ウチの姉ちゃんと幼馴染、何とは言わんがデカい 作:himahy
受験がOWWARIMASITTTA!!!お待たせしました!!
今回、いつもより長いのと後半は少しコハルとの会話が多いのがアレですが……それでも良いと言う方のみご照覧あれい!
今日の補習授業部は休みだ、かといって俺自身の業務も休んで良い訳ではない、補習授業部は合宿所から出る事を禁止されているし、結局の所何もすることがない。
それはそうと、俺は体と心の調子が悪い様だ……原因は定かではない、一つあると言えば昔の夢を良く見る様になった、昔というのは。聖園家に居た頃の淡い夢。
あの2人以外誰1人として手を差し伸べてくれなかった、古い傷の様な思い出。
「まぁ今となっては、全然気にしてないけど……ん?」
机の上に置いてあったスマホに光が灯った、モモトークのメッセージがきた音、相手はハナコだった。
『こんにちは、カナタ君?業務で忙しい中に申し訳ないのですが、少し私たちの部屋に来てくれませんか。』
『面倒くさいって言ったら?』
『コハルちゃんが泣きますよ?』
『別にどうでも……いや、やっぱ行くわ。』
ポケットにスマホをしまい、ハナコ達の居る部屋に向かった。
ガチャリと扉を開けると、部屋に居たのはハナコとコハルと先生だけだった、「あれ?ヒフミとアズサは?」と思ったが、「どうせ居てもアズサは存在しない記憶発生させるからまぁ良いか。」という結論に至った。
「あら、来ましたね?」
「何が来ましたね?ですか、こちとら業務で忙し」
"やぁカナタ、こんにちは"
「アンタこんなところで何してるんですか。」
何で少女4人と大人1人の構成で部屋に居るんだよ、今すぐにでもA◯の展開になりそうなんだけど、ごめんね僕ハーレムじゃなくて百合しか認めないんだ。
それはそうと先生、休みだろうと関係ねぇから仕事しろよ。
「それで、僕に何か用ですか?コハルが泣くのは全然良いんですけど」
「……!?」
「あら、そうですか?……てっきり、コハルちゃんが泣くのが嫌で……」
「……別に、ただみんなの様子が気になっただけ、本当に何か用ですか?」
これでもし用が無いとか言われたら、ワンチャン黒◯をぶち込んでしまうかもしれない、先生に。
「それがですね……コハルちゃんが、カナタ君と一緒に夜のお遊びをしたいと……♡」
「……え、マジ?」
「ちが!?ち、違うに決まってるでしょ!!」
『夜のお遊び』と言うワードが聞こえてきたので、大きく目を見開いてコハルを見てしまった、当の本人には否定されてしまったんですがね、そもそも夜のお遊びって何なのだろうか?
と言うか、冗談とわかっているとは言え、そんなに必死に否定されるのはちょっぴりとだけ悲しい気持ちになってしまう自分が居た。
ガチャリと、後ろの扉が音を立てて開いた。
「あれ、カナタ君?ここにいたんですね!…一体、どこに行ってたんですか?」
「ん…あぁ、2人とも」
そうこうしているうちに、ヒフミとアズサの2人が帰ってきた様だ。
「心配したぞカナタ、水着パーティの時に探しても居なかったから。敵襲にあったのかと思った。」
「あはは……心配をかけてすみません、アズサ──……」
いつも通り申し訳なさそうに言おうとすると、"ばにばに顔"そう表現した方が良い様な謎の表情がアズサから飛んできて、思わず息を呑んでしまった。
「……お、お姉ちゃん」
「うん、流石は私の弟だ。」
バニバニ顔から満足げな表情に変化したアズサは、身長差があるにも関わらず、背伸びをして俺の頭に手を伸ばしてきた。あんまり俺なんかの為に無理しなくて良いのに。
「せっかくの休みだと言うのに、水着パーティのみで終わってしまっては、少し寂しくはありませんか?」
「休みって何もせずに頭や体を休む為に存在してるんですよ?そもそも水着パーティには僕参加してませんし。」
「具体的には?」
ちょいちょいアズサ?なんか少しだけ乗り気になってないか?……ハナコの事だから、碌な事を考えないだろうと言うのに。
「うふふっ♡合宿と言えば、合宿所を抜け出す事……それも一つの醍醐味だと思いませんか?」
「……え?」
ハナコのする事が何となく察して、先生に目配りをすると、『好きにさせたらどうかな?』と言う表情をしていた、あの教師は何故生徒の校則違反を止めないのだ。
「さぁ♡早く準備してください、夜の商店街に散歩と行きましょうではありませんか!」
「トリニティの商店街は夜遅くまで営業している店が多いですし、食べ歩きとかショッピングもできます!」
「……本来なら校則違反なんですが。」
「そ、そんなの校則違反じゃん!ダメ!」
「細かい校則は知りませんが、結構みなさんこっそりやってると思いますよ?ね、ヒフミちゃん?」
そう言って、ハナコはヒフミの方に首を傾げた。当のヒフミは「あ、あはは…そ、そう、そうですね……?」と声を出していた、嘘だよな自称平凡なヒフミ?
