうしても神秘ガールよりかはマシに思ってしまった。

…いや冷静になって私。どちらも嫌なんだけど。

 

 

そう思いつつ5人と別れ、人の気配のない通路を歩いて白がいるのは実況席だから、そこに向かう。

皆もうご飯食べに行ったから人が全くいないなぁ。私も白と合流したらご飯貰いに行こうかな。…というか、今回はどうやって受け取ればいいんだろう?もしかして白と合流する前に貰った方がよかった可能性、あったりする…?

 

そこまで思い至ったものの、すぐにまぁいいかと思った。今は早く白と合流したいし。

 

 

にしても…眼帯って案外蒸れるなぁ。ちょっと外したくなった。でも人の気配がないとは言え、もしかしたら誰かと会うかもしれない。

そう思うと外す気もなくなった。この左目が誰かの目に入る方が嫌だから。

 

1人、歩いていると前から声が聞こえてきた。誰かいるの?

そう思って曲がった先で聞こえた言葉に耳を疑った。

 

 

「いずれ貴様を超えるヒーローにする。そうするべく……つくった仔だ」

「……何を…」

 

 

オールマイト先生と…声が聞こえたことを考えると誰か男の人がいるのはすぐに分かった。でも誰だ?

 

そう思いつつゆっくりと足音を立てないように来た道を戻り、身を隠した。

トップヒーローには気配でバレるかもしれないが、これ以上来た道を戻っても実況席はこの道を通るしかない事を考えると此処に留まった方が楽かなと思ったから。

…まぁ只事ではない雰囲気に圧倒されてこれ以上動けない…というのも理由の1つだけどね。

 

 

「今は下らん反抗期だが、必ず超えるぞ…超えさせる…!」

 

 

その言葉と共に足音が離れていった。

私はその場で先ほど聞いた言葉を反芻し、考えた。

 

貴様を超えるヒーローにする。

つくった子。

必ず超えさせる。

 

この言葉から連想されるのは、オールマイト先生と話していた人は…オールマイト先生を超える、その一心で子どもをつくった。そして所持物、いや…道具のように思ってる節もある。そうじゃないとあんな言葉たち出るわけない。理由としては…自分ではオールマイト先生を超えることはできないから、かな。だから子に強制している。

そう考えるとなんとなくの辻褄が合ってくる。

 

それにもしかしたら"個性婚"と呼ばれる、昔問題になった結婚の仕方をしている可能性がある。個性婚は自身の個性を強化して次の世代に継がせるために配偶者を選ぶ結婚。倫理観の欠如なんて言葉じゃ生温い程の鬼畜な所業。

ただこれは全て私の推測の域は出ない。全ての話は聞いていないから、本当の話は分からない。

 

それでも…この推測は全部は間違っていない。

私の勘がそう囁いている。そうだとしたら、間違っていなかったとしたら…あまりにも胸糞悪い話だと思った。

胸の奥が痛む。

 

 

勿論、前世でもアスリートとして自分の子どもに夢を託すという話は聞いたことがある。でも、誰も自身の子どもを道具のように扱ってはいなかった。強制することもなかった。あくまでそう言う気持ちを持っているというだけで、本人の意思を尊重していた。

あの男のような思考を持っている人は、いなかった。

 

これはきっと個性社会が生んだ歪み、そしてオールマイト先生への劣等感が生んだ間違った夢の叶え方。

 

この世界は…危ういな。

歪み、超えられない壁、そして世代を重ねるごとに強まる個性。…これらが最悪な形で表に出なければいいんだけど。

 

 

「森羅少女!そこで何してるんだい?!」

 

 

考え事をしていると、オールマイト先生が私の顔を覗き込んでいた。

いつの間に。

 

と言うか足音聞こえなかったけど…?これがトップヒーローの速度かぁ。速いな。

なんて思いつつ、敢えて表情を緩めて口を開いた。

先ほどまで抱えていた胸糞悪さには蓋をして。

 

 

「さっき曲がろうとしたら先生が誰かと話している声が聞こえたので、お邪魔していけないと思って避けてました。

因みに私はこれから実況席にいる白に会いに行こうと思ってまして…先生のお話は終わりましたか?此方からは少し聞こえ辛くって…」

 

 

聞こえ辛かったのは嘘だ。ハッキリ聞こえていた。

小手先の嘘に先生が誤魔化されてくれればいいんだけど…。

 

今表情を緩めているのも、表情が硬いと話を聞いていたと勘づかれると思った苦し紛れの策だ。

上手くいくかな…?

