ウチの姉ちゃんと幼馴染、何とは言わんがデカい 作:himahy
補習授業部の記念すべき合宿一日目が始動した
「ちょ、ちょっとカナタ!ちゃんと持っといてよ!」
「ん?…はいはい、分かってるよ」
合宿初日は補習授業部が建物の状態や内装を気にして総出でで"大掃除"を行っていた、掃除をすると言うことはもちろん『体操服』姿なのだが……みんな体操服で、俺だけ制服なのは不公平な気がする
俺の担当は、合宿のロビーとされる場所の掃除、そして旅のお供は高校一年生のくせにムッツリスケベで実力で補習授業部に入った下江コハルさんです。
「けほっ、けほっ……!何ここ、すごいほこり…」
「長らく使われてなかった建物だから、恐らく年季が溜まってるんでしょうね……ほいコハルさん、マスク付けてバケツ持って来て。」
「わ、分かってるわよ!」
分かってるなら、もうちょいキビキビ動いて欲しいんですがね……全く、最近の女子高生はあんな人が多いのかな?ミカ姉ちゃんとかも片付け下手そうなイメージだし…。
でもナギサさんは絶対片付け得意、これだけは神に誓って言える、幼い頃とか俺が子供部屋散らかしたら「い、いけませんよカナタ!」って言って毎回片付けてくれたもんね。流石は僕の2人目の姉*1
ま。そう言う俺も人の事言えないけどな。
一通りロビーの掃除を終えた後、俺はコハルの元を離れて別の担当の様子を見に行った
「アズサさん、掃除は順調そうですか?」
「?…その声は、カナタか。」
「はい、お邪魔していたならすいません」
「いや、大丈夫。もうすぐこの場所も制圧できるから。」
制圧て、いつもアズサさんは言わなくても良い事を言うよな…もしかしてどこぞの銃乱射建築系ゲームに影響されたのかな?そう言う柄じゃないか。
そうやって場所を転々としていた時、ふと廊下の端にある僅かに開いていた扉が気になり、子供ながらの好奇心のままにドアノブに手を掛けた
「あら?♡…あなたは、聖園カナタさ」
木が軋む音を立て、扉を閉めた。
うん、アイツは優秀だから手伝う必要なんかないな、早く別の場所に行こう
「まぁまぁ、少し世間話でもしていきませんか?うふふっ♡」
「…はぁ…」
結果、捕まってしまいました*2
いや、捕まったと言うより生徒を見守る補佐として部屋の周回も業務の一つだと先生から聞かされたので、仕方なく補習授業部にとって一番の不安要素とされる浦和ハナコの手伝いをする事になっただけやねん。
決して浦和ハナコのπの二乗に引き寄せられて手伝うとかじゃないんだからね!……決して、合宿に行ってミカ姉ちゃんとナギサ姉ちゃんの胸を間近で見れないからと寂しいわけじゃないんだからね!
冗談はさておき、こうなった以上さっさと掃除を進めなければ。
視界の端にチラッとだけ映るハナコは、掃除をする事に手慣れているのかテキパキと作業を進めてていらその部分だけは俺も見習おうと思った。
「あの…カナタ君?」
「どうしてカナタ君って呼ぶんですか?」
「ヒフミちゃんがそう呼んでいるので、愛称と言う物ですよ♡」
お前がそれ言うと意味変わってくんねん*3
「はぁ……何か用ですか?」
「カナタ君は、どうして私たち補習授業部の補佐などに就いたのですか?」
「……」
ハナコ口ぶりからして、自分たち補習授業部が周囲からどの様な目で見られているのかを理解している様だった……それはそうとして、あのティーパーティのホスト"桐藤ナギサに頼まれたから"と素直に口走って良いのだろうか。
暫しの沈黙が流れた後、やけに重い口を開いた。
「……特に……ただ、もしかしたらこの世に"俺の様な人間"が山ほど居るかもしれない、その事実を変えたいだけです。」
「"俺の様な人間"とは?カナタ君は、一年生の中でも成績優秀だと聞きましたが……」
「…………」
"もっと教えてください"と聞こえてきそうに興味深く笑みを浮かべるハナコに対し、俺は掃除と会話の終了を告げる合図として、扉へと歩みを進める
……これ以上ハナコの様な人間に深く聞かれてしまえば、聖園家の情報さえも抜き取られるかもしれない。あの腐ったミカン共の情報はいくらでも差し上げるが、ミカ姉ちゃんの情報と言ったら困るのだ
一通りの場所の掃除が終わった後、補習授業部全員で中庭に集合した、ちなみにあの後の俺は全部屋の見回りをしたので超疲れた、早く帰らせてほしいんですが。
"こんなところかな…?"
やっぱ無理そう
「良いんじゃない?…ずいぶん綺麗になった気がする、うん、気持ち良い。」
「……うん、悪くない」
「そうですね、お疲れ様でした!」
だが、大掃除をやって時間の無駄というわけではなかった……全員の反応は上々、正直言って俺も来た時よりかは風が澄んでて気持ち良いと思った、それはそうと帰らせてくれ。
「あ、まだ一ヶ所だけ残ってますよ?」
「あれ、そうでしたっけ?」
「いや、もう残ってないはずですよ?……僕が見回りをして、一通り終わっていたので。」
「いえ、一番大切なところが残っています」
不敵な笑みを浮かべるハナコを見て、おそらくだが"不安"を抱いただろう……大丈夫だ、多分だけど俺が一番何か不安を感じていると思うから。
いやそれはそうとしてマズイ、一体次は何を企んでいるんだ?
