盲目少女が縄文から呪術の開祖になる話   作:ぷに凝

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誰も来ません!

 

以上!!

 

……以上じゃないんだよな。

 

まずい。マジで誰も来ない。助けに来てくれる人どころか誘拐犯すら来ない。かれこれ3時間ぐらいは経ってると思うけど本当にマジでずっと暗闇の中。頭おかしくなりそう。

 

いよいよ自力で脱出するしかないかー?

 

つってもなぁ。立てもしなければ左手の手枷をどうこうできるわけもなく。

ホント、このほっそい腕にガッチリハマってんだよねこれ。もっとゆとりを持ちなさいよ、私みたいにさぁ。そしたら簡単に抜けるだろうし。でも、どうしようもないんだよな本当に。

 

……仕方ない。私の秘奥義を見せる時が来たみたいだね。

 

事ここに至ったらね。もう私もやる事なんか一つしかないですよ。

 

助けて!! お願い神様助けてー!!

 

両手を合わせて神頼み。ね、やっぱこれ。

 

だってそうじゃん。私、こんな酷い目に遭うほど酷いことをした覚えはないですよ。至って真面目……かどうかは怪しいけど、でも犯罪をしたり人を陥れたりするようなことはやって来ませんでしたよ。せいぜいネットでレスバするくらいですよ。

 

清廉潔白とは言えないかもしれないけどさ、そこそこ素直でまともな人間になれるように程々に頑張ってきた人生だったと思いますよ。それがこんな所に放置されて死ぬことになるなんてあんまりじゃないですか。

 

そりゃ不幸だってあるだろう。理不尽だってあるだろう。

 

それでも、私の体が私じゃないものになるなんて超常現象が起きるくらいなんだから、その超常現象で私を救ってくれたっていいじゃない。意味もわからず不幸になるなら、意味もわからずめちゃくちゃ幸運にしてくれたっていいじゃない。

 

だから頼んますよ神様。最近サボり気味だった初詣にも行きますし、ちゃんとお布施もします。鳥居にぶら下がってる外国人がいたら注意するし、渋谷でゴミ拾いをしたっていい。

 

だから、お願いします。助けてください。

 

……。

 

変化なし、と。

 

どうやら神はいないらしいね。マジふぁっきゅ。

 

……ん?

 

なんだろう。

 

なにかが光って見える?

 

……もしかしてあれかな。ずっと暗いところ見てたら段々視界にもやもやしたものが動いて見えるやつかな。あれ飛蚊症っていうらしいですよ。でも暗いところじゃ見えなくなるんじゃなかったっけ。

 

いや、違うな。

 

もっとはっきりした光だ。

 

まるで炎が立ち上るみたいに、私の視界にはっきりと見える光だ。それが空気中を漂っている。

視界を動かすと、なにも見えなかった真っ暗闇の中で私の体の輪郭に沿うように光がゆらめいていた。それは空気中を漂っている光よりずっと強い光で、私の体の中を駆け巡っている。

 

……これ、もしかして私。

 

“魔力”が見えるようになったんじゃない!?

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