二人のヒーローが死神の世界に現れました   作:落雷氷華

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前回

ヒーロー、勘違いされる

※12月7日誤字&入れ替え修正


ヒーロー、刺される

「貴様ら…ルキアを助けに来た者ではないな」

上条と一方通行は戦闘態勢を取っていた

理由は、相手___朽木白哉が敵意を剥き出しで睨んでいるからである

だが白哉の言い分も最もである

上条と一方通行はルキアを助けに来たのではない

知らぬ間にここにおり、何かあると思ってここに来たのだから

「………それがどうしたァ」

一方通行は聞き返した

白哉はさらに睨みを効かせ

「………なら、排除させてもらう」

刀を上条達に向けた

 

「散れ、千本桜」

 

数枚もの花弁が上条と一方通行を襲う

「⁉︎くっ‼︎」

上条は右手を翳し、それを防いだ

「……ッ‼︎」

一方通行はいつの間にか電源を入れ、反射した

「‼︎ほう…」

白哉は少し驚いたが、直ぐに冷静になり

「行け」

桜の花弁に命じた

「くそっ‼︎」

上条は右手で防ぐが、数が数で上条に少し受けてしまう

「……なるほど」

だが一方通行は違った

桜の花弁を反射で除けながら、一気に白哉の懐に飛ぶ

(‼︎⁉︎速い…⁉︎)

「どうやら」

一方通行は右手を白哉に向ける

 

殺人の手を

 

「幾ら強力でもスキはあるンだなァ」

 

白哉は一方通行の右手に、ゾワリ‼︎と何かを感じた

あれに当たっては駄目だ

あれに当たっては

 

 

”死ぬ”

 

白哉は瞬歩を使い、一方通行と距離を取る

「‼︎チッ…」

一方通行は舌打ちし、白哉を睨む

「………‼︎」

白哉が千本桜に命じようとした

 

その時だった

「止めろ‼︎」

第三者から声がかけられた

お互いに動きを止める

一方通行と白哉の間には

 

一護が立っていた

「終わりだ‼︎一方通行はルキアに危害を加えねぇ。だから止めろ‼︎」

白哉は暫く睨んでいたが、やがて刀を仕舞い

「……………」

睨みながら去っていった

 

「いやー…助かったよ黒崎」

「…いや、俺は…」

「チッ」

一方通行が不機嫌そうに舌打ちした

もしや、強者とやりたかったのか?

一方通行は電源を切り、丘の先まで行った

「……ここが、尺魂界」

尺魂界を見渡す一方通行

ここの丘___双極の丘の先で、そよそよと風が一方通行に当たる

 

暫く一方通行は眺めていた

「一方通行」

一方通行が振り返ると、上条がいた

「……あ?あのオレンジは」

「黒崎なら花太郎に治療中」

あそこと上条が指差した所に、正確には少し離れた所に一護が治療されているのが分かった

いや、もっと正確に言えば階段だが

「……何で階段で」

「さぁ」

ハハッと笑う上条

一方通行はハァ…と溜息をした

「で、何してたんだ?」

「……眺めていた。この世界を」

上条も前を見る

少し壊されているが、ここから見れば綺麗なものだった

「………へぇ…」

「………………」

一方通行は密かに思い出していた

 

『ずっと一緒にいたいよってミサカはミサカはお願いしてみる』

 

あの少女の事を

「……………なぁ三下」

一方通行は不意に上条に聞いてしまった

「ん?」

 

 

 

「俺たちは死んでないよなァ?」

 

 

「あったり前だろ‼︎」

 

上条は二カッと笑った

ずっと気になっていた

上条と一方通行は死んだのかを

だが死んでいないと、一方通行は心そこから安心した

 

絶対戻ってやると決意した

 

 

 

その時だった

 

 

「残念やなぁ、君らはここで死ぬのになぁ」

 

ズザッ‼︎と、一方通行の体が何かに襲われた

一方通行は何が起こったのか分からなかった

ゆっくりと、自分の下を見る

 

 

一方通行は混乱した

何故刀の刃先が見える

何故

 

自分の体は血で濡れている?

 

理解した時は遅かった

ズボッと刀が抜かれる

一方通行は力無く倒れた

上条は目を見開いた

ドクドクと、血が何滴も下に滴り落ちる

一方通行は死人のように動かない

「……ぁ……ぁ…」

 

 

 

 

 

「一方通行ァァああああああああああああああああああ‼︎」

 

 

 

 




第6話エンド

次回「ヒーロー、激怒」

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