せっかくのTS転生だし可愛い幼馴染を化け物にしてみた(責任取るつもりは一切ございません) 作:すっごい性癖
本日一本目です
「はぁ、どうしましょうかねぇ……」
ふぅ、と私はため息をつきました。幸福が逃げると言いますけれども、出るモノは仕方なく止められません。
どうしても自身の受け持つクラスのことを考えると憂鬱にならざるを得ないのです。
「花火さん、とうとう全く来なくなっちゃったなぁ……」
私の受け持つクラスは若手な私が生徒に舐められているからか、お世辞にもまとまってるとは言えないのですが特にその中でもいわゆる問題児と呼べるような子がいます。およそ三人ほど目立った生徒が。
一人目は美山カレンさん。彼女は度々授業内で騒ぎを起こし、そのたびに授業進行をストップさせてしまいます。なんといいますか、彼女は少々精神的に幼いようで不満や興味を自分の内に留めることが苦手みたいでして……。勉強自体が好きではないみたいなので、すぐに周囲の友人と雑談を展開しようとします。
二人目は竜胆カザハさん。彼女は今日日珍しい不良、スケバン的なことをしている娘です。度々他校の生徒と揉め事や喧嘩を繰り返し、その度に担任である私が出動しているのが現状です。彼女は不良グループのようなものに所属しているようで、そちらを優先してか学校に来るのも疎ら、無断欠席もしょっちゅうでした。
そして三人目。
他の二人も問題児ではあるのですが、現状私が頭を悩ませているのはこの娘についてです。
花火カガリさん。
彼女はどうやら人間関係の構築に失敗したようで、夏休み以降学校を休む日が目立ちがちになっていました。私はそんな彼女がこのまま不登校児になってしまわないよう、いろいろ動いてみたのですが……。
結果は芳しくなく、冬休みが明けて以降彼女は一度も学校に来てくれていません。親御さんに話を聞いてみれば部屋からも出てきていないらしく、引きこもり状態になってしまったとのこと。
私の接し方が間違っていたのでしょうか。他の子と仲良くできるよう、いろいろと手を尽くしてみたつもりなんですが。
彼女はこのままでは留年してしまいます。出席日数自体はこれまでの分を合わせて何とか足りてはいるんですけど、年度末の期末試験を受けないとなると進級は絶望的でしょう。
そうなってしまえばきっと花火さんは遅かれ早かれ高校を中退してしまいます。
この国、日本において高校中退や引きこもりとなった人間の社会復帰は難しいモノです。共通教育の普及や一般家庭での経済格差があまり大きくはない面から殆どの人は高校までは最低卒業しており、大学卒業者も若い世代の中では多数派となっています。
その結果、人材としての平均が高く、また強固となってしまっている。国家の成長としては無論そちらの方が望ましいでしょうが、一個人に眼を向けたとき、それは残酷なまでの壁となります。
花火さんをこのまま引きこもり状態のままで放置してしまえば、遠くない将来、破滅が待ち望んでいるでしょう。教員として、あまり生徒に対して抱くべき展望ではございませんが。
ですからせめて、せめて。
高校卒業まではフォローをしてあげたい。そこから先までは一教員の私では手が出しようがありませんが、高校の中までは彼女に出来る限りのことをやってあげたい。
高校中退と高校卒業は両者同世代の中では学歴としては平均以下となってしまいますが、この二者だけを比べたら雲泥の差です。就職などでも大きく幅が広がります。
もちろん、高校卒業だけでなく大学進学へのサポートだってしてあげたいですが、まずは高校を卒業できるところまでは支援してあげたい。
そのためにも目下、期末試験だけでも受けてもらいたいんですけれども。
「……はぁ」
結果は惨敗。
先日彼女のお宅を訪問させていただき、花火さんとお話できないかと思ったんですけれども一言も話してはもらえませんでした。
いえ、それだけではありません。彼女が一瞬だけ扉の隙間から覗かせたあの目は、酷く鋭かった。
まるで私を恨むように。
私は思い違いをしていたのでしょうか、彼女に寄り添うことができていなかったのでしょうか、もしかしたら彼女は唯浮いていただけではなく虐められてさえいたのでしょうか。
わからない、わからない、わからない。
私にはわからない。
こんな何もかもがわからない人間が教員免許を唯持っていると言うだけで教師という職に就いているというのだからとんだ笑い話ですよ。
……そういえば。
「鳴無さんは逆に急に明るくなりましたよね。あれは、いったい……?」
鳴無スイレンさん。
彼女も花火さんのようにクラスに馴染めておらず、いつも一人でいるような子でしたが。最近、ちょうど去年の十一月頃からか、彼女は他人に自分から話しかけに行くようになっていました。
引っ込み思案な性格と、吃音気味の話し方を疎まれたのか周囲から距離を置かれ春からずっと一人となってしまっていた鳴無さん。彼女のことも何とかしてあげたかったんですが、いかんせん手が回らずにいたんですけど気が付いたら彼女は変わっていました。
いったいどんな心境の変化があったのでしょうか。
やはり年上の教師との会合より、同年代の同じ生徒との関わりの方が良い結果を生む、とか?
