ウチの姉ちゃんと幼馴染、何とは言わんがデカい 作:himahy
最近幼少期カナタの心をこれほどまでぶち壊す方法を考えてます、誰か良い案あったら教えてね♡
スイーツ店の外に出て、全員で爆発音や銃撃音が聞こえる方向へ走っていると、正義実現委員会の部員達がゴールドマグロを持っている美食研究会とやらと戦闘している場面に立ち会った。
深夜だってのに、こんな所まで出勤させられる正義実現委員会の部員達が流石に可哀想だし、個人個人の実力は大したことないようで。出来るだけ早く終わらせる事にした。
「せーーっの!!」
恐らく廃棄品と思われる車を見つけ。その車を片手で持ち上げると、俺は塀に隠れながら応戦している4人組に勢いを付けて投げ込んだ。
「ひゃぁぁぁ!?!?……な、何よあの馬鹿力っ!?」
「ふむ、車を持ち上げるほどの力を持つとは……一体何を食べたら、あれ程の力を手に入れられるのでしょうか?」
車を投げられた美食研究会は、塀から顔を出して驚愕の表情をしていた、車を投げるってそこまでおかしい事なのか?問題児を成敗するときによく投げてたんだが。
「く、車を投げた!?カナタ君、車投げましたよ!?」
「……流石は私の弟だ、良い力をしている」
「え、えぇ………」
「…………」
背後にいる補習授業部や正義実現委員会の部員からも、まるで『普通じゃない』と言わんばかりの視線を浴びせられていた。てか先生もそんな目で見るなよ。
その隣で見ていたハスミ副委員長にも「なるほど……とてつもない力とは思いましたが、あれ程とは…」と、何故か感心されていた。
気が付けば、美食研究会の4人は正義実現委員会に囲まれていた。3名は逃亡を果たしたが、反射神経が遅いと思われる1人が部員に取り押さえられていた。
そうして、美食研究会の襲撃は幕を閉じた様で、前方を見れば朝日が昇ってきていた。
「お疲れ様でした、先生。そして補習授業部の皆さん、お陰様で事態を収縮させることができました。」
「あはは……途中からはもう、無我夢中と言った感じでしたが……。」
「正義実現委員会の戦術を目の前で見れて、良い勉強になった。」
「や、役に立てたのかはどうか、分かりませんが……!」
「ところで、あの方たちはどうなるのですか?」
美食研究会の今後について気になったハナコは、銃の手直しをしながらハスミに質問をした。
「本来ならば私たちの方でこの後の処遇を決めるのですが...時期が時期ですので、美食研究会の身柄はゲヘナの風紀委員会に託そうかと」
美食研究会を捕まえられなかったことを悔しんでいるのか、ハスミ副委員長は唇を噛みながらそう答えた。
そしてハスミ副委員長の提案によって、シャーレと言う中立の立場を持つ先生が風紀委員への引き渡しを行うこととなり、俺達は先に合宿所に戻ろうという事になった。
「聖園カナタさん、少々良ろしいでしょうか?」
「ん?……はい、何ですか?」
全員で荷物を持ちいざ帰ろうとした時、ハスミ副委員長が俺に声を掛けてきた。
「先程言いそびれた、カナタさんの一時的な正義実現委員会加入の件ですが……一つ提案があるのです。カナタさん、正式に正義実現委員会に入部しませんか?」
「………えっ?」
「!?……」
隣で聞いていたコハルは今日で何度目か分からない糸目モードへ変化して、ハスミ副委員長の言葉を聞いた背後の補習授業部も驚いた様子だった。
「カナタさんの実力は、一年生ながら恐らく正義実現委員会の中でもトップクラスだと予想できます。」
「あぁ〜〜……つまり、戦闘目的で俺を雇いたいんですか?」
「端的に伝えるとするならば、そうなりますね。」
うーん、正義実現委員会で人の平和とかを守れるなら良いかもしれないけど。それってつまり自由時間が減るって事での解釈が可能なんだよな。
「……お気持ちはありがたいのですが、お断りさせていただきます。休日は満喫したいので」
「なるほど……残念ですが、承知いたしました。」
ハスミ副委員長は俺を無理に誘おうとはせず、正義実現委員会に一時加入した際の事を伝えると、俺達に背を向けて道を歩いていった。
「……凄いですね、カナタ君」
「ん……さっきから凄いしか聞いてないんだが」
帰り道の坂を登っている最中、ハナコがこれはまた凄いというワードを使ってきた、今日だけで何回凄いって言われてるんだよ俺。
「いえ、本当に凄い事ですよ?正義実現委員会の副委員長から、直々に入部を進められるだなんて」
「私もあれを見た時は、スタンガンで背後から撃たれたかの様に思わず痺れた。お姉ちゃんとして誇らしい」
「………はぁ」
もうすっかりアズサの弟発言には何も言わなくなってしまった、いいや、言えなくなってしまったの方が正しいだろうな。てかスタンガンで背後撃たれるはシャレにならんだろ。
すっかり夜の濃い霧が覚めて。合宿所は登って来た朝日によって、これでもかと光り輝いていた、そして今の時刻は午前2時ごろ。授業開始を遅らせたら少しでも仮眠を取れるだろう。
「ふぁぁ……仕事するか。」
自分の部屋に戻るや否や、パソコンを立ち上げて次の資料作りを行なった。第二次特別学力試験も近づいてきているし、俺が寝てはいけない。
それに、寝ない事には慣れているから。
「遅い!おはよう!」
「……わーお。」
教室に来たのは一番乗りだと思ったのだが。何とアズサが既にワークや教科書を並べて準備万端といった感じで、ついつい俺も驚きを声に出してしまった。
「おはようございます、アズサさん。遅いって言ったってまだ朝の5時ですよ?」
「甘いぞカナタ。第二次学力試験まで後もう少しだ、こんな所で呑気に睡眠を取っていられない。」
「睡眠を取るのは必要なんですがね……」
アズサも初期に比べれば、大分勉強に熱心になってきたと良いだろう。ヒフミやコハルにもきちんと効果が出ているし、どれもこれも補佐の頭がいいおかげかな!
