魔法は祈りに変わり、星は希望を示す   作:春夏秋冬夏蜜柑

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ここから本編に入ります。


※誤字脱字があったため、修正いたしました。ご指摘ありがとうございます。(2025/11/29)


雄英高校入学
4話:1日遅れの入学


 

春。桜が舞い散る中、生徒は誰もいないぐらいの朝。雄英高校の正門を前にして、私は深呼吸をした。隣には白がいる。

大きな体を少し傾げて私を見ている。

 

 

「行くか、万」

「そうだね…うん、行こう。白」

 

 

一歩を踏み出した瞬間、春の風が制服の裾を揺らした。

――この一歩が、恐怖より強くあれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようございます」

「おはよう、森羅。昨日は眠れたか?」

「なんとか眠れました」

「ならよし」

 

 

教師以外いない校内を校内地図を手に進み、雄英高校の職員室に着いた。

そして目の前には担任になる相澤先生が座っていて、これが夢ではないことを表している。

 

教室に直接向かうのではなく、なぜ私は職員室に来たのかと言うと…入学式の3日前に祖父が倒れてしまいバタバタしていたせいで1日遅れてしまったんだ。

幸いなことにお祖父ちゃんの容態は深刻ではなく、3日もあれば退院できるとのこと。そのため後はお祖母ちゃんに任せてこちらに来たのだ。

一応昨日の早朝には白と一緒に暮らすことになる家には着いていたんだけど、学校側の配慮で1日休ませてもらえた。

純粋にありがたかった。ちょっと寝不足もあったので昨日はずっと寝ていた。

そして今日、すっきりした気持ちで来られた。

 

先生と少し話をしていると、不意に先生が時計を見た。

 

 

「…もう時間だな。行くぞ」

「はい、先生」

 

 

相澤先生を先頭に教室に向かう。

1日遅れの入学なんて目立つことこの上ないので結構嫌だけれど、今回ばかりは仕方ない。

白は静かに私の少し後ろを付いてきている。

 

 

「…………お爺さん、容態が安定して良かったな」

「そうですね…ホッとしました」

 

 

世間話をしながら歩いて行く。

相澤先生はお兄ちゃんの先輩なので、実は知らない人ではない。寧ろ良くしてくれる近所のお兄さん的なポジションの人と勝手に位置付けているぐらいには親しくしていた人。

合理的なものをこよなく愛しているしとても厳しいけれど、根は優しい。怖いけど。

と言ってももう先生と生徒の立ち位置なので、必要以上に親しくしないように心掛けないと…。公私混同は駄目、絶対。

 

 

「着いたぞ。此処が今日からお前が1年間勉学に励む1-Aの教室だ」

 

 

扉でっか。いや、分かってはいた。職員室には大きい人が使う用の机と椅子があったのと、パンフレットでバリアフリーと謳っていたのを見たので予想はしていた。何より職員室に向かう途中も大きい人用の物が溢れていたから予想から確信に変わっていた。

でも実際目の前にするとでかいと思うのは人間の性だよね。驚いた。

 

 

「では俺が呼んだら教室に入ってくるように」

「分かりました」

「…まぁなんだ、お前なら大丈夫だよ。リラックスしとけ」

「?!え、あ、はい!」

 

 

ビックリして返事をした私に少し笑って、相澤先生は教室の中に入って行った。何やら騒がしい声が聞こえたけれど、突然静まり返り、中から先生の「入れ」という声が聞こえた。

…何言ったのか気になるけど、私は何も言及しないぞ。触らぬ神に祟りなしなので。

白に小声で「此処で待っていて」と告げ、教室の扉を開けて中に入った。

 

 

「失礼します」

 

 

クラスメイトからの視線が痛い。

…見世物じゃないんですが?

けれど、気持ちは分かる。1日遅れの入学者なんて珍しいにも程があるから。

 

先生の横に立ち静かに教室内を見渡す。

見ただけでも個性的なクラスメイト達だということはわかった。

 

 

「森羅、挨拶を」

「はい。はじめまして、1日遅れの入学となりました森羅 万です。よろしくお願いします」

 

 

静かに一礼をするとパチパチと拍手が聞こえた。それを聞きながら顔を上げる。

そして相澤先生と目を合わせる。先生は軽く頷いた。

 

 

「彼女には特例がある。入れ」

 

 

先生のその言葉を聞いてから閉まってした扉を開き、外にいた白にアイコンタクトを送る。

白は静かに頷くとゆっくりと教室内に入ってきた。

クラスメイトは驚きの声をあげた。

私は白の後について再び先生の横に立った。ただし今回は間に白がいる。

 

 

「でっけぇ?!なんだ!?狼!!?」

「ペット?!なんだぁ!?」

 

 

白はその場に座り、少し鋭い目で教室内を見渡す。初めて会う人たちに対しての白の癖だ。相手のことを分析している。

 

ざわざわしている教室内を先生は一瞥で静かにさせた。

…こっわ。

 

 

「森羅の個性は特殊だ。この狼はその一部であり、相棒だ。そして個性は互いに作用する。

…雄英はこれを"相互作用型の個性"と定義している。

尚籍はないが授業には同行する。以上。森羅は一番後ろの飛び出ている席に座るように」

「分かりました。行こう、白」

「分かった」

 

 

喋った…!喋ったぞ…!あの狼…!