「で、ですが、普段であればまだしも……今は補習授業部の合宿中ですし。良いんでしょうか?」
「ダメに決まっているでしょう、ヒフミさ」
「……カナタ君」
「……ん?」
ツンツンと、ハナコが俺の肩を小突くと、チェーンバックからある一つの雑誌を取り出した。
「───なっ…!?」
「……ふふっ」
『トリニティのお姫様───
そのリアルに迫る……!!』
───ミカ姉ちゃんの、雑誌……だと!?
「……ハナコ、こんなものを一体どこで…」
「うふふっ……お友達の方に譲っていただいたんです。それで、カナタ君?」
ハナコは雑誌を両手でブランコの様に揺らすと、これはまた不適な笑みを浮かべた。
「も・し・も、カナタ君が私達に同行していただけるのならば……この雑誌を、お譲りいたしますよ?」
「……………」
今の俺の脳内には、まるで天秤の様に動いている思いが二つあった『欲しい!欲しい!めちゃくちゃ欲しいぃぃぃぃぃ!!!』と言う気持ちと『ナギサさんから頼まれた補佐だぞ、もう少しきちんとやらなければ!』と言う気持ちだった。
確かにミカ姉ちゃんの雑誌は魅力的だ、恐らく私生活のありとあらゆるところまで描写されているだろう……だがしかし、この程度で折れる俺では無いのだ!ミカ姉ちゃんの生活なんて間近で見てきたし、今更そんなのを見ても。
「あぁ、言い忘れていました、もう一つだけ。この雑誌の内容は、桐藤ナギサさんの私生活を示し───」
サッと雑誌を手に取ると、俺は颯爽と玄関へ向かった。
「…………は、ハナコちゃん?」
「うふふっ♡皆さま、分かりましたか?アレが、『聖園カナタの倒し方』です」
「流石はハナコだ、私も今度何かあったら実践してみるとしよう」
「…………」
"……とりあえず、着いて行こっか?"