机に並べられていたワーク類に目を通してみると、少し難しいと言われている問題もアズサは難なくこなしていた。
「おぉ……凄い」
「当然だ、何せ試験に合格したならば。ヒフミからモモフレンズのグッズが貰えるからな。」
「アレまだ続いてたんだ。」
"あのクソキモグッズの何処が良いんだろうか?"と口に出して言ったら人の好きと言う感情を侮辱してしまうのでやめておこう。実際好きな人いるのかなアレ。
「そう言えば、コハルが部屋でカナタの話をしていた。」
「ん……コハルが?」
隣に座って勉強を見ていた最中、不意にアズサがコハルの話題を出した、それも部屋の中で俺の話をしていたそうだ、別に興味ないけどちょっとその話詳しく。
「あぁ、正義実現委員会の副委員長と隣合わせで戦っているのを見て、「カッコよかった」と言っていた。」
「……へ、へぇ〜〜」
「どうやらコハルは、カナタに対して"恋心"と言う物を抱いてきているとハナコが言っていた……私にとってそれが何かは分からないが、きっと良い物だと思う。」
「……ぇ」
"恋心"と言うワードが聞こえてきた瞬間。俺の脳内コンピューターは急遽思考停止を起こした、何よりもあのツンツン系のコハルが俺に恋心を抱くなど。キヴォトスが崩壊してもありえないだろう。
それにハナコはよく冗談を言うはずなのに。それを真に受けてどうしてコハルが俺の事を好きだと思ったんだ、きっとコハルを揶揄う際に『恋心』なんてワードを使用しただけだ。
「……カナタ?」
「あ……すみません、アズサさん。」
全く、ハナコもそうだが。コハルも俺の事をかっこいいと言う冗談はやめて欲しい物だ、俺でカッコいいならミカ姉ちゃんとかどうなんだよって思ってしまうし。
「わ……早いですね、2人とも。」
「遅い!おはよう!」
「それさっきも言ってませんでした?」
アズサと2人で勉強をしていると、先生を連れた補習授業部が教室にゾロゾロと入ってきた。その中には先程話題に出たコハルも居る。
「え…えっと…お、おはよう!」
「ん?…おはよう、コハル。」
朝の挨拶をするだけなのに、どうしてコハルはこうもタジタジとしているのだろうか?……いや、考えてみれば十中八九ハナコの話を聞いて気まずいんだろな、俺も話を聞いてないフリをしなければ。
”……カナタ。“
「ん…どうかしました?先生」
”もし無事に試験が終われば、一度コハルとお出掛けに行ってみたらどう?“
「……へ?」
「せ、先生!?まだ私は行くって……!!」
突然として先生が話し出したのは。実質コハルとの『デートお誘い』だった。デートお誘いって本人が言ってから成立してくるのであって教師が言ったら成立しないと思うんだけど。
先生の背後にいたコハルも。まるで自分の父親が要らぬことを言った様な表情で、先生の背中をポコポコと叩いていた。何だよこのデジャブな空気感。
「まぁ、予定が噛み合わなかったら別に良いけど…何で急にそんなこと?」
「!?……そ、それは…」
「ふふっ……実はですね?コハルちゃん、寝る時に部屋でカナタ君の事を───」
「そ、それ以上は言わないでっ!!と言うか言ったらダメだからぁぁ!!」
「………はぁ」
俺の話題のはずなのに、俺を抜きにして勝手に盛り上がるハナコとコハルに。思わず溜息を吐いてしまった。
いつまでも話が見えてこないが、端的に言えばコハルは俺とお出掛けをしたいのだろう。何故だか分からないけどとりあえずはお出掛けをしたいんだと思う。
ヒフミとアズサの力を借りてその場を何とか和ませ、こっそり先生の肩をコツンと突き「アンタマジで覚えといてくださいね……?」と、結構低いトーンで言っておいた、先生は冷や汗をかいていた。
その後も何やかんやありながらも、無事に模試試験を行う事となり、4人の机には問題用紙と解答用紙が置かれた。
"それじゃあ始めよっか、模試試験を"
「…………」
"それじゃあ……模試試験、スタート!"
