二人のヒーローが死神の世界に現れました   作:落雷氷華

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前回

ヒーロー、刺された
ヒーロー、瀕死

※オリジナル展開あり


ヒーロー、激怒

「一方通行ァァああああああああああああああ‼︎」

 

上条の叫びが響く

血だまりの中でピクリとも動かない一方通行

恐らく急所が当たったのか、それとも_____

上条は最悪な結末を想像してしまった

このままでは_____

 

「ん?後は君だけぇ?」

上条の背後から声がした

上条はゆっくりと後ろを見る

そこには、狐のような目をした男が立っていた

「いやぁ楽で良かったわぁ。なんやら君ら変な力使う聞いて警戒しとったけど…楽に出来て良かったわぁ」

その言葉に上条の奥底から煮え滾る何かが流れ込んできた

ギュと、右拳を力強く握る

「……ぉ……ぇ…」

「ん?」

 

 

 

「お前がァァああああああああああああああああああ‼︎」

 

黒崎一護は驚愕していた

叫びが聞こえ、丘に戻ってみると、一方通行が血だらけで倒れていたのだ

「一方通行⁉︎」

一護は痛む体に鞭を入れ、一方通行の元へ行った

抱き上げると、ヒュー、ヒューとか細い息をしている

(まだ生きてる…‼︎)

一護はそう確信し、井上織姫の元へ向かう

その間に、一護はチラリと横を見る

そこには、怒りに身を任せた上条と、それをニヤけるようにかわす市丸ギンの姿があった

(__________一方通行は任せろ‼︎)

一護はそう心に言い、井上の元へ向かう

 

 

「困るなぁ。その子を治すのは」

一護の背後から声がした

一護が振り返る前に

 

ズバァ‼︎と、斬られた

「……ぁ……」

一護は倒れこむ

一方通行は転がるように倒れこむ

「‼︎あ…何故…⁉︎」

遠くにいたルキアと花太郎が驚きの顔に包まれていた

「朽木さん‼︎彼が何者かしっているのか⁉︎」

石田雨竜がルキアに聞いた

 

「あの人は…護天十三隊第五番隊隊長…藍染惣右介隊長だ…‼︎」

一護を斬ったものは

 

不敵な笑みをした藍染惣右介だった

 

 

「うわァァああああああああああああああああああ‼︎」

上条は冷静ではなかった

怒りに身を任せて殴る

だがそれはかわされている

「ん〜…怒りに任せてもなんもないで?……って聞いてへんか」

上条が今何も聞いてない事に気づいた市丸ギン

「ん〜……しゃあない」

ギンは小刀を構え

 

 

 

「射殺せ、神槍」

 

突如

ズバァ‼︎と刀が伸び

それは上条の横腹に向かっていく

そして、上条はそれをまともに受けた

「ガッ……ゴホッ‼︎」

上条は踏ん張る

フー‼︎フー‼︎と荒い息をしながら

「あー……言い忘れてたけど」

ギンは刀を戻し、こう言った

 

「寝とった方がええで。”死ぬから”」

 

直後

上条の体が膝から崩れ落ちた

「ぁ……ガァ…⁉︎」

ピクピクと震える指

脇腹に右手を当てるが、何もない

つまりこれは異能の力ではない

「……ッぐ…」

「おー怖い怖い。そんな睨まんで欲しいなぁ」

ギンは完全に仕舞った所で藍染の方を向く

「藍染隊長ぉ。これでよろしいんですかぁ?」

「ああ。よくやったよギン。後は……”崩玉”のみ」

藍染惣右介は進んでいく

正確には、ルキアの元へ

「ギン、彼らを頼む」

「はいはい」

ギンは上条に近づき、抱き上げる

もはや上条は意識を失いかけていた

だから抵抗も出来ない

 

藍染はルキアの前に出る井上織姫、石田雨竜、そして茶渡安虎を退けた

いや、正確には第六番隊隊長、東仙要からの攻撃だった

「ガッ⁉︎」「キャア‼︎」「うっ‼︎」

花太郎はビクビクして何も出来ない

ルキアはズルズルと後方に下がる

「な……あ……」

「大丈夫だ。痛くはない」

藍染はルキアの首を持ち上げた

「ぅ……‼︎ガァ…‼︎」

ルキアが抵抗する

だが何も出来ない

「…………ッ‼︎」

藍染が何かをしようとした

 

 

その時

 

ギィン‼︎と、藍染の体が吹っ飛ばされた

「⁉︎」

これには藍染も驚いた

ルキアはドサッと尻餅をつき、助けてくれた顔を見る

その相手とは

 

 

