ウチの姉ちゃんと幼馴染、何とは言わんがデカい 作:himahy
皆様はデカグラマトンをもう見ましたか?僕は本当に泣きそうになりました!以上です、解散。
もう少し投稿頻度を増やしたいなぁ……。
最近のトリニティには、得体の知れない怪しい薬が出回っているとの情報が浮上して来た。休日の部屋でよくスマホをいじると、ネット掲示板などではその様な話題が出没していた、話によると何とその薬は人の体を幼児化させる薬だそうだ。
流出元は不明だし、本当に幼児化かするのかは定かでは無いのだが。ネット掲示板に載せられていた情報を見ると、薬を飲めば48時間のみ体だけが幼児化するそうだ。
生徒が幼児化のする事件は以前山海経であったらしいのだが、ここは山海経でもどこでもないトリニティ総合学園だ、そんなの有り得るわけがない。
そして何より、我らがティーパーティもこの件が広まり重く見たのか、既に対応を追っているらしいく。ナギサさんの胃がまた痛くなりそうだとティーパーティの部員が呟いていた。
「ナギサさん、大丈夫なのかなぁ……」
補習授業部の仕事をしていた時、偶然俺もこのネット掲示板を見つけて、一番に出てくるのがナギサさんへの心配だった、次会った時の様子が怖くて仕方がない。
「……っ……」
それよりも。まず心配すべきなのは自分の体調かもしれない、数時間前から少し体調が悪い気がする。熱でもあるのかと測ってみたのだが、問題無しの平常だった。
だけど体調が悪い気がするのは確か、今日はここら辺で切り上げてさっさと寝よう。
気が付けば、緑色のカーテンから眩い光が差し込んできているのが見えた「もう朝になったんだと」瞼を閉じればすぐに寝落ちしたし、やはり昨日は疲れていたのだろうか?
「…んっ!?…んん!」
そのままベットを出て足を床に着けようとした瞬間、足をついた手応えが全く無く、体重を前に押し倒してしまっていたので、ベットから落ちてしまった。
肘や背中を打ってしまったから、普通に痛い……と言うか、何かおかしくないか?ベットに登れるのもギリギリだし、手や足をつくたびに「てちっ」と言う可愛らしい効果音が発生する。
熱で脳の感覚がおかしくなってしまったのだろうか。いいや、それは無いはずだ。それに何だか体にいつもよりフィット感がある様に感じるし……一回鏡で見てみ───
「………あえ?」
カナタが授業時間になっても来ない事を不思議に思ったのか、ヒフミ達はカナタの部屋へ直接突入しに行った。そしたらまさかまさかのビックラポン、その部屋の中で子供が眠っていたのだ
今回トリニティで発生している事故と照らし合わせ、その少年がカナタなのだと結論付けた。一体どうするかと全員で会議した結果、その子供がこちらまで手を地面に付いて「だっこぉ……」と手を伸ばしてきたのだ、その瞬間補習授業部はその子供を即誘拐───保護する事に決めた。
「と言うわけなのです……ティーパーティの業務でお忙しい中、本当に申し訳ないのですが。カナタ君への対応を検討してはいただけないでしょうか?」
「………………」
ハナコが補習授業部を代表して訪れたのはティーパーティだった。子供の頃のカナタに詳しい人たちと言えば、姉の聖園ミカや桐藤ナギサが一番だと思い取ったのだろう。
「なるほど……状況は概ね把握いたしました。」
そう言葉を掛けたのは、湯気の出るティーカップを握ったナギサだった。冷静そうに見える彼女も、昨日まで自分よりも身長の高かった彼が、今では心身ともに自分の遥か下になった事に戸惑いを隠せない様だった。
「カナタさんの事は、こちらで保護させていただきます。」
「おや、よろしいのですか?……ティーパーティの業務で忙しいはずでは?」
「忙しいと言えば忙しくなります、ですが最近はクールダウン中と言うべきなのか、業務の量も少なくなっていますので。カナタさんが戻るまでの面倒を見ることができます。」
「そう言うことですか……では、カナタ君の事を、よろしくお願いしますね。」
「えぇ、お任せください。カナタさんを保護していただきありがとうございました、ハナコさん。」
「いえいえ、それでは失礼します。」
そう言ったハナコは、カナタを預かりにきたティーパーティの部員にゆっくりと預けると、ナギサに対し一礼をしてなるべく音を立てずに部屋を出て行った。
「……さて。」
ハナコを見送る際には笑顔だったものの、扉がバタリと閉められた途端。すぐに不適な笑みに変化し
「私の弟をこんな目に遭わせるだなんて……ますます、見過ごすわけにはいかなくなりました。ふふっ、ふふふふふ……」
(……この子の名前って確か『聖園』じゃなかったっけ?)
