ゆるゆるすっくんなオリ主   作:雨曝し

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指の回収とショッピング

 

 

 

 裏梅と再会した俺は羂索と別れて高専まで戻って来た。

 未登録の呪力の侵入に高専内にアラートが鳴る。

 それに慌てて校舎の方から術師達が集まって来た。その中に五条達の姿はなく天内達の護衛をしていることが窺える。

 

 盤星教を解体するに当たって天内達から離れることになってしまったからな。

 五条に押し付けたのだが、嫌々ながらもしっかりと護衛しているようだ。

 

 学長が俺と後ろに控える裏梅を見て疑問を口にした。

 

「宿儺様、その方は?」

「俺の従者の裏梅だ。術師として登録しておけ。それと高専が保有する俺の指を渡せ」

「左様でしたか。でしたら裏梅様は私共について来て下さい。宿儺様の指に関しては現在忌庫にて6本保管しております」

「忌庫には私が案内します」

 

 夜蛾が前に出てそう答えたので俺は裏梅達と別れて忌庫に向かう。

 高専保有が6本となると、残りの13本は自力で探すしかないか。

 指に近付けば魂の繋がりが強まり検知することができる。なので最大の問題は羂索が俺の指を保有しているかどうか。

 奴は身を隠すのが上手い。見つけて取り戻すのは至難の業だ。それに加えて奴は呪術テロを企てている疑惑がある。

 あの時に問い詰めておけば良かったな。裏梅と再開した喜びで頭から抜け落ちていた。

 

 俺がぼんやりと考えていると先を歩く夜蛾が口を開いた。

 

「…宿儺様は今後どこに住むか決めていますか?」

「ふむ。考えていなかったな。どうしたものか…」

 

 割と本気で行く当てがないな。

 適当な古い家を買い取って改装すれば良いか?

 しかしあんまり適当なところに住むと裏梅に苦労が行くからなぁ。

 

 俺が悩んでいる間に忌庫に到着したらしく、夜蛾が忌庫の扉を開く。

 埃っぽい忌庫の中に入り指を探す。

 魂の繋がりが忌庫の奥に指があることを示した。

 

「この箱か。一応封印はしているようだが最早意味を成していないな」

 

 手入れされていない古びた箱を開けて中から指を取り出す。

 そして6本ある指を一つずつ飲み込んでいく。

 

 一つ取り込む毎に魂が融合し力を取り戻す。

 現在取り込んでいるのは7本か。完全復活までは遠いな。

 任務を熟しながら指を探して地道に力を取り戻すしかあるまい。

 

 俺は入り口で待機する夜蛾の元に戻る。

 力の変化を感じ取ったのだろう、夜蛾は冷や汗を流して俺を見た。

 

「完全復活していないのにこれ程とは…」

「当たり前だ。俺は呪術全盛期の平安で呪いの王と呼ばれたんだぞ。現代の術師とは次元が違う」

 

 それこそ羂索との間にさえ実力には隔たりがある。

 千年生きた術師でそれなのだから平和な現代を生きる術師との間にはもっと高い壁がある筈だ。

 

「そんなことより早く戻るぞ。裏梅と長時間離れたくない」

 

 俺は来た道を引き返して校舎の方へと向かって歩き出す。

 それに後から夜蛾がついて来たのだった。

 

 

 

 

 校舎に到着した俺達を出迎えたのは天内達であった。

 五条は血まみれの服から着替えており、綺麗な学生服を着ている。

 夏油は悩ましげに顔に影を差している。

 天内と黒井は俺の顔を見て花が咲くように笑みを見せた。

 

「宿儺!戻って来たんだ」

「ああ。口調が変わったな。のじゃは付けなくて良いのか?」

「もう同化しないし!掘り返さないで!」

 

 何故か天内にポカポカ殴られてしまった。

 黒歴史だったのだろうか。中学2年生には良くあることだな。

 

 そんなやり取りを見て黒井は微笑ましそうに笑みを浮かべた。

 俺はそこで思い出したことを口にする。

 

「そうだ。黒井、俺達は住むところがないんだが、黒井達と一緒に住んでも良いか?」

「え?……ええ、構いませんよ。お金を工面して下さるんですから、それくらいはお返ししなければ申し訳ないですから」

 

 黒井は一瞬呆然として、次いでニッコリ笑って答えた。

 その笑みにはどこか含みがあり、何かを狙っていることが分かるが詳細までは読み取れない。

 悪意ではないので気にすることはないだろう。

 

 そこで俺の背後に降り立つ気配があった。

 呪力の気配でそれが裏梅であると分かる。

 

