二人のヒーローが死神の世界に現れました   作:落雷氷華

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前回

ヒーロー、重傷を負う
ヒーロー、意識を失う


ヒーロー、知る

「いっ…」

上条は痛みによって目が覚めた

だがさっきの痛みと比べるとあまり痛くなかった

上条は起き上がる

今自分がいるところは、地下みたいな所だった

そして自分の体を見ると、包帯がまかれていた

「………誰が…」

上条は横を見る

そこには一方通行が寝かされていた

だがこちらも包帯が巻かれていた

「‼︎一方通行‼︎」

上条は一方通行の側に行く

スゥ…と、安定した寝息を立てている

それを聞いて上条は安心した

どうやら一方通行は大丈夫そうだ

 

上条は立ち上がり、周りを探索しようとした

そんな時だった

ドンと誰かにぶつかった

「あ、わりぃ…」

上条は顔を見ると、ひ弱そうな少年が青ざめた顔で上条を見つめていた

「……………えーと」

「わぁぁ‼︎ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい‼︎」

上条は早速混乱した

え、俺何かやった⁉︎という顔でアワアワとしていた

「ちょちょちょ‼︎そんなに謝らなくても‼︎」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい‼︎」

だが止まらず、ついに土下座をかました

「〜〜〜〜〜〜だーーー‼︎だから大丈夫だって‼︎」

上条はつい大声で叫んだ

すると少年は止まり、改めて上条の顔を見る

そして上条も少年の顔を見る

 

ジーと見つめ合い、やがて

「おはようございます」

「あ、おはようございます……って何で⁉︎」

落ち着いたのであった

 

「いやー目を覚まして良かったですよ‼︎もう傷が酷かったんですから〜」

「そ、そうか…」

「だよなー。特にあの白い奴は酷かったぜ‼︎もう死んでもいいじゃないか位に‼︎」

何か一人混じっているが

「…………ってお前誰だよ‼︎」

「んだぁ⁉︎命の恩人に向かってそれは⁉︎」

「ちょちょっと〜岩鷲さーん〜‼︎」

どうやらまだ落ち着いてないそうだ

 

「おいお前…あ‼︎お前目が覚めたのか‼︎」

途中来たあのオレンジ髪に助けられた

 

「えーコホン、では改めて、俺は黒崎一護だ」

オレンジ髪の男が黒崎一護

「俺は志波岩鷲だ‼︎」

途中混じったのが志波岩鷲

「僕は山田花太郎です」

ひ弱そうな少年が山田花太郎

この三人が上条と一方通行の命を救った者達だ

「あ、…俺は上条当麻だ。ありがとな」

上条は礼を言うのを忘れ、今言った

「いえ、良いんですよ〜。ちょっと苦労しましたけど…」

「苦労したのかしたんだな」

「男二人を運ぶのは別に大した事はねぇ。だが一番大変だったのは治療だったんだよ」

上条は?を浮かべた

そんなに酷かったのか?と

花太郎はポリポリと頰をかき

「はい……あの白い方は酷い怪我だったので治療するのに少し手間取って…そして上条さんは何かに妨害されてるみたいに治療が出来なかったんです」

ここまで言われて上条は理解した

恐らく花太郎は何らかの力を使って上条達を治療していたのだろう

一方通行は大丈夫だが、上条は困難だった

それは

「だから兎に角血を止めなきゃって事に夢中で…」

「あー…俺心当たりあるわ」

え⁉︎と、三人の言葉が合わさった

「多分花太郎は、何か異能の力を使おうとしてたんだろ?」

「異能の力…?霊力の事でしょうか…」

「んーそれだな。俺の右手には”幻想殺し〈イマジンブレイカー〉”っていう力があるんだ」

「幻想殺し…?」

一護が聞き返した

「あぁ、この力は、異能の力を消す事が出来る」

「はぁ⁉︎」

そして一護が驚いた

「じ、じゃあ‼︎あいつの力が消えたのも‼︎」

「あいつって…あの恐い奴か?そうだよ。それも俺の力だ」

一護と他二人はポカーンとした

「さ、最強じゃねぇかよ」

岩鷲がポツリと零した

「いや、違うよ」

それを上条が即座に否定した

「え、何でだよ。その力があれば…」

「あくまで範囲は”右手”だけだ。それ以外は普通の人間だよ」

それに、と上条は付け加えた

「この力は、神の保護さえも消し去る」

「か、神⁉︎」

また三人の言葉が被った

「それで、上条さんは不幸体質になってしまったのですよ」

はぁ…と溜息する上条

「…大変だったんだな」

「…大変だったんですよ」

一護に励まされる

逆に惨めになると、上条は思った

「…さて」

上条はふぅと息を吐いた

そして三人を見る

「次は俺たちの番だ。ここは何処なんだ?それで、あいつらは誰なんだ?」

真剣な表情で三人を見る

その反応に

 