「ハァ…‼︎ハァ…‼︎」

先程まで瀕死だった一方通行だった

一方通行は斬られた所を抑えている

藍染は笑みを崩さず、尚且つ怒り口調でギンに尋ねた

「ギン、これはどういう事だ?」

「おかしいですね〜。急所は当てた筈なんやけどなぁ」

ギンは予想外のような顔をしたような気がした

「ハァ…‼︎ハァ…‼︎くっ…ハァ…ハァ…‼︎」

倒れそうな体を踏ん張る一方通行

恐らく瀕死の状態まで行っているのに、何故倒れないか

それは、彼の能力について注目してほしい

彼の能力は”ベクトル変換”

あらゆるベクトル(向き)を自由自在に操る能力

この力があれば、血流操作や体のベクトルを操る事が出来る

一方通行はそれを利用したのだ

ドクドクと流れている血を、血流操作で操り、何とか血を止めている状態だ

だがこれはあくまで応急処置

集中が途切れば血が再度流れ出す

だから一方通行は決めた

残り少ないバッテリー

それが無くなる前に

 

(…終わらせるッ‼︎)

一方通行はベクトルを操り、まずはギンに近づいた

「⁉︎」

ギンは僅かに反応が遅れた

そしてギン……ではなく上条を掴む

「なっ⁉︎」

ギンの力が緩み、上条の体は難なく引き剥がされた

一方通行は仕方がないという顔で上条を投げた

正確にはルキアの元へ

「⁉︎くっ‼︎」

ルキアに直撃してしまったが、一方通行はそれどころではない

ベクトルを操り、藍染を狙う

「ッ‼︎」

藍染は刀を構え、防御体制に入った

ドンドン‼︎と、一方通行の攻撃は防がれる

「チッ‼︎」

一方通行は高く飛び上がり、上から狙う

ドゴォン‼︎と音を立て、砂埃が舞った

(…どうだ…?)

一方通行は大体ダメージは与えたであろうと確信した

だが

 

「やれやれ、服が汚れてしまった」

藍染は傷一つなく、ただ服が汚れただけだった

「な、なン…だとォ…?」

「ん?もう終わりかい?なら…」

 

スゥと、一方通行の背後にはいつの間にか藍染が回り込んでいた

「お返しと行こうか」

ズドォン‼︎と音を立て、また砂埃が舞った

 

砂埃が去った後は、クォーターが出来ており

その中心には、傷だらけの一方通行が倒れ込んでいた

そして同時に

ピーッ‼︎と、一方通行の電極から鳴ったものだった

それはバッテリー切れを表すもの

つまり、一方通行は能力がもう使えなくなった

(……あァ………終わりかァ……)

一方通行は静かに思うのだった

「……ふむ、彼も中々だ」

「どうします?」

「彼も、連れて行こうか。」

そして藍染はまたルキアに近づいた

「ぁ……来るな…ッ‼︎」

ルキアは今上条を抱いている

藍染は上条の方をチラリと見て、ルキアの首を掴んだ

「さて、崩玉を取り出そうとしよう」

そして藍染はその手を

 

 

ズザリと、ルキアの向き胸に突き刺した

「ぁ……ガァ⁉︎」

ルキアは呻き、藍染が手を抜いた所でルキアは倒れ込んだ

そして藍染の手には、一つの玉が握られていた

「これが崩玉……ッ‼︎」

藍染はそれを暫し眺め、懐に仕舞った

「ギン、彼らを」

「了解」

ギンは上条と一方通行を連れて行こうとした

 

 

その時

 

 

「動くな」

藍染の首元に、一つの刃先が伸びていた

それは、四楓院夜一からだった

そしてその隣では、砕蜂が刀を向けていた

さらにその先では、ギンは松本乱菊に捕まれていた

東仙は狛村に捕まれていた

そして周りは、護天十三隊がいつの間にかいた

「一歩でも動いたらこの刃がお前の首を切り裂く」

夜一は刃先を藍染の首に近づける

「………………少し」

藍染は静かに言う

 

 

「遅かったな」

 

直後

黄色い柱が藍染とギンと東仙を囲んだ

「⁉︎」

夜一と砕蜂、乱菊と狛村は一斉に離れる

藍染達の体は浮き上がる。天へと

その天の先は

 

「……⁉︎メノスグランデ⁉︎」

メノスグランデが大量にいた

うじゃうじゃと気持ち悪い程にいるメノスグランデ

「……彼らを手に入れれなかったのは惜しかったが、まぁいい」

藍染は眼鏡を捨てた

「私は、私の世界を作る」

 

 

 

 

 

「私は天に立つ」

藍染はそう言い、藍染、ギン、東仙はメノスグランデと共に消え去った

 

 

 

 

そして、落ち着いた護天十三隊はまず治療を開始した

 

特に酷い上条と一方通行の治療を最優先にしながら_____




第7話エンド

次回「ヒーロー、死神にお世話になる」

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