ざわざわするクラスメイトの間を通り指定された席に向かう。その途中で各々の印象が聞こえてきた。

 

 

「相互作用型の個性…!聞いたこともない珍しい個性だ…!どんなのだろう…!」

ちょっともしゃもしゃした緑髪の少年は目を輝かせながら何やらノートを書いている。勉強熱心そうだ。

 

「チッ…なんだその特別扱い」

目付きが滅茶苦茶悪い、不良を形にしたような少年は睨みつけるように私たちを見ている。態度が滅茶苦茶悪い。

 

「…珍しいな」

赤と白が特徴的な髪の少年は無関心そうに呟いた。クールそうな少年だ。

 

「またお会いできてよかったですわ」

推薦試験の時に一緒になった少女…八百万さんはそう微笑んでくれた。

私も目を合わせて笑いかけた。

「これからよろしくね」

 

 

 

朝のホームルームは終わり席に座って次の授業の準備をしているとクラスメイト達に囲まれた。

皆、白が気になるらしい。

 

 

「蛙水梅雨よ、梅雨ちゃんと呼んで。よろしくね。

私気になったことは口に出してしまうの。その狼さん…白ちゃん?はお話できるのね」

「梅雨ちゃん、よろしくね。そうこの子…白は個性を持っていてね。それで話せるよ」

「あの…僕緑谷出久です、よろしくお願いします…!それであの、個性って聞いてもいいのかな…?」

 

 

緑谷くんが恐る恐る手をあげて、でも隠しきれない好奇心を秘めて私たちに問いかけた。

私が話してもいいんだけど…白をちらりと見る。

床の上で丸くなっていた白は私の目線を感じ取り、顔をこちらに向けて口を開いた。

 

 

「…私の個性は"知能"だ。人の言葉、感情を理解する。そして万の個性の理解・補助を行う。以上」

 

 

そういうとまた丸くなった。…必要以上に関わらないってことね。

ちょっと苦笑いした。

でもそれで十分だったようで、私たちを囲んでいるクラスメイト達は感心した声を出した。

それでも一応フォローを入れる。

 

 

「ごめんね。まだ皆との距離感に迷っているらしくて…ちょっと素っ気なく答えちゃった」

「いいよ気にすんな!あ、オレ切島鋭児郎!よろしくな!」

「よろしく」

 

「なぁ触ってもいいのか?!」

 

 

そう言って白に手を伸ばした金髪にメッシュがある少年。

マズイ!咄嗟に白と少年の間を遮るように手を伸ばす。瞬間、白が威嚇のように口を少年に向けた。牙を出して唸っている。

落ち着かせるように伸ばした手で白の首を撫でる。

少年は驚いて尻餅をついた。教室内は緊張感を帯びた空気になってしまった。

落ち着かせないとマズイ。撫でながら白に言葉をかける。

 

 

「グルルルルゥ…!」

「落ち着いて、白。大丈夫」

 

 

暫く唸っていたが、程なくして唸るのをやめて私の膝上に頭を乗せた。唸るのをやめたから誉めろ、撫でろ。という白の無言のアピールだ。

白の頭の上に手を乗せて優しく撫でる。ふわふわな毛並みが気持ちいい。

 

 

「…ごめんね。ほかの人に触られるのまだ慣れてなくて。あと、触りたいときは一度白に聞いてあげてほしい。…よろしくね。それとごめんなさい」

「あ…いや!オレこそ悪かった!!ごめんな、白」

「気を付けるんだな、人間」

「はい…」

「…上下関係決まっちまったな!上鳴!反省しろよ~!」

「反省するに決まってんだろ…瀬呂…」

 

 

教室の空気がちょっと柔らかくなった。この教室特有の空気に戻る。その中で休憩時間の終了を知らせるチャイムが鳴り、皆席に戻っていった。

目の前の席に座っている八百万さんがこちらを振り向き優しく笑いかけてくれた。

 

 

「やはり仲良しですわね」

「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

 

そうして私の学校生活は幕を開けた。

 

午前は必修科目・英語などの普通の授業が行われた。英語を担当してる先生はプレゼント・マイクさん。この方もまたお兄ちゃんの先輩で個人的に知ってる人だ。でも相澤先生同様此処では生徒と先生。公私混同駄目・絶対。

 

お昼は大食堂で一流の料理を安価で頂ける!担当はランチラッシュさんだ。お兄ちゃんは食べたことあるらしく、めちゃくちゃ美味しいと話を聞いていたので絶対に食べたいと思ってた。念願叶って食べれる…!ちょっとウキウキしてしまう。……でも待てよ。

ふと思った。白は狼。……食堂に入っちゃ、駄目では?

