ウチの姉ちゃんと幼馴染、何とは言わんがデカい 作:himahy
ンァー!ウチの姉がヤンデレになっちゃいました!!(ミカ編)
「あ、やっと起きたね……おはようカナタ、調子はどう?」
「………」
ふと目を開けると、ピンク色の髪をした少女が手を振っていた……だけど、"何で俺の部屋に居るの?"とは事情があって言えなかった。
うん、ここは無視だ。絶対にそうした方がいい
「え?ねぇ、何でお姉ちゃんの事無視するの?…ねぇカナタ、何で?お姉ちゃんの事嫌いなの?……ねぇ、ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ……………」
「………………」
ウチの姉相変わらずめんどくせぇぇぇぇぇぇぇぇ………今回の件に関してはマジで恨むからな先生、何であんなところにあんなもん置いたんだよあの教師。
いや何の説明書も読まずにそれ付けた俺が悪いけどさ。
「……ごめん嘘、聞こえてるよ」
「あ、何?聞こえてたんだ…もーう、無視なんてカナタってば酷いことするよね〜☆でも、そんなカナタでも私は大好きだよ、何なら愛してる。」
ミカ姉ちゃんの満面の笑みで先程の事はプライスレス……と言いたいのだが、口が裂けても皮膚が剥がされても今回はそういう訳にも行かないのだ。
というかそれだけで"大好き"とか"愛してる"とか言わんくていいだろ……あぁマジで、元から面倒くさい女だったのに余計に面倒くさい女になりやがったな。
「あ、じゃあじゃあ☆まだ時間はあるから、2人だけで一緒に寝よ?それなら無視した事は許してあげるからさ!」
「別に、それはちょっと嫌……」
「え、もしかして私と寝るのが嫌なの?え。何で?私達2人って昔から2人で寝て来たよ?2人だけの部屋でずっと2人だけでお話しして、おかしくない?何で今更一緒に寝てくれないの、そんなのおかしいよね?もしかして他の誰かに口止めでもされてるの?そうだよねカナタは良い子でお姉ちゃんにそんなこと言わないもんね、ね?カナタ」
「ごめん嘘、やっぱ一緒に寝るわ。」
「は?また嘘?もうそろそろ洒落にならないよ?」
"洒落になんねえのはあんたの愛情だよ"と本当に叫びたかったのですが、こんな所でそんな事を言ってしまえばとんでもない結末にGOGOGO!!!すると体の中の五感が叫んでいるので、やめておきます。
さて、どうしてこうなってしまったのか……それはまた、数時間前に遡る
小鳥が囀るキヴォトスの早朝、俺は一度もしたことが無かった"シャーレの当番"という物を体験するために、1人でシャーレオフィスに来ていた。
補習授業部のやつらからも当番は良いと聞いていたので、内心ちょっとワクワクしている。
"おはようカナタ、今日は来てくれてありがとうね。"
「いえ、シャーレの当番は有名ですからね、話を聞いて僕も一度体験してみようと思って。」
"ありがとう、早速仕事を始めるけど大丈夫かな?"
「はい、色々と教えてくださいね」
"うん、任せて"
そんなこんなで始まったシャーレの当番、楽しみにしていたとは言ったものの、やはり書類仕事などが多くて難しい、しかし人気な理由は一緒に居てやはり先生なのだと感じた。
何度か分からないからと質問しても、嫌な顔一つせずゆっくり優しく教えてくれるという言わば◯ックのハッピーセットみたいな感じだった。
暫くしてお昼休憩の時間になると、先生がコーヒーを淹れてくれるらしく、その間に俺はソファに腰をかけて、ゆったりと時間を過ごしていた……。
が、そこで透明な机の上にある何かに目が止まった。
「……何これ」
丁度頭にピッタリとハマるくらいの装置、ホンマになんやこれ。
最初はVRの装置かと考えたが、それにしてはゴーグルも無いしケーブルも何も無い、かと言って説明書なども無く、作成途中の様なものだった。
横を見てみれば、白くミレニアムのマークが刻まれていた、ミレニアムと言えば最先端の技術学園があるとされているミレニアムサイエンススクールが有名だ。
なるほど、なぜシャーレにこんな機械があるのかと思ったが、ミレニアムならば特注品とかの理由があれば納得だ。
しかし、ミレニアムとは言え所詮は得体の知れない何か、頭にピッタリハマりそうとは言って絶対に付けてはいけない、絶対に付けてはいけないのだ。
そうだ本当に付けてはいけない、本当に付けちゃいけないんだよ。
「んー、こんな感じなんだな」
と思っていた時期がありました。
漢の好奇心に抗える訳ないんだよな!!というわけでボタンはどこか……あった。
"ごめんカナタ、ちょっと遅れ…………何してるの!?"