───その場面に遭遇したティーパーティの部員曰く、その表情には"疲れ"や"歓喜"と言った感情が混じっていたと述べていた。
その後。あの聖園カナタが『幼児退行』の被害を受けた事によって、3日に一度しかない会議のはずが『緊急会議』という形で、桐藤ナギサ本人が幼児退行の件を伝えた。
トリニティの情報部の捜査力は凄まじく、桐藤ナギサが本件を伝えてから、半日足らずで犯人を捕獲する事に成功した。最初からそうしておけばよかったのでは?
取り押さえた犯人から話を聞いたところ。ネット掲示板に記載されている通り『48時間』が効果の切れ目だそうで、48時間の間は聖園カナタを世話する必要があった。
そこで機密ながら話題になったのが、『誰が聖園カナタを保護するのか?』というものだった、本来ならば救護騎士団に任せるはずが、何とティーパーティが自ら保護すると言い出したのだ。
だがティーパーティはトリニティの中でもトップに君臨する存在、その様な者たちが自分達に必要のないはずの『聖園カナタ』と言う存在を保護するとなったら。他の派閥などに悪い噂を流される可能性があり、この話題は表には出さなかった。
「カナタ、お姉ちゃんだよ〜〜?」
「……ぁぅ…」
「あれ?おかしいなぁ……あんまり良い反応してくれない。」
「当然だろう?いくら幼児化したとは言え、毎日毎日の様にされたら飽きもするだろう。」
幼児化したカナタにすっかり馴染んでしまったミカは、久しぶりに小さな弟を見れた事を歓喜するが"暫く続けていれば幼児でも飽きるものだろう"と、ミカから見たセイアが苦言を呈した。
「むぅ……でもでも!私ってカナタのお姉ちゃんなんだよ!カナタにとって大切な1人だけの姉なんだから、もうちょっと良い反応してくれても良くない!?」
「自分で言ってしまうのか……はぁ。」
「ミカさん、あまり大きな声を出してはいけませんよ。カナタがもうすぐ寝そうですから」
「……ぅ……ゅぅ…」
「……心配する必要はありません、カナタ。私が責任を持って『姉』として、貴方のそばに居ますから。」
いつの間にかカナタを膝の上に乗せていたナギサによって、ミカの『お姉ちゃんだから良いでしょ理論』は砕かれ。その上姉の場を奪い取られようとしていた。
一方のカナタは、目覚めた時にミカから「お姉ちゃんだよ」と言われたせいか、脳が勝手にティーパーティをお姉ちゃん達だと理解している様だ。本来の人格どこ行った?
「…ぅぅ…」
「!?。い、いけませんカナタ!」
ミカとの会話をうるさく思われたのか、ナギサの膝の上から赤ちゃん歩きで降り。直行したのは実の姉の方ではなく、自分の方に来た事に困惑の表情を浮かべているセイアだった。
「……困ったものだね。私で良いのかい?」
「だっこ……だっこぉ……」
手を精一杯に伸ばして"抱っこ"をおねだりしてくるカナタに、セイアは口角を少し上げて。ブカブカな袖でカナタの事を持ち上げた。
ポフっと、セイアの膝とお腹に自分の体を預けると。数分後にはゆっくりとした寝息を立てていた。
「残念だったね。どうやらカナタは古来の姉2人よりも、私の事が気に入った様だよ。」
「「……………」」
「……君達2人はカナタが関わると、本当にストッパーが効かなくなる、そろそろ自覚をしたらどうだい?」
セイアからの言葉に何も言えなくなってしまった2人とは真逆で、セイアはシマエナガとカナタの2人を戯れさせて平和な空気になっていた、本当にこれがティーパーティで大丈夫なのだろうか。
本当に姉適正があるのは、ミカでもなくナギサでもなく。セイアなのかもしれない。