「鳴無スイレンの変化は立花ユリが関与しているよ」
「――えっ?」
突如後ろから聞えた声に私はバっ、と振り返ります。そこに立っていたのは、
「生徒会長の、えっと……」
「あぁ、名前は今は良いだろう?それより鳴無スイレンに関しての話だ」
長いブロンドヘアを腰もとまで伸ばした、凛とした女生徒。昨年の投票で二年生ながら三年生を下し、見事生徒会長の座へと着いたカリスマ。あの髪色は染めているわけでは無く、地毛なのだとか。たしか母方がイギリスだったかの血を、と聞いたことがあります。
しかし、ここで立花さん?
たしかに彼女は問題児多めなウチのクラスの中でも数少ない良心といいますか、私のことを良く手伝ってくださる心優しい子ですが。まさかここで彼女の名前を聞くなんて。
「昨年十月頃から立花ユリは放課後、たびたび図書室に行っては一人で読書をしていた鳴無スイレンと接触、交友を深めていた」
「立花さんと鳴無さんが、そんな素振り見たことありませんけど……」
「いきなり二人が教室で親し気にしていても周囲が驚くだろう?それはあの性格の鳴無スイレンには酷なものだ」
たしかに急にクラスの話題の中心になったら鳴無さんはきっと卒倒してしまう。
じゃあ立花さんはそれも考慮して、周囲となじめるように彼女の自信とコミュニケーション能力が育つように放課後二人だけで会話の特訓をしていたということでしょうか?
もし、本当にそうなのでしたら。立花さん、貴女は本当に……。
本当に、なんて心優しい子なんでしょうか。
不甲斐ない私の授業のサポートだけでなく、手の回らなかった生徒のフォローまで完遂して。私には出来なかった、生徒の心に寄り添うことも成し遂げて。
ならば、それならば。
もしかしたら花火さんのことも、私ではうまくできませんでしたけども彼女なら……。
私は恥を忍んで、立花さんに相談してみることにしました。
「――あくまで変化の原因は立花ユリであるというだけだがね」
「……ここが花火さんの家」
スミレちゃんに相談されてやってきました花火カガリさんのおうち。
なんでも引きこもりになってしまった子の相談に乗ってあげて欲しいとのこと。どこから漏れたのかは分かりませんが、私がスイレンちゃんの最近の変化に関与していると聞いてきた先生がもしかしたら、とお願いしてきたのです。
いやぁ、面倒くさいですねホント。
優等生も困ったものです。虐められて引きこもりになった子をテストだけでも受けられるようにしてほしいと言われましても、ムリでしょうとしか言えません。
花火さん、それはもうメチャクチャに虐められてましたもん。スミレちゃんは気が付いてませんでしたけどもね。やっぱりそういうの、先生に隠すのは巧いんですよいじめっ子って。
先生の前だけでは仲良くやってる風を装いますから。
まぁいじめられたこと自体はかわいそうですが、虐められる本人にも問題はあったんですけどもね。
彼女、軽度の虚言癖なので度々嘘をつくんですよ。それは日常の些細なことから、果ては授業変更だなんだと大掛かりなものまで。
高校デビューの失敗にその虚言癖でのヘイトが乗っかって虐めは加速していきました。ああいうの、すっごく嫌がる人がウチのクラスには一人居るんですよね。
もちろん、カレンちゃんのことですが。
えぇはい。花火カガリさんを虐めていた筆頭は私の最推しこと幼馴染、カレンちゃんでした。
すぐに要らない嘘をつく彼女にイライラしていたカレンちゃんはそれはもう、日々のストレスの解消のように彼女に強く当たりましたよ。トイレの個室上から水を掛けるとか、本当にやるんですね。いや、虐めといえばコレみたいな印象があるから逆にやられやすいのでしょうか。
本人は大事にしたくなかったのか学校や家族にも黙ったままだったようですが、どうやら耐え切れず不登校になった、と。
あ、もちろん私はいじめに加担してませんよ?私はカレンちゃんと違って良識のあるいい子なので。
いい子なので先生のお願いを聞いてここにきているんですから。引きこもりになっちゃった花火さんを外に連れ出して、テストだけでも受けさせてって依頼が。
「まぁでも……」
するつもりないですけど♡
せっかくの引きこもりですしね、こういうパターンのモンスターの卵は私も初めてです。いかんせん、外に出ないから接触のしようが無いので。
今はただただ引きこもりですが、私の目標はたった一つ。そのために今日ここにやってきました。
親のすねを齧りに齧りまくる、引きニートモンスターの育成。
ただそれだけを決意に、ドアベルを右人差指で鳴らしました。
新ヒロインは不登校ちゃん編です キャラの性質上他キャラは出にくいので素早く進めていきます
キャラ設定
花火カガリちゃん
高校デビューに失敗し、夏休み以降から学校にあまり来なくなってしまった女の子 冬休み明けからは一切学校に来ていない 出席日数自体は足りており、成績自体も来なくなるまでは良かったのでテストさえ受ければ進級は出来るのに……、と思ったスミレちゃん先生が最近他人によく話しかけに行くようになったスイレンちゃんの変化がユリのおかげだと生徒会長から聞き、恥を忍んで会いに行ってほしいとユリに頼み込んだことから二人の交友は始まる
彼女には虚言癖があり、それも周囲との壁を作ることに一役買っていた
R18版希望調査
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カレンちゃん
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キッカちゃん
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スイレンちゃん
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カガリちゃん
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カスミさん
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スミレ先生
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シスターキキョウ