 

午前の授業が終わり、食堂に行く前に確認するべく職員室へ向かった。教員の皆さんは私たちのこと分かっているので、誰かしら答えてくれると思う。

教室を出る時間をちょっとズラしたからか、廊下には人の気配はない。まぁ見られても問題はないんだけど、ジロジロ見られるのは結構嫌だ。

 

教員室前に着き、ノックして名乗る。

 

 

「1年A組の森羅 万です。聞きたいことがあるのですが…」

 

 

閉じられた扉の前でそう告げると扉が開けられた。

 

 

「相澤先生」

「森羅、丁度良かった。白と一緒にこっち来い」

「?分かりました。行こう白」

「ああ」

 

 

失礼します。

その一言を忘れずに告げてから中に入った。そのまま先生に先導されるまま歩いた先には応接室があった。促されるまま白共々入室し、指定されたソファに座った。白はソファの隣に座った。…このソファ、かなりふかふか。疲れ果てたときに座ったら秒で寝る自信あるな…。

 

そんな事を思っていたら目の前にお弁当が置かれた。白の方を見ると好物の熊肉が置かれていた。

 

 

「あの、先生このお弁当は…?」

「大方白と学食に行っていいか確認に来てたんだろ。

結論から言うと駄目だ。

だが特別にお前たちには弁当でランチラッシュの作った飯を食える。勿論代金はいるがな。金曜日頃に翌週の献立表を渡すから、必要な場合はそれに丸なり書いて帰るまでに俺に提出してくれ。

白の場合も事前に家族に聞いて食べられる物は把握してるから、献立表をこちら側で作った。森羅同様いるものは記入して渡すこと。以上。

尚、受取と返却は学食の裏口で行う。ここまでに質問は?」

「全くありません。……ありがとうございます」

「んじゃコレが今週の献立表だ」

「ありがとうございます」

 

 

渡された献立表にザッと目を通すとどれも栄養が細部まで考えられている上に美味しそうだ。白の方も同様に栄養が考えられている。

…ご飯食べたら白と相談してササッと出そう。

 

 

「ところで森羅。俺もお前に用があるんだ」

「用…ですか?」

「お前に昨日A組が何したか伝えていなかったなと思っていてな。当ててみろ。俺がA組に何をしたか」

 

 

その言葉に指を顎に当てて考える。

"何したか伝えていなかった"という言葉から考えると、多分入学式はしてない。先生はそういう事を省くのに躊躇無いタイプの人だ。なら入学式以外の事をしたのは確実。

では本題の"何をした"のか。先生視点ではこれから指導する子たちの伸び代とか適正とか見たいはず。それも素の身体能力ではなく、個性の。

そしてここ最近の学校ではどこも入学して間もない頃に身体能力テストを行っている。

これを軸に考えると………。

 

そこまで考えて、1つの答えに辿り着いた。

私の顔は引き攣った。…もしかして。

 

 

「森羅の推察を言ってみろ」

「……個性を用いた、テスト」

「大正解だ。流石だな」

 

 

パチパチと気のない拍手がされるが嬉しくはない。

だって合理主義な先生がわざわざこれを伝えるために私に言った訳がない。よって…。

 

 

「…私と白にもそのテスト、ありますね?」

「大正解だ。今日の放課後行う。その時使う体操着も今渡しておく。

白は森羅の補助を行うことは勿論許可するが、受けるのは森羅だからな。直接的な補助は行わないように」

「分かりました」

「ならよし。折角だから此処で飯食ってけ。ついでに献立表に記入も頼む」

「承知しました」

 

 

体操着を受け取り、手を合わせた。

いただきます。

白も隣でそう呟いてご飯を食べた。

 

一口食べて感動した。お兄ちゃんが言う通りめちゃくちゃ美味しい。家のご飯は勿論美味しいけど、ランチラッシュさんはまた別ベクトルの美味しさだな。

口の中に食べ物がある時は喋らないと幼い頃から言われてるから無言でもぐもぐ食べ進める。因みに前世でも同じような事を言われていたので全然苦ではない。

 

暫く私たちの食事光景を眺めていた先生はおもむろにポッケからゼリー飲料を取り出して飲み始めた。

…いつも思うんだけど、お腹空かないのかな?ゼリー飲料のキャッチコピーを見る限り1日に必要なエネルギーと栄養は取れている。

それでも案外食事と言うものは侮れないのだ。いかにゼリー飲料が発達しようとも、食事は侮れない。

咀嚼は脳に刺激を与えてくれるし、顎の筋力維持にも一役買ってくれる。だから食べることは大事。他にもまだまだあるけど、詳しく思い浮かべるには多すぎる。

 