 

 

「そうだったのか!丁度話し終えたところだから通っていいぜ!道塞いでしまってごめんね!!」

「いえ、こちらこそ間が悪くてすみません。失礼します」

 

 

先生はそう言って道を開けてくれた。それに会釈してその場をいつもの速さを意識して実況席に向かった。

ここで早歩きで去ると勘づかれる恐れがある。そんな気がして。

…多少は誤魔化されてくれてたらいいな。

 

 

実況席に向かう途中でふっと胸糞の悪さが蘇ってきた。

…あれは誰が話していたんだろうか。私はオールマイト先生への対抗心からプロヒーローだと目星を付けてるけど…残念ながら私はヒーローにはそこまで詳しくない。あれは誰だったんだろうか。

 

はぁ…と溜め息をついた。あんな考え、よくできるよなぁ。

そう考えていると実況席に着いた。扉をノックし、声をかけた。勿論小さな声で。

 

 

「…白、いる?」

「いるぞ」

「入っていい?」

 

 

そう実況席内の白とやり取りをすると白は中で誰かと話をした。

相澤、万を入れてもいいか?…いいぞ。ただし、バレないようにな。

 

そんなやり取りが聞こえた。

 

それから間もなくして白が「入っていいぞ。ただし静かにバレないようにな」と言ってくれた。

その言葉の通り、姿勢を低くしてなるべく目立たないように静かに実況席に入った。

 

実況席の中には相澤先生と白だけがいて、マイク先生はいなかった。1人でご飯を食べに行ったんだろうか?

まぁそれはいいとして…白と先生を見てちょっと安心した。胸の中に残った胸糞悪さは鳴りを潜めた。

 

 

「お疲れ、万」

「ありがとう、白。ちょっと疲れたよ」

「だろうな。ただ…指示は的確だったぞ。流石だな」

「ふふっありがと」

 

 

そうやり取りを交わし、白の大きな体を撫でた。ちょっと心が安定してきた。

 

 

「森羅、お前ご飯食べたのか?」

「いえ、まだです。先に白の様子見たくって来ちゃいました」

「そうか。…食いそびれないように早く行くいけ。ちゃんと見ててやるから」

「私は手のかかる生徒ではない。…まぁそう言う事だ、万。私の事は気にせず行くといい」

「…うん、分かった。では失礼します」

 

 

手短に挨拶をし、私は静かに実況席を後にした。

さぁ、ご飯食べに行こう。

 

 

手を洗ってから食堂に入ると、もう食べ終わっている生徒も何人かいた。やばい、まだ間に合うかな?

慌ててカレーライスと書かれた受け渡し口に行って声をかけた。

 

 

「すみません、まだカレーライスって貰えますか?」

「大丈夫だよ!はい、どうぞ!」

「ありがとうございます!」

 

 

なんとか間に合ったっぽい。因みに体育祭に限り生徒は昼食はタダらしい。ラッキー。食費浮いた。

 

カレーライスを受け取り、どこかに座ろうと振り向いた。

うーん、どこも人が多いなぁ。それに見た感じ空いてる席少ない…。

 

カレーライス片手にどこに座ろうかキョロキョロしていると、声をかけられた。

 

 

「森羅くん!席を探しているのだろうか?」

「あっ飯田君。うん、探してるよ」

「ならこちらに来ないか?一席空いているぞ!」

「本当?じゃあお邪魔しようかな」

 

 

そう言って飯田君の近くに行くと、A組の子が殆どいた。

おや…ここA組ゾーンかな?

 

取り合えず飯田君に促されるまま、彼の隣の空いている席に座った。

カレーライス、美味しそうだな。なんだかお腹空いてきた。

 

 

「森羅さん、第一種目見たよ~!すごかった!他の科の子に的確に指示だして最後はロボの頭を粉砕!」

 

 

麗日さんのその言葉を皮切りに、近くにいたA組の子がワッと私に話し始めた。

それをカレーライス食べながら見守る。

 

 