合宿所までの道を降りて商店街へと向かうと、夜だと言うのに未だに営業しているお店の方が多かった。流石はトリニティと言うべきなのだろうか。
「……くぅぅぅ…」
本の形をしたエコバッグを抱き締め、俺は前を歩いた。
「あはは…来ちゃいましたね」
「どうですか?もうすでに楽しくはありませんか?禁じられた行為をしていると言う背徳感、あの聖園カナタを敗北させた快感、そして同時にみんなで一緒にしているからこその安心感!この二つが合わさって……!」
「なるほど、深夜の街はこんな感じなのか……思ったより活気がある。」
「そうなんですよ、24時間営業のお店も多いし」
手を口に添えて「ふふっ」と笑みを残した後、ハナコは少し前方にいるカナタの方を見つめた。
「それにカナタ君、何だか楽しそうじゃありませんか?」
「よっぽど、ハナコちゃんの渡したものが嬉しかったのでしょうか?」
「それもありそうですが……カナタ君は最近疲れていたので、久々にリラックスできる気持ちの方が多いのでは無いでしょうか?」
"そう思えば、カナタは最近ずっと頑張ってたからね"
四方一丁の方面を見つめると、喫茶店やスイーツショップが並んでいた、久しぶりに外に出られた補習授業部の面々は、その光景を食後のデザートの様に堪能していた。
そして暫くの間、全員で話を弾ませながら歩いていた……その時、アズサが食の話をした事で全員で何かを食べようと言う話になり、スイーツショップに入店した。
チャリンチャリンと、古くさい鈴の音が店内に鳴った。
「あはは、深夜にみんなでスイーツ屋さんだなんて……何だかすごくワクワクしますね」
「………何これ」
ふとカナタが声と共に指を刺したのは、『アイスクリーム、バニラ味』と書かれたカップアイスと書かれているレプリカだった。
「何って、カップアイスですよ?カナタ君」
「カップアイス?何だそれ?」
「え……もしかして、カナタ君。カップアイスを知らないんですか?!」
「あ、あぁ……悪いな。」
カナタが興味深そうにカップアイスのレプリカを見つめるのを横目に、補習授業部の面々はカナタが本当にカップアイスを知らないのだと理解し、少し驚きを隠せない様子だった。
後々調べた情報によると、アイスカップというのは主にアイスを載せる物の事を言うらしい、アイスというのは聞いたことはあるが、そんな物があるとは驚きだ。
メニューを手に取り開いてみれば、みんなとは違い俺からすれば古代文明の様な物ばかりだった。
「……あら?せ、先生?」
背後から聞き覚えのある声がして、一斉に振り向いた。戦慄するほどのデカπ、そして体の大きさを誇張とする様な羽を持つ1人の少女……。
「は、ハスミ先輩!?」
「あら、それが限定パフェですか?何やらたくさん……」
「ハスミ副委員長、深夜に限定パフェを3つだなんて……。」
パフェを3つ前にして、何やら美味しそうに食べているハスミ副委員長の姿があり、少しだけ察した。
「先生、それに補習授業部の皆さん………と、貴方は…」
「僕は『補習授業部の皆さん』に入れられていないんですかね……?これでも、一応補佐をやらせてもらっているのですが」
「あぁ、失礼致しました……聖園カナタさん」
おや、まさかの俺の事をフルネームで覚えていたのか?そりゃそうか、一年生で正義実現委員会の副委員長とガチでバトれるのとか考えても俺だけだし、その正実に短期加入も勧められてるし。
「あ、あぁあぁぁぁぁ……」
「ハスミさん、奇遇ですね♡あら、真夜中にパフェを三つも……心中お察し致します、自らの欲望に耐えきれずに、つい食べてしまったのですね?」
"夜中ってよくお腹が空くよね、分かるよ"
「せ、先生……こほん、その、自分の事を棚に上げる様ですが、補習授業部の皆さんはそもそも外出が禁じられていたのでは……?」
ハスミの言葉に、「……!」と反応する猫目系少女が居たが、心配せずともこうなってしまえばこの場は相打ちに持ち込めるだろう。
「……この場は、お互い見なかったことにしましょうか。」
「は、ハスミ先輩…」
「コハル、お勉強頑張っていますか?」
「あ、えっと、それはその…」
「はい、コハルは最近頑張っていますよ。」