先生がそう声をかけた瞬間。教室に紙を裏返し、ペンを走らせる音が響いた。
今回の模試試験の内容は中学までの知識を詰め合わせた様な問題になっている、だから今までの授業を精一杯聞かなければクリアできない問題となっている。
ちなみに俺がテストプレイをしたら、問題を少し見間違えて98点になってしまった、これ程の屈辱は無い。
「...」
「うふふ...♡」
「こ、これ、知ってるはず...!えっと、んと、んん……っ!」
暫く時が経った後にチャイムが鳴り、俺は4人の解答用紙と解答を照らし合わせ。速攻で答え合わせを行った、途中で勿体無いと思うミスはあったものの、衝撃の結果だった。
第3次補習授業部模試、結果───
ハナコ―69点(合格)
アズサ―73点(合格)
コハル―61点(合格)
ヒフミ―74点(合格)
「……わーお。」
「や、やりました..っ!?」
「ほ、本当っ!?嘘ついてない!?」
「...!」
「あらあら♡」
結果として、全員が60点を超えて合格ラインにまで到達した。結果を見た時に少しだけ涙腺が崩壊しそうになってしまったのだが、ちょっぴりだけ我慢することにした。
「すごいです!アズサちゃん、60点どころか70点を超えてしまいました!本当にすごいです!頑張りましたね...!」
「...うん!」
「コハルちゃんも!ギリギリでしたが、これは紛うことなき合格です!凄いです、やりましたね!」
「ほ、本当に!?ゆ、夢とかじゃないよね....?」
自分の点数を信じられないかの如く、コハルは自らの解答用紙を何度も見つめ直し、合格点数な事を確認すると。いつもの如くドヤ顔に変化した。
「あはっ...こ、これが私の実力よ!見たか!!」
「はい!これぞ正義実現委員会のエリートの実力です、さすがです!」
「……ふぅ…」
何とか全員が合格ラインに乗れた事に対し、俺は思わず安堵の息を漏らしてしまった。それと同時に「コハルとのお出掛けルートを考えなくちゃな」と言う考えが巡っていた。
「どうよカナタ!!これこそが私の実力よ!」
「ははっ……あぁ、とりあえずは点数UPおめでとう。コハル。」
「!……え、えへへ!そうでしょ!?」
よほど嬉しかったのか、コハルは自分の解答用紙をこちらにまで持ってきて、これ見よがしに見せつけて来た。普通にウザいけど最初は一桁だったコハルがここまで成長したと考えると、今は許してあげても良いか。
「───えへへ……!今なら、カナタにも勝てるかも……カナタ!勝負しましょう!」
「……ほう?」
"あ………"
ここでまさかの予想外の展開に突入。コハルが俺に勝てそう宣言をしたと言うのだ、これには俺も黙っておらず椅子を押し退け、コハルの事を見下ろした。
そう思えば。コハルって確か149cmとかそんぐらいって以前言ってたよな……小っちゃいって言ったらキレられそうだし、言わないでおこう
「じゃあ勝負しましょうか、コハル?……それで先生?確か先生が作ってたあの試験用紙ありますよね?あれで勝負させてください」
「……えっ?」
"いやカナタ、それだと……"
「残念ですけど、俺は売られた喧嘩は買う男なので。」
今だけは補佐と言う立場を忘れ、1人の生徒としてコハルの宣戦布告を受けとる事にした俺は。本当に勝負を受けると思わなかったのか、困惑の表情を浮かべていた。
コハルの宣戦布告を聞いていた4人も、これにはビックラポンと言った感じだった。
「い、いや、カナタ……その」
「どうしたんだコハル?俺と勝負するんだろ、先生も試験用紙持って来てくれると思うから、ほら?座れよ。」
隣の机から椅子を出し、トントンと音を立ててコハルに手招きをした。そんな俺が怖かったのか、コハルは恐怖の表情とも言える物を浮かべていた。
先生が持って来てくれた試験の結果として、コハルが63点なのに対し俺は99点と、コハルに"分からせ"を遂行した、普通に大人気ないと先生から言われて怒られました。
次は多分過去編です