ゆるゆるすっくんなオリ主   作:雨曝し

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強者故の孤独

 

 

 

 天内達の家に住み始めてから数日が経過した。

 その間天元に動きはなく、俺は淡々と与えられる任務を処理している。

 今日も特級呪霊討伐の任務に当たっている。

 

 廃病院の中を適当に歩き、俺に怯えて身を隠す呪霊達を屠る。

 そんなことを繰り返して最奥に辿り着き、白衣を着た大きな赤子の姿をした呪霊の首を切り落とす。

 呪霊は消滅反応を起こして消え去り、俺はそれを見向きもせずに歩き去る。

 

 後は適当に病院内を掃除すれば帰宅できる。

 今日与えられている任務はこれで終わりなので後は自由時間だ。

 外で待機している裏梅と合流して買い物でもして帰ろう。

 

「お疲れ様です、宿儺様。如何でしたか?」

「下らん任務だった。大した呪霊が生まれていない。まあ平和で穏やかであることは良いことだ」

「左様でございますね。平安であれば蛆のように呪霊が湧いて出ましたから」

「そうだな。それだけ失われる命も多く、悲劇と呪詛に塗れた時代だった。呪術全盛と言えば聞こえは良いが、それはつまり人々の恐れが最も強かった時代とも言える」

 

 平安は貧困と呪霊への恐れが強く、それだけ呪霊達も力を持っていた。

 そんな時代がどうだったかと聞かれると現代を知っている俺からすると決して良い時代とは言えなかった。

 だからこそ、今の平和な世が尊く思える。人々の笑みが増えたのは良いことだ。

 

 何より平和であるということは娯楽も増えるということ。

 平安にはなかったアニメや漫画、様々なゲームが生まれている。

 それを思えば今の方が遥かに楽しめる。

 

「裏梅、ゲーム量販店に向かうぞ」

「現代の娯楽ですね。昔も良く遊戯をしましたね」

「懐かしいな。結局裏梅くらいしか俺を楽しませたプレイヤーはいなかったな」

 

 平安時代にも幾つか遊戯があり、数多の腕利きと対局したが俺に敵う奴はついぞ現れなかった。

 俺を良く理解している裏梅でさえ俺の手を読むことは至難の業で、結局一度も俺に勝つことはなかった。

 しかし娯楽に溢れ、それを享受する今の世の中であれば俺に迫る、或いは超えるプレイヤーがいるかもしれない。

 そんな淡い期待を胸に抱き俺はゲーム量販店で数多のゲームを購入した。

 

 

 

 

 天内宅にて、俺は自室にゲーム機を粗方セットしてコントローラーを手に握る。

 隣には天内が座ってコントローラーを持っている。

 部屋には他に裏梅と黒井がいる。

 

 目の前の画面には有名な格闘ゲームが表示されている。

 つまりは今から行われるのは俺対天内の格ゲー対戦だ。

 

 天内は自身満々に口を開く。

 

「平安時代の人間相手なら流石に勝てるでしょ」

「その自信がいつまで保つか見ものだな」

「宿儺の方こそ、随分自信あるじゃん?」

「俺は今まで初見の遊戯であろうと敗北したことはないからな」

 

 初見であっても事前説明でルールを完璧に把握して相手に勝利して見せた。

 そんなこともあって平安では遊戯の強者として有名であった。

 

「そう言えば宿儺様は遊戯の王としても歴史に載っていましたね」

「遊戯の王…!?」

 

 黒井の言葉に天内が驚愕して口を開けた。

 呪いの王が別名で遊戯の王とか呼ばれてたら驚きもするわな。

 俺も受肉先の記憶でそう呼ばれてると知って吹き出したからな。

 

 数多の人を殺した俺がそう呼ばれるなんて思わなかった。

 歴史の教科書でいきなり別名遊戯の王とか書かれているのは流石に笑ってしまった。

 今の術師達に一体俺はどんなイメージを持たれているんだろうな。

 

 警戒はされていたからある程度恐れられているとは思うが、遊戯の王という呼び名に思うところはなかったのだろうか。

 

 そんな他愛のないことを考えていると早速ゲームが始まった。

 画面内ではキャラが対面に立ち、HPを表すゲージが上に表示されている。

 俺は即座に天内のキャラへと攻撃を仕掛ける。

 天内は慌てて防御の姿勢を取った。

 

「あ!わわ!」

「慌てすぎだな。勝負は常に冷静さを保った者が制するものだ」

 