あのハスミ副委員長の前では、ただの部員なコハルでは少し話しづらいところもあるだろうし、ここは横槍を入れさせてもらうことにした。
「はい、そうなんです!……このままいけば、試験に合格しちゃうほどコハルちゃんは頑張っていて……!」
「なるほど、そうでしたか。」
ヒフミからの言葉を聞いたハスミ副委員長は、少し嬉しそうに口角を上げ、こっそり限定パフェを一口食べた。
「あ、う…えっと。」
「それは何よりです、私は言ったではありませんか、コハルはやればできると。あの時も言った様に……」
思い出すかの如く頭を上げ、コハルは嬉しそうに表情を和ませた、ごめんだけど普通に可愛い。
「えへへっ、は、ハスミ先輩の期待を裏切りたくはありませんから。」
「はい、引き続き応援していますよ、コハル。早く正義実現委員会に戻って、共に任務をできる事を楽しみにしています。」
「はい、頑張ります……!」
こう見ると、コハルは正義実現委員会から愛されているのだろうとしみじみ感じさせられる、そりゃコハルって妹属性とか娘属性とかありそうだもんな、知らんけど。
手元に置かれた水を一口飲むと、ハスミ副委員長が「さて…」と声に出して、次はお前の番と言わんばかりにこちらを向いた。
「それはそうと、聖園カナタさん。丁度良かったです、貴方に話したいことがありまして。」
「……話したいこと?」
「えぇ、以前渡した銃の修理代ですが……アレは必要なくなりましたので、取り下げさせていただきます。」
「え?あぁ、はい……分かりましたか」
マジかマジか、銃の修理代取り下げさせてくれるとかハサミ副委員長結構聖人なんじゃないか?いや体付きからして聖母とかそこら辺の雰囲気滲み出てるけどさ。
「ですが、その代わり。正義実現委員会の奉仕活動に協力していただきたいのです。」
「その件は、渡して頂いた封筒で拝見させていただきましたが……具体的に、僕は何をすれば良いのですか?」
「えぇ、その件は……ん?」
俺が正義実現委員会の活動で何をするのか気になったが、ふとハスミ副委員長のスマホと呼べる物が振動を鳴らし、「少々お待ちください」と言われ、ハスミ副委員長はスマホを手に取った。
『ハスミ先輩、ちょっと問題が発生しちゃいまして、今どちらに?』
「……あ」
この声はもしや、あの正義実現委員会の中でも要中の要と言われる"イチカ先輩"では?、いやこの声は『すっ構文』をよく使う事で有名なあの人だろう。
「問題……?詳しく聞かせてもらいませんか?」
『どうやら学園の近郊にゲヘナと推測される生徒たちが無断で侵入、さらに無差別に銃撃を行いつつトリニティの施設を襲撃している、との情報が』
「襲撃……ゲヘナの風紀委員会ですか!?それとも万魔殿がついに本性を…!?」
焦った様子で徐々にスマホに力を込めるハスミ先輩を横目に、「パンデモニウム・ソサエティーって名前誰が考えたんだろう」と呑気に考えている俺が居ました。
「あ、いえ……それが。」
「誰であれ、エデン条約を邪魔しようとする輩に違いありません...!規模は?場所は、施設はどこですか!?」
ハスミ先輩はゲヘナだからと鬼気迫る様子で。電話の向こうにいるイチカ先輩が苦笑いを浮かべている様な声が聞こえた。
『落ち着いて欲しいっす先輩。とりあえず風紀委員会ではなく、兵力も全然少なくて、確認されているのは4名だけっすね』
「風紀委員会ではなく...4名...?」
『はい。それで襲撃されたのはアクアリウムみたいっすね』
「あ、アクアリウム...?どうしてそんなところを...?」
これには俺もハスミ先輩に賛成だ、何でトリニティ本部とかじゃなくてよりによってアクアリウムなんだ?しかも4人って、ここにいる全員で制圧ができそうなくらいだな。
『さあ...私にもよくわからないっすけど、何か展示中の"ゴールドマグロ"を強奪して逃げてるところらしいっす、すっごく高い魚だから、多分どこかに売り飛ばそうと....あ、追加の情報っす』
『えーっと...…どうやら正体は、ゲヘナのテロリスト集団、『美食研究会』らしいっす。主謀者は会長の黒館ハルナ、ゲヘナでも要注意人物とされてますね。...で、どうします先輩?』
「...美食研究会?」