「お待たせしました。宿儺様」

「然程待っていない。それに俺は裏梅ならどれだけ待たされても気にしない」

「宿儺様…!」

 

 裏梅は感激して口元を両手で覆った。

 その様子を見て俺と裏梅の関係に思い至ったのだろう。黒井は先程俺が、俺達と表現した意味に気付いて納得したように頷いた。

 

「既にお手付きがいましたか…」

「何か言ったか?」

「いえ何も」

 

 黒井が小さく呟いたので聞いてみたのだが何事もないと返されてしまった。

 絶対に何か裏があるが一体何なのだろう。

 

 不思議に思いながらも俺は一先ず天内達と家に帰ることにしたのであった。

 

 

 

 

 天内宅は高専から程近い所にあった。

 豪華な日本屋敷で2人で住むには広いように思える。

 俺と裏梅が入って丁度良いくらいか。

 

 俺と裏梅は隣同士で部屋を与えられた。

 生活用品の買い出しの為にみんなで買い物に行くことになった。

 

 そうして近場のショッピングセンターに来た訳だが、やはり俺の四つ目は人目を引く。

 コスプレだと言い張っているが大人には本物だと分かるだろう。

 

 そんな中で複数人の子供が俺に駆け寄って来た。

 

「おじさん!何で目が四つあるの!?」

「生まれつきだ」

「凄えカッケェ!!」

「それ全部見えてんの!?」

「見えてる」

「最強じゃん!!凄え!!」

 

 子供達はわあわあと喧しく騒ぐ。

 平安なら恐れられたんだが、カッコいいか。

 素直に褒められるのは気分が良いものだな。飴ちゃんをあげよう。

 

 子供達は俺を褒めるだけ褒めると嵐のように去って行った。

 逞しい子供達だ。元気一杯で可愛いな。

 

「大丈夫ですか、宿儺様」

「あぁ。悪くない気分だ」

 

 裏梅は安堵の息を吐いた。

 俺が気分を害していないか気掛かりだったんだろう。

 俺の性格を誰よりも理解しているのに心配するのは裏梅の心配性な性格が出ているな。

 昔から俺は勘違いで批判されたり恐れられたりしているから裏梅は人が俺に近付く度に警戒するようになってしまった。

 最早俺以外信用ならんと言わんばかりだ。

 

「今は随分と良い世の中になった。女子供が溢れているのは豊かさの証だ」

「宿儺様にとって理想の環境でございますね」

 

 やはり裏梅は俺を良く理解している。

 今の可愛い者達が溢れている世の中こそ俺が望んでいた世界だと分かっている。

 

 しかしまだ理想とは程遠い。

 女子供が護られ、皆が真に可愛いが正義であると理解する世界ではない。

 未だこの世には悲劇が、憎悪が、呪いが溢れている。

 それはきっとこの先も変わらない。

 それでもいつかは変わるのではないかと歩みを進めるのは間違いではないだろう。

 

 俺は自分の目的を再確認して服屋に向かった天内達の元へと歩き出した。

 

 

 服屋では黒井が何やら女物の上着やらを持って思案している。

 何をしているのかと問えば、裏梅に合う服を探していると答えが返って来た。

 

「ふむ。こっちのスカートなんかが似合うと思う」

「良いですね!それにしましょう!さぁ裏梅さん此方へ」

 

 黒井は有無を言わさず裏梅を連れて更衣室へ入って行った。

 男だから一緒に入るのはどうかと思うが…。

 

 ああ。やはり驚愕する声が聞こえて来た。

 裏梅は見た目が可愛いからな。誤解していても仕方がない。

 しかし出てくる気配はないな。そのまま着替えているのかもしれない。

 

 そう思っていると、黒いフリルのスカートを着た裏梅が更衣室から姿を現した。

 俺は余りの衝撃に目を見開いた。

 裏梅は恥ずかしげにスカートを押さえて口を開いた。

 

「どう、ですか…?」

「似合う!!それで行こう!!」

 

 俺は即答して購入を決めた。

 その他諸々の服を購入して早速着替えさせた。

 

 黒いスカートに似合う服装を選んだ上に裏梅の容姿も相まって美少女にしか見えない。

 俺は無言で満足気に頷いたのだった。

 

 

 





・すっくん
裏梅の女装が可愛くて萌えた。
現在指7本分の強さ。

・黒井
すっくんと肉体関係を持とうと企んでいる。
好感度が非常に高い。

・天内
無事に人生の黒歴史ができた。

・裏梅
初めての女装でドキドキしていた。
夜の宿儺が激しかったので満足している。
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