 

「そこまで見られると流石に居心地が悪くなる」

「んぐっ…すみません!ゼリー飲料見てたら食事の…特に咀嚼の大事さを思い浮かべてました…。すみません…つい…」

「…変わらないな。お前は」

 

 

ちょっと飽きれたような表情を先生は浮かべた。

 

それからご飯も無事食べ終わり、弁当箱は今回だけは先生がランチラッシュさんのもとへ届けてくれるらしい。今後は私がするようにと言われた。

そして白と相談して記入した献立表を先生に渡し、一礼してから応接室と職員室を去った。

 

帰りは生徒が多く、白と揃ってかなり見られた。

ねぇ、噂の子だよ。

わっ本当に狼と一緒にいる…てかでかすぎない?

 

内緒話のつもりなんだろうけど…かなり聞こえてるなぁ。表情には出さないけどげんなりした。早く教室に戻りたい。

そう思っていたら白が私を人目から隠すように壁際に追いやり、自分は通行人側に立った。

 

 

「……白、流石に申し訳ないよ」

「構わん。私は慣れている。それにこの身は万を支えるためにあるものだ。気にするな」

「そっか…ありがとうね」

 

 

いつも、白に守られてばかりだな。

 

そうして歩いているとやっと教室に戻れた。

なんか疲れた…。ただ午後からも授業はあるから気を取り直さないと。

 

 

「森羅さん」

「どうしたの?八百万さん」

「この後の授業でとうとうヒーロー基礎学を学べるの、私ずっと楽しみにしておりまして…!やっとヒーローに1歩近付けられるなんて!楽しみ…いえ、責任感を殊更意識してしまいますわね…!お互い頑張りましょうね!」

「…うん、頑張ろうね!」

 

 

言葉を返しながら、胸の奥がちくりと傷んだ。本当の私は"ヒーローを目指していないのに"。

私がヒーロー科に入った動機は"個性の扱い方を学ぶため"。これは墓場まで持ってく秘密。

因みに表向きは『私の個性は応用性ピカイチなので、戦うだけでなく、救助活動も行えるヒーローになりたい』。推薦試験はそれで押し通した。面接は得意…というより前世では面接官もしてた経験があるから、どこが見られやすいかとか大体分かったので本心は全て言わずに話しきった。

ズルしてるなぁとは思いつつ、まぁ人生二度目の特権はだねと最近では受け入れてる。

 

…にしても、ヒーローを志す子を目の前にすると居た堪れなくなる。私の本当の動機を知ったら、八百万さんは軽蔑するだろうな。…やってけるのかなぁ。

 

席に座ってそんな事を考えていると、チャイムが鳴った。

――ヒーロー基礎学の時間だ。

 

 

 

「わーたーしーが!普通にドアから来た!」

 

 

クラスメイトが喜びの声をあげる。

普段はヒーローに興味を示さない白も今入ってきた人のことは静かに見つめている。

 

平和の象徴『オールマイト』…ここではオールマイト先生、か。実物を拝見したのは初めてだからその大きさに驚いた。そして上機嫌に歩きつつも隠しきれない圧が伝わってきて思わず息を呑んだ。これが、トップヒーロー。

 

 

「ヒーロー基礎学!

ヒーローの素地をつくる為、様々な訓練を行う科目だ!!単位数も最も多いぞ。

 

早速だが今日はコレ!戦闘訓練!」

 

 

そう言って先生は持っていたBATTLEと書かれたプレートを教室に見せた。

…戦闘、訓練。私が嫌いな響きだ。この個性で人を傷つけてしまわないか、怖い。

 

白はそんな私の不安を感じたのか、体を寄せてきた。

大丈夫だ。そう言ってもらえたようで少し落ち着いた。

 

 

「そしてそいつに伴って…こちら!!!

入学前に送ってもらった"個性届"と"要望"に沿ってあつらえた…戦闘服(コスチューム)!」

 

 

先生のその言葉と共に教室前方の壁がゴゴゴゴゴ…という音と共にせり出した。そこには数字が書いていて、恐らく出席番号順に取るんだろう。

私は入学が1日遅れたこともあり、出席番号は一番最後の21だ。

 

 

「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!」

「「はーい!!」」

 

 

クラスメイトは元気よく返事をして、各々自分の出席番号が書かれているコスチュームケースを手に取り更衣室へ向かった。

私も遅れないようにコスチュームケースを手に取った。

 

 

――この力が人を傷つけるかもしれない。それでも、傷つけない術を学ぶためにこの学校に来たのだから、頑張ろう。

 

 

そう自分に言い聞かせて足取り重く更衣室へ向かった。

 

 

 

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