「それでは行きましょうか♡」
ちょい待て待て、語彙に♡を付けるn
────突然だが、これを見ているみんなは『絶望』と言う言葉を聞いて、一番最初に何を思い浮かべる?……ゲームで爆死した時?それとも物を壊してしまった時?絶望という言葉を聞けば、人それぞれあるんだと思う。
だが安心しろ皆の衆よ、俺もその絶望の最中────あっひゅぅ冷たぁっ!?!?
「カナタ、いかなる時も油断してはいけない。普通の集団戦では敵はいつでも背中を狙ってくる」
「俺とアズサさんの普通を比較しないでくださ────へぐっ!?」
「あら♡、ごめんなさいカナタ君」
今度は何かと思い背後を見ると。ハナコが満面の笑みでホースをこちらに向けていた……男として正直言うとヒフミも充分だけどハナコの水着が一番エ○いと思いましバシャン!!
「げほっ、げほっ!!……は、ハナコさん!?」
「何か失礼な事を考えていそうだったので。」
キッショ、なんで分かるんだよ
「カナタ、油断をしてはいけない!相手はこうやって足を崩してくるぞ!」
「あっぶなっとっとっと!!?」
「か、カナタ君!?大丈夫ですか!」
俺がアズサのせいで横転した時、手を差し伸べてくれたのはヒフミだけでした、優しい好き。当のアズサは何の心配顔もなく作業を続けてハナコは何かと笑っているだけ、コハルに関しては端で掃除しているだけ……おい先生、お前は笑ってはいかんぞ
その後も想像以上に時間がかかり、プールが満タンになる頃には日がすっかり暮れてしまっていた……ちなみに俺とアズサは後半ほとんどプールの中で勝負していました、全敗しました。*4
◇
ミーンミンミンと、森の中だからか蝉の鳴き声が耳を覆った……空はすっかりと暗くなってしまい、プールの蒼い光だけが俺たちの瞳に映り、俺以外の全員はプールに入れない事に残念がっていた。
「結局、プールに入ることはできませんでしたね…」
「そう言えば、水を入れるのには相当時間がかかる物でしたね…ごめんなさい、失念していました。」
「いや、謝ることはない、十分楽しかった……特に、カナタを転ばせるのは」
「本当ですよアズサさん、僕の事をなんだと思っているんですか?」
「カナタはカナタだ、それ以下でも以上でもない。」
「あっ、そうですか」
"話通じねえな"そう感じた俺は、いち早く話を切り上げる事にした……その後、ヒフミの提案で俺たちは部屋に戻って休む事となり、別に羨ましくなんかないが女子4人が部屋に戻っていく姿を見届けた。
────もう一度言おう、別に羨ましくなどない
「………はぁ……。」
1人部屋に戻り静まり返った事を確認すると、俺は早速明日の合宿授業についての資料の作成の続きをパソコンで行った
明日の題材はヒフミの得意な……いや、その前にアズサの好きな古文か?コハルの得意教科の保健体育も入れて、一人一人の個性を伸ばす為に基礎から入るか。後模擬試験用の用紙も追加しとかないと…問題何出そうかな、数IIIは関数でゴリ押すか…。
「……つっかれたぁ……」
深い溜め息を吐き、俺はベットに倒れ込んだ……瞳を閉じると同時に、今日の記憶が自然と浮かび上がってくる
何だか今日一日中は凄く疲れた……その原因は恐らくだがプール掃除にあるのだろう、特にアズサのホウキアタック。あれに当たると濡れるし滑るしで本当にやばかった。
仕舞い付けにはプールに入れないって言うな……まぁ、俺はプールになんて入る気はなかったんだがな。
「……さて、と。」
意を決した様に重々しい体を持ち上げると、教材を手に持って薄暗い廊下を歩き始める……曲がり角を曲がると明日から補習授業部の教室と称される場所に着いた。
いざ教卓の前に立つと、目の前に広がる座席も相まって、まるで自分が先生になったかの気分になってしまう……いかんいかん、早く明日の題材を作らなければ。
眠たい瞳を擦り、俺はキーボードを打つ手を早めた。
その後、意気込んだくせして速攻で寝落ちして、次に目が覚めたのは時計の針が丁度8時に当たる時であり、目の前に補習授業部と先生に見守られながら目覚めてしまった。
後、何かすんごい暖かい目で見られたか
起床の時間となり、教室に来た補習授業部
カナタ「Zzz………」
ヒフミ「……カナタ君、寝ちゃってますね」
ハナコ「ふふっ……でも、私達の為に頑張ってくれてたみたいですよ?」
アズサ「……カナタの寝顔、可愛い」
コハル「………。」
先生"どうしよっか……このまま起こしちゃうのも…"
カナタ「…ん……お……おね……お姉ちゃん…もうちょっと…寝かせ……」
「「「「………」」」」
ヒフミ「ごめんなさい、私やっぱりカナタ君のお姉ちゃんだったかもしれません。」
アズサ「何を言っているんだヒフミ、カナタは私の弟だ。」
ハナコ「あらあら〜♡」
コハル「…ぁっ…お、起きた…」