「ん…あぁ先生、今からこれを」
"ちょ、ちょっと待って!それだけは押しちゃダメ!絶対押しちゃダメだよ"
「………」
"…か、カナタ?"
まぁ、先生がそう言うのなら仕方がないな。
「いいや限界だっ!!押すねぇぇ!!!」
"ま、待ってぇぇぇぇぇぇ!!!"
残念だが聖園カナタはその程度で止まる男ではないのだよ!!先生には申し訳ないが勢いのまま行かせてもらいますっ!と言うわけでポチッとな!
カチッと、起動音がした瞬間、頭につけていた機械から謎の音が発せられ、目の前がピカッと光った。
「……ん…んん…?」
恐る恐る目を開けてみれば、特に何の変化も無かった……目の前の先生も唖然とした表情で見ているし、本当に作成途中の物だったのかなぁ……。
"……か…カナタ…な、なんて事を…!!"
「……ぇっ?」
機械を外そうとした時、先生がとんでもないことが起こったととんでもない表情でとんでもない声のトーンでそう言ったのだ…そこで、ようやく俺は自分の失態に気づいた。
「わわっ!?…ご、ごめんなさいせんせ」
"カナタ!…その、体に異変は無い!?"
「…え?」
叱られると思えば、先生は心配した眼差しをこちらに向けて来た、"体に異変は無い"と言うことは何か異変を来す系の機械だったのか?……あれ、ホンマに大丈夫かこれ。
「せ、先生…ごめんなさい!でもその前にアレが一体何なのか説明してくれませんか!?説教はいくらでもウェルカムなので!」
"…っ………"
何でそんな言いづらそうにするだよ先生、マジで俺がやばいことやったみたいじゃん、いやシャーレに置いてある得体の知れない物を勝手に使ったって時点でヤバいやつだけど!
"絶対これ以上何も言わないししないって約束できる!?"
「で、できますできます!だからホンマに教えてください!」
"…あ。アレは………っ!?!?"
機械の何かを伝えようとしたのだろうが、先生は俺の背後を見てピタッと止まってしまい、徐々に過呼吸になり、表情が焦りに変化していった。
え待って、もしかして後ろに何かいる?最近流行りのホラー映画のワンシーンみたいで何か怖いんだけど、マジで後ろに何か居んのk──
──────ドゴッ!!!
突如顎に強い衝撃が走り、目の前が真っ暗になった。
そして目が覚めたら、体が縮んでしまっていた!……なんて展開は無くて、あの機械について色々と考察をしてみたのだが……恐らくアレは、何かの感情を何倍にも増倍させる物なのだろう。
以前ミレニアムの記事を見て思い出した、アレはきっとマインドコントロール的な物だったんだ……そう思えば、ミレニアムというものは恐ろしいな。
うん、ホンマに恐ろしい
「えへへ……何だか、私達が2人で寝るって久しぶりだね?子供の頃以来かな。」
「そうだな……うん、きっとそうだよ。」
そして俺は気付いてしまった、その対象に自身の"姉"が選ばれてしまったのだ、しかもその対象はピンポイントで内心面倒くさい女と思っている聖園ミカだ。
ナギサさんだったらもうちょいマシやと思ったのに、これ選んだ奴人の心とか無いんか?