 俺は素早くコントローラを操作して天内のガードを崩してコンボを決める。

 そこからハメ技を使って一方的にボコボコにする。

 天内のキャラのHPゲージはすぐに0になった。

 

「ぬおおお!!そんなぁ!?」

「ケヒ。まだまだ弱いな。精進すると良い」

「くぅぅぅ!!!黒井!リベンジ!」

「私ですか!?格ゲーは専門外ですよ!」

 

 ふむ。つまりは得意があるということか。

 ならば黒井の得意で相手してやろう。

 

「自信のあるゲームで構わんぞ。俺を楽しませろ」

「ならマリカーにしましょう。それなら私も対抗できるかと」

 

 俺はマリカーをゲーム機にセットする。

 画面にキャラ選択画面が出て迷わずキャラを選択する。

 俺は王道のマリオ派だ。黒井はワルイージを選択した。

 

 画面が切り替わりスタートのカウントダウンが開始される。

 俺と黒井は同時にスタートダッシュを決める。

 

 アイテムを奪い合い、コインを取り合い、接戦が繰り広げられる。

 

「負けるな黒井!」

「宿儺様が負ける筈ありません」

 

 2人の応援を耳にしながら互いに無言でコントローラーを操作する。

 ふむ。中々に強い。しかしまだ浅い。

 

 俺は途中で見つけ出したショートカットを駆使して徐々に距離を開ける。

 そうして俺は圧倒的な一位でゴールを決めた。

 

 黒井は愕然とした顔で画面を見つめた。

 

「な、なんて無茶なショトカ…!!あんなの失敗したら一発で最下位に落ちる!」

「それを突破する技量と胆力の差が勝負を決めた」

「これが遊戯の王…!!」

 

 黒井は悔しそうに唇を噛んだ。初めての大敗に悔しさが滲んでいる表情を顔に浮かべている。

 天内は初めて見る黒井の敗北の姿に目を丸くしている。

 裏梅は満足気に頷いている。

 

 俺に敗北の二文字は存在しない。

 それは同時に孤独でもある。誰も自分と同じ目線にいない。誰も俺に勝ってくれない。

 それがどれだけ虚しいことか。

 

 俺は一人孤独を胸に抱きながら画面を見つめたのだった。

 

 

 

 

 その日の夜のこと。

 珍しく一人で寝ていると部屋の中に侵入して来る気配を感じ取る。

 呪力の気配的には黒井なんだが、何故忍び込んで来たのか分からない。

 

 薄ら暗闇の中で目を開けると黒井が忍者の如き動きでクリアリングしながら俺の布団の方までやって来た。

 そして布団の中に潜り込んで来た。その辺りで黒井が何を目的としているか察せられたので、俺は布団の中の黒井をガッチリと掴んだ。

 

「あ…バレてしまいましたか」

「大胆な奴だな。まあその気があるのは嬉しいが、俺を相手に夜這いなんて通用しないことくらい分かっているだろう」

 

 呪いの王が寝込みを襲われるなんて何度もあったことだ。

 その度に返り打ちにして来た。故にこその呪いの王だ。

 それを分かって決行したということはバレたくてやったのだろう。

 

「悪い子にはお仕置きが必要だな?」

「そんな…宿儺様、ご勘弁を…」

 

 そんな安っぽい演技を繰り広げる。

 要は襲われたくてやったのだ。可愛い奴だ。

 その気持ちには応えねばなるまい。

 

 俺は黒井を抱き込んで上下を入れ替えた。

 そして黒井の柔い肌に触れてするすると服を脱がせて行く。

 そうすれば勝負下着と思われる気合いの入った下着が目に入った。

 

「態々こんなものまで用意するとはな」

「余り見ないで下さい。恥ずかしいですから…」

「見られたくて着てるんだろうに。難儀な奴だ」

 

 俺はそう言いながら下着を脱がして全裸にする。

 そうして俺は何の抵抗もせずに受け入れる黒井の体に手を伸ばした。

 

 

 翌日は倦怠感が凄かったとだけ言っておこう。

 

 

 





・すっくん
ゲームが上手い。
特に駆け引き、揺さぶり、ブラフが得意。

・美里
すっくんに得意のマリカで敗北したのでリベンジを誓っている。
一晩中愛してもらえて満足している。

・理子
何も知らない中学生。
すっくんが遊戯の王とか呼ばれているのを知って愕然とした。

・裏梅
すっくんが他の女に手を出しているのを黙認している。
自分が愛されていると分かっているからこその余裕。
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