「俺は"戦える人は手を貸して!戦えない人は負傷した人を連れて後ろへ!"っていう言葉に痺れた!」

「私はその後の"この場では皆、最高の個性だよ"って言葉かしら。万ちゃんだから言えた言葉だと思うわ」

「やっぱり最後の"粉砕!玉砕!大喝采!"だろ~!会場も最高に盛り上がってたしよ!」

「いーや!最後の"今度こそもう大丈夫"が一番かっこよかったぜ!すげぇ男前だったぞ、森羅!」

「ちょっと切島~!森羅は女の子だよ!でもカッコよかったのは同意!」

「ヒーロー科として予選通過は絶対条件の中で、森羅くんは最下位になる代わりに他生徒を守った…!くっ…ブラボー!!」

「飯田ちゃん、声が大きいわ」

 

 

モグモグ食べながら賑やかなA組を見守った。

そして口の中のものを全て飲み込んで私は一言だけ言った。

 

 

「過大評価じゃない?」

「「そんなわけあるかー!!!!」」

 

 

A組だけでなく、いろんなところから声が聞こえた。

ビックリして辺りを見ると、どうやら他の科の子も声をあげた模様。中にはあの時ロボから庇った子たちもいた。

 

いやぁ…でも私は誰かが傷つくとこ見たくなかっただけだしなぁ。

 

と呟くと、最終的には他の科の子たちとA組にぐるりと囲まれた。そして私のことについて語られた。

あの…普通に恥ずかしい。というか圧があって怖い。

なんなんだ…これは…。そしてこの時間…何…?

 

 

そんな賑やかな食事を終えて、レクリエーション種目に向かって皆歩き出した。

その中で八百万さんに呼び止められてA組女子全員で話を聞いた。

 

…ふむふむ、なるほど?

因みにそれって…信じていいの?

 

 

 

 

 

 

 

そうして私たちA組女子はレクリエーション種目のために会場入りしたが…。

 

 

≪どーしたA組!!??≫

 

 

チアの恰好をしたのはチアガールを除けば私たちA組女子だけという、ハチャメチャに目立つことになった。

結論から言うと私たちは峰田君と上鳴君の策略にすっかり騙されてしまったのだ。

 

 

「何故こうも峰田さんの策略にハマってしまうの私…」

「アホだろあいつら」

「まァ本戦まで時間空くし、張り詰めててもシンドイしさ…いいんじゃない!?やったろ!!」

「透ちゃん好きね」

 

 

そんな会話を聞きながら、私は自分の恰好を見た。血が滲んていたから巻きなおしたお腹の包帯。目立つなぁ。

それにまさかここで表に出すことになるとは…。

 

 

「…森羅、その傷って…敵が襲撃してきた時の傷?」

「うん。芦戸さんの言う通り、あの時の傷。まだ全部治ってなくてね。ちょっと見苦しいでしょ?

だから本当は体育服脱ぎたくなかったんだけど、皆が着てるのに私だけ着ないのはフェアじゃないと思って着たんだよ。なのにまさかあの2人の策略だとは…!」

 

 

ちょっと大げさにリアクションを取った。

最初から疑ってはいたけど、女子生徒全員着るって言ったらさ…日本人は着るじゃん!民族的な意識として!!

だからちょっと断り切れなくて着た。それにさ、クラスメイトに対してそんな事するとは思わないじゃん…。

 

少しだけ嘆いた。この事は忘れない…。

その時、芦戸さんにビシッと指を指された。な、何?!

 

 

「その傷は蛙水たちを守った名誉の傷だー!だからさ、見苦しくなんてないよ!」

 

 

芦戸さんの言葉にビックリしたけど…それも、そうだね。

ふにゃりと笑ってお礼を言った。

芦戸さんを目を見開いたけど、すぐにサムズアップして笑いかけてくれた。

 

 

≪さァさァ皆楽しく競えよ、レクリエーション!!

それが終われば最終種目!進出4チーム、総勢16名からなるトーナメント形式!!一対一の…ガチバトルだ!!≫

 

 

そこからは組決めのくじ引きが始まったけど、尾白君とB組の庄田君が棄権をした。どうやら心操君の個性でぼんやりしていて気付いたら勝ち上がっていたその事実が嫌での棄権らしい、1本の芯が通ったカッコイイ判断だ。

そうして繰り上がりでB組拳藤チーム…ではなく、上位を最後までキープしていたという事でB組鉄哲君チームから、鉄哲君と塩崎さんが選ばれた。

 

皆芯があってカッコイイな。そう純粋に思った。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。