ハスミ副委員長は美食研究会がゴールドマグロを取り出した意味が分からなさそうで、困惑した声を上げ。頭にハテナマークを浮かべていた。
「……うん、どう言う事?」
どうしてゲヘナの中でもゲヘナしてると言われているあの美食研究会が出てくるんだ?しかもゴールドマグロと何が結び付くんだ?一ミリ単位も分からないんだが。
「……う、うぅ……」
「……あ」
電話に夢中なハスミの横に、ぶるぶると手足を振るわせているコハルが目に入り、「仕方がねぇなぁ」と言う気持ちになり、俺はコハルの隣に座った。
「!……か、カナタ……」
「なーに正義実現委員会の部員が震えてんだ。そんなんじゃハスミ先輩に追いつくこともできねえぞ。」
「だ……だって……」
少しだけ涙目になりながら、コハルは声を震わせて顔を俯かせた。
「……わ、私なんかが……みんなと、ハスミ先輩と、一緒に戦えるのかなって……怖くなって。」
「………」
………よくよく考えてみれば、コハルはこう言う子だったな。思春期真っ只中の性格をしているくせに、人一倍周囲からの視線や思いを気にして、最大のコンディションを出せない。
「………俺も怖いよ」
「……えっ?」
顔を上げて俺と視線を合わせると、コハルは素っ頓狂な声を出した、当然だろコイツ。俺たち2人ともまだ一年生なんだぞ。
「で、でも……カナタは、ハスミ先輩から……」
「だからって、怖いか怖くないかなんて問題にはならない、俺だって戦うのが怖い。」
「………」
キヴォトスの世間一般的に考えれば、銃で考えるなんて当たり前のことなんだろうな……ただ、俺はその『当たり前』さえまともに知らないんだ、だから怖いのは当然だ。
「……でも、そのままじゃコハルは目指してる自分になれないと思う、そんな気がする」
「……!」
「別に無理になりたい自分になれって言うわけじゃない、怖くなったら逃げたって良い、泣いたって良い。」
「───だけど。」
徐々に震えが止まっていくコハルの手に、トドメと言わんばかりに直前までストーブで温めていた手を重ね、気付いたら少しばかり俺は口角が上がっていた。
「俺は信じてるから、どんなに泣いたって、逃げたって。周りの奴らなんかよりも人一倍正義の心を持っている諦めの悪いお前が、立ち上がってくるって。」
「!!」
「俺だって怖いって言っただろ?……あの巧妙高い聖園カナタでも、怖いものは怖いんだからさ。」
「……それ、自分で言うの?」
「………」
そう言ったコハルに。少しだけイラつき感を覚えたのだが……それと同時に、コハルの表情や仕草から恐怖が消えている事に気付き、安心感の方が湧いてきた。
「でも……ありがとう。」
「……ふっ」
「なっ!?……何笑ってるのよ!」
顔を赤めて。いつものバカなコハルの調子に戻ったのか、俺は思わず口元が緩んでしまった、先程のあのムーブはどこに行ってしまったのやら。
「…………ぁ」
それと同時に、俺はとある事に気付いてしまい、顔が熱くなっていくのを感じた。
「え……どうしたの、カナタ……?」
「………っ…!!」
何を言っているのか分からない言う表情を浮かべるコハルを見れば、俺はもっともっと恥ずかしくなってしまう
今の俺たちは実質手を重ねてしまっている状況にあると言うのに、コイツはどうして気付かないんだ?クソボケか?クソボケなのか?クソボケなんだな?
こっそりと、俺はコハルから手を離した。
「良い雰囲気の中、申し訳ありませんが……コハル?。」
「!!?…は、はい!」
おっと良い返事ですねコハルさん、では何故先程僕が手を添えていた事に気付かなかったんですか?。
「美食研究会の制圧に協力していただくことになりました、もちろん隣にいる聖園カナタさんにも。よろしいでしょうか?」
「!…も、もちろんです!」
「僕も、全然大丈夫ですよ。」
「いつかこうして肩を並べる時期が来るとは思っていましたが...想像より早かったですね、コハル」
向こうのほうを見れば、補習授業部も準備満タンと言った感じで、俺はコハルの隣の席から立ち上がり、スイーツ屋の出口の扉へと歩いた。
「あの〜………お客様、ご会計は?」
「……あ」
そう言えば会計を払っていなかったと、俺達はそれぞれ頼んだものにお金を出して、急いでスイーツ屋を出た。