「暖かいね、カナタ……いっそのこと、ずっとこのままいちゃおうよ。」
「……ごめん、それは無理かも知れない…俺もミカ姉ちゃんと居たいけど、補習授業部の皆んなが」
「───それ、ダメだって言ったよね?」
「……ぅっ!?」
手を尋常じゃ無いほどの強く掴まれ、ミカ姉ちゃんは"主導権がある"と見せつける様な眼をしていた。
「……今は、私以外の女の事考えないでって言ったよね?…カナタは約束破っちゃう悪い子なの?……お姉ちゃんの中のカナタは、そんな子じゃ無いんだけどな〜」
「…ぐっ…ぅぅ…!」
何か反論しようとしても、ミカ姉ちゃんは手の力を強くしていく一方、このままでは俺の手はポキっと折れる事態になってしまう、正直マジで痛い。
「……痛そうだね?……もしやめて欲しいなら、何か言うことあるよね。」
ちょっとミカさん、その眼と声のトーンやめてください、どこぞの「やっはろ〜!!」って言ってる人を連想させるのでごめんまだあっちの方がマシちょっやめてくださいちょ痛ぃ!!
「ご、ごめん…マジでごめん、ホンマに許して」
「本当?…もう私以外の女の事考えない?」
「まじ卍で誓うから、だから離して」
「………ふーん……まぁ、いっか。」
ってぇぇぇぇ!!!!……やっと離してくれたよ
て言うかミカ姉ちゃんの喋り方小説とかpi〇〇vでみる典型的なヤンデ◯じゃん、普通に怖いんだけど。
と言うか待ってくれよ、先生はどこ行ったんだ?先生が居てくれないと説明も何もできないと思うし、ミカ姉ちゃんに関してはヤンってるし、マジでどうすればいいんだこれ。
効果時間も何もかもわからない、まさか一生このまま?ちょっとそれはマズイですよ!
もしかしたら姉弟このままホールインワンする可能性だってあるんだし、今回の状況では助けを呼ぶにも呼べない状況…どうすればいいんだ。
あぁでも、ミカ姉ちゃんとホールインワン…悪くないな
ごめんなさい
「……えーと、ミカ姉ちゃん?もうそろこの部屋から出してくれるとありがたいんだけど」
「?…何言ってるの?カナタはこの部屋から出られないよ?」
「え、何で?」
「私、この部屋を開ける為の鍵全部壊したよ?」
………………は?
おいおいおい待て待て待て!!ホンマに待てとぉぉ!!
鍵全部壊したとかマジで洒落に何ねえぞ!部屋を開けるのも閉めるのにも鍵いるんだし、それ以外は何やってと開かない様になってんだぞこの扉!
「別に何も気にしなくていいよ、だってカナタは私と一緒に居てくれるんでしょ?」
「居てくれるとは言ったけど、流石にここまでは」
「は?」
ちょっと待って、ミカ姉ちゃんそれ俺の冷蔵庫!あぁ待って壊さないでごめん俺の冷蔵庫がぁぁぁ!!!!
「……はぁ…やっぱカナタってダメ人間だよね、すーぐ人の約束破るんだから」
「でも、そんなカナタも私は愛してるよ?でも、そのカナタのせいでこうなっちゃったんだけどね。」
コツコツと、ミカ姉ちゃんは銃を右手に近づいて来た。待って待って、マジで怖いんだけどあれこのまま俺死んじゃうのかな俺死んでしまうのでしょうか、あぁ遺言書など何も書いておりませぬ
ミカ姉ちゃん相手に肉弾戦は自殺行為、かと言ってこのまま何もせずに終わるのも自殺行為。
「あはは☆!大丈夫だよ、カナタが行ったら……すぐお姉ちゃんも行くからさ、地獄でも天国でも、また私達2人で家族になろ?」
「!!…待てミカ姉ちゃん、マジであんま早まらないでくれ!」
「早まる?そうさせたのはカナタなんだよ?…私と居るのに、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ他の女の事話しちゃってさ……もう、我慢の限界なの。」
"仕方ないよね"なんて言いたげな、そんな表情で詰め寄ってくるミカ姉ちゃんを、俺はただただ見つめる事しかできなかった。
今までにない恐怖が、俺自身を拘束するかの如く、その場から動けなくなった。
あれ…これ、もう無理なんじゃねえか。
「それじゃ……おやすみなさい、カナタ。」
そしてハッと気付ついた頃に、銃口が目の前に
───────早く、逃げな