二人のヒーローが死神の世界に現れました   作:落雷氷華

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本当に八番隊どうしよう…


ヒーロー、挨拶するin六番隊

「…………なぁ、今までと違くね?」

「金持ちなんじゃねェの…」

上条と一方通行はとある屋敷に来ていた

と言っても、六番隊隊長、朽木百哉に会うためである

「ここって六番隊の…」

「…いや、違うと思うぞ。多分ここはあの男の家じゃねェか?」

「家⁉︎もしかして偉い人⁉︎」

「隊長なンだから偉くて当然だろォ…」

呆れる一方通行

あ、そうかと上条は理解した

「……入って」

「入るぞォ」

「躊躇なく入った⁉︎さすがLevel5…」

一方通行はズカズカと入ったので上条も後を追う事にした

 

 

 

「…………あの〜」

「……………………」

「……………………」

部屋は静まり返っていた

上条の声が虚しく響く

そして上条は思った

(何でこうなったのォォおおおおお⁉︎)

いや、叫んだ

 

あの後、確かに部屋に案内されたが

「………上条当麻と一方通行か」

「ここの連中は何で来ることが分かるンだよ…」

「霊力で分かる」

百哉は二人の方を見ず、「座れ」と指示した

そして座敷に上条は正座だが一方通行は足を崩して座っていた

問題はここからだ

 

「…………………」

「…………………」

「…………………」

 

誰も喋らない

コツコツコツコツと時間が進んでゆく

上条はチラッチラッと百哉と一方通行を交互に見るが

一方通行は

「…………………」

睨み

百哉は

「…………………」

静かに目を閉じてピクリとも動かない

そしてあのシーンに移る

 

 

「お、お二人さん?何で一言も喋らないのかな?上条さんもう気迫に押されそうなんだけど…」

「……………」

「……………」

「一方通行兎に角睨むのをやめよう。うん、やめてそれ俺に向けられているようで怖いから」

「…………………」

「何でこっち見たの⁉︎え、何、もしかしてうぜェなとか思ってる?ねぇ思ってるよな?」

「ああ」

「何でだよォォおおおおおおおおお‼︎上条さん被害者ァァああああああああああああああああああ‼︎」

ついには上条は叫んでしまった

それを一方通行はやはりうぜェと言いそうな顔で顔を顰めていた

一方の百哉というと

「………………………」

まだ目を閉じていた

誰か来てくれと本気で願った上条だった

 

と、タイミングが合うかのように

「失礼します。隊長……」

いかにも不良な阿散井恋次がきた

「来たと思ったら怖そうな人来た⁉︎」

「初対面で失礼な事言うよなお前⁉︎」

「何?上条さんにはもうやられろという思念しかないのか?そうか神なんてくそォォおおおおおおおおお‼︎」

「お前は何に悩んでんだよ⁉︎」

恋次が何故か悲しんでいる上条の事が理解出来ない

一方の一方通行と百哉はというと

 

「………あれはいつもなのか?」

「ああ、あいつが言うに不幸体質らしいからなァ」

いつの間にか和んでいた

「……コーヒー飲みてェ」

「コーヒーならあるが?」

「ンだァ?ブラックか?」

「ブラックもあるぞ」

「じゃあくれ」

そしてブラックコーヒーを受け取った一方通行

和んでいた

一方の上条と恋次はというと

 

「もう上条さんは慣れましたことよ…いつも不良に追いかけられてビリビリに追いかけられて空き缶踏んで滑って財布どっか無くして自販機に二千円呑まれて暴食シスターに食費全部持ってかれてもう上条の人生はわかったことだけど不幸しかないんだああ慣れたのになんでこんなに悲しくなるんだろやっぱり今改めて知ると悲しくなるなもう俺の人生不幸だぁ」

「お、おい?お前なんかネガティブになってないか?そんで内容なんか地味に不幸なんだが」

「ええ地味でも不幸なんですよ上条さんの人生はもう不幸万歳なんですよ」

「そんなマイナス思考になるなよ。きっと幸運が訪れるって」

「訪れても上条さんは不幸から逃れられないんです‼︎幸運あること不幸あるなんです‼︎神のご加護も消しちまうこの右手のせいで幸運が訪れないのです‼︎」

「ご加護だぁ⁉︎なんだよその右手‼︎反則じゃねぇか‼︎」

「ご加護に食いついてくれえありがとうだけどそれのせいで不幸が訪れるんだよォォおおおおおおおおお‼︎」

マシンガントークが行われていた

「………聞くと惨めな内容だが」

「俺は慣れた」

ズズッとコーヒーを口に含む一方通行だった

 

 

「てかお前らなんで和解してんの⁉︎」

「今気付いたのかよ…」

「あ、隊長。書類が」

「わかった。少し待て」

漸く落ち着いた上条

一方通行はコーヒーを飲み干していた

そして恋次も同席した

 

 

「さて、兄の名を改めて聞こう。恋次も知らない事だしな」

「……めんどくせェ…」

「そう言うなよ。俺は上条当麻、こっちが一方通行だ」

「阿散井恋次だ」

そしてお互い自己紹介をして、何か話そうとした時

「びゃっくーん‼︎お菓子ちょーだい‼︎」

幼いピンク髪の女の子が訪れた

「…………これを持っていくがよい」

そして百哉が出したのは

「………キャラクター?」

(似合わねェ…)

一方通行の言う通り百哉とは全然イメージが違う何かのキャラクターのクッキーだった

そして女の子はそれを見て

「えー何これーいらなーい‼︎」

と言って去って行った

 

 

テンテンテンと静まり返った

そして百哉は暫し無言

そして鞘に手をかけ…

「え、ちょっと待ってなんで上条さんに向けてんの?ちょっと百哉さ」

「散れ 千本桜」

「どわァァああああああああああああああああああああ‼︎不幸だァァああああああああああああああああああああ‼︎」

よっぽど悲しかったのか、はたまた上条のせいなのかわからないが、上条はガードはしたものの隣の部屋に突っ込んでしまった

そして一方通行と恋次は心の中で一致した

(そんなに悔しかったんですね…)(ンだなァ…)

そして何故かスッキリした百哉であった




第15話エンド

「ここまで読んでくれたやつなら原因は分かるかも知れねェ。まぁ三下は都合で出れなくなったから俺が代わりに紹介する。今回はこいつだ」

朽木百哉

「四大貴族『朽木家』の現当及び六番隊隊長にして…ルキアっつったか?まぁそいつの義兄だ。プライドが高く、冷静沈着で滅多に感情を表に出さない男だァ。後呼び捨てが嫌いらしい」

「斬魄刀は『千本桜』。能力解放と共に刀身が目に見えない程の無数の刃に分裂し、対象を切り刻む。通常の刀として使う事ができなくなり、防御が手薄になる。現に俺も突破したからなァ」

「解号は『散れ 千本桜』だ」

「………まだ気絶してやがンのかァ?チッ。次は七番隊だァ」

次回「ヒーロー、挨拶するin七番隊」

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