 

三人は目を丸くした

「………え?」

「え?」

何故か真剣になった自分が恥ずかしくなってきたと上条は思った

「ソ、尺魂界を知らないでここに来たんですか⁉︎」

 

 

「知らね」

 

 

そして教えてもらった

尺魂界の事を

死神の事を

「________以上です」

「________天国?」

天国という言葉に上条はワナワナし

そして立ち上がり

「ふぶっ⁉︎」

花太郎を殴った

「⁉︎」

それに驚く一護と岩鷲

「え⁉︎いきなり何を________」

「うるせぇ‼︎ここが天国⁉︎俺は認めねぇぞ‼︎俺はまだ死んでねぇ‼︎」

「お前が死んでないから追われてるんじゃないのか⁉︎」

「じゃあ何で岩鷲は追われてるんだよ‼︎」

「俺は無断で入ったからだよ‼︎それとこいつらの協力ぅ‼︎」

「俺らも無断で入ったわぁ‼︎」

ギャーギャー‼︎と騒ぐ四人

 

そんな時に

「うるせェな……」

「‼︎一方通行⁉︎」

一方通行が目覚めた

ポリポリと髪をかいている

「お、お前大丈夫なのか⁉︎」

「お前に心配される義理はねェ」

「何で⁉︎」

一方通行は眠たい目で三人を見つめ

「誰だ?」

と言った

 

そしてまた自己紹介

「…一方通行」

「一方通行?本名なのか?」

「……本名は忘れた」

「……悪りぃ」

何故か暗くなってしまった

ちなみにこの世界は説明しました

「で?オレンジと馬鹿とガキは何の目的で行動してるんだ?」

「オレンジ⁉︎何で⁉︎」

「馬鹿って何だよ‼︎」

「うるせェな。俺がどう呼んでも勝手だろォ…」

まだ眠たいのか、眠そうな顔で三人を見つめる

「……仲間を助けに来たんだ」

「仲間?」

上条の顔が険しくなる

「あぁ、捉えられている。そいつが、処刑されちまうんだ…」

「処刑⁉︎」

上条が驚く

一方通行の顔が険しくなる

「な、なら早く行かねぇと…‼︎」

「…そうだ、ゆっくりはしてられねぇ」

「じゃあ何でそんな…‼︎」

「処刑されるのは今日じゃねぇんだ。でも、やっぱり行かなきゃ…」

一護は立ち上がった

「お前らはどうする。ここにいるか?」

岩鷲と花太郎も立ち上がり、一護が二人に聞く

「……いや、もう少しここにいたら移動するよ」

「け、怪我が酷いんですよ〜?安静にした方が…」

「いや、三下の言う通りだァ」

一方通行が遮るように言った

「俺たちは、この世界に関しちゃあまだ無知だ。だからもっとこの世界を知らなきゃならねェ」

「………そういう事だ」

一護と花太郎は心配そうな顔をしたが

「……分かった。俺たちは先に行くぜ」

「この道を真っ直ぐ通れば出口があるので、お気をつけて」

そして三人は去っていった

 

 

 

「…………さて、体を休め…?」

上条は一方通行がおかしい事に気付いた

ずっとチョーカーを弄っている

「一方通行、どうしたんだ?」

上条は一方通行に聞いたが

「…………いや、何でもねェ」

何でもないと返された

 

 

(……回復されている…?何故だ。あの時確かに…)

一方通行は考えていた

あの時、確かに切れたバッテリー

だが、それが”回復している”

(……一分…か。充分だ)

たったの一分

だが一方通行にとっては充分だった

何故回復しているのか分からないが、今はそんな事を考えている時ではないと判断した

 

(………)

 

一方通行は、これから何が起こるか分からないので、温存する事に決めた

そう、備えて________

 

「……ん?一方通行?」

上条が一方通行の方を見ると、スゥ…と、寝息が聞こえた

すると、一方通行が寝ている事が分かった

「………じゃ、俺も寝るかな」

上条も仮眠を取る事にした

 

二人が寝ている間に、外が大変な事になっているなど、二人は知る由もなかった




第4話エンド

次回「ヒーロー、巻き込まれる」

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