せっかくのTS転生だし可愛い幼馴染を化け物にしてみた(責任取るつもりは一切ございません) 作:すっごい性癖
(キャラ数がまぁまぁ多いので、全キャラ分のR18作成は難しいと思います。ご了承ください)
現在キッカちゃんのペット√を書いています そのうち投稿します
それから私は一か月、ほぼ毎日と言っていいくらいに花火邸を訪れました。
冬休みが終わったのももうだいぶ前の話、もうすぐバレンタインデーが目前なくらいです。いろいろなお店でチョコレートが並べだされるようなシーズンに世間の空気もなんだか甘い気がします。
当然それだけの時間が経てば期末試験ももう目と鼻の先。二月末から試験なので、あと二週間ほどでしょうか。
テストだけでも受験させたい、というのがスミレちゃんの要望でしたが……。
しかし一向に私は花火カガリさんと顔を合わせることすらできずにいました。
「カガリさ~ん、少しで良いのでお話しできないかな~。扉越しや、通話でも良いからさ?」
「……」
こうして毎日のように無機質なカガリさんの自室扉相手に一人声をかけ続ける日々。もちろんその結果は梨の礫。未だ彼女の声が返ってきたことはありません。
「ほんと、ほんのちょっとで良いからさ?学校に来て、とか、テストを受けて、とか言わないから、今日はただ二人でおしゃべりしよ?」
「……」
「……はぁ」
なんと言いますか、メチャクチャ凹みます。
高校入学以降、とんとん拍子に私の思ったまま計画が進んでいたのでここまで思い通りに行かないのは久しぶりです。中学後半もこんな感じでしたっけ。その頃はずっとイライラしててカレンちゃんが『ユリ、機嫌悪すぎ。生理?』とか聞いてきたんですよね。
正直、私としてはもうカガリさんが留年しようが高校中退しようがどーでもいいんですけどもね。
だってカガリさんのお母さん、カスミさんがいるせいで面白い方向に転がんなさそうですし。最初こそカガリさんを引きこもりから引きニートにしたら可愛いかな、なんて思いましたけど家族からその存在を許容されるニートは社会の負け組じゃなくてただの勝ち組でしかないでしょうよ。
例え母親から見向きされていないとしても、一切の不自由なく働く必要もなしに生存ができる人間は幸福ですよ。そんな娘の何を見て楽しめって言うのですか。彼女がカスミさんに『遊ぶ金寄こせ!』なんて反抗しても、絶対ニコニコ笑顔を顔に張り付けて、お金だけ渡して彼女自身には一切興味を持たないでしょうし。
飼い殺しされるモンスターなんてモンスターではありません、ただのチワワですよ。チワワカガリです。
だからもう私としては手を出しようもなさそうですし、彼女がどうなろうと知ったこっちゃないんですけれども……。
「ユリちゃーん、もうそろそろソレやめてリビングにいらっしゃ~い!お紅茶用意したわよ~!」
なんだか、やけにカスミさんに気に入られたようでやめるにやめられないんですよねぇ。
「あっ、はいわかりました!今行きます!」
私はカスミさんからの呼び声に返事し、何も言わない扉から離れます。
カスミさんはどうやら本当の本当にカガリさんに興味を持っていないようでした。私がこうして何も言わない扉に話しかけていることをこの間なんて『そんな無駄なことしてないでこっちでおしゃべりしましょう?』と言ってのけましたからね。滞在時間およそ二時間、花火さんへの呼びかけ五分、おしゃべり残りなどという気が狂ったような時間割になってましたよ。
じゃあそもそもこの家に来なければいいんじゃないかって話なんですけれどもねぇ。
カスミさん、度々『先生に、ユリちゃんは熱心に通ってくれているとお話していてねぇ』とかそんな感じの明らかな『私はお前の担任と密に連絡を取っているぞ』アピールをしてきますから。これで行かなくなったらいったいどんなあることないことを吹き込まれてしまうのか。きっと多かれ少なかれ先生からの印象は落ちますよ。途中で折れたんだ、って。
それが学校での私の行動の妨げになりうるので下手な手が打てないんですよ。私が学校で比較的自由に動けるのも先生の物覚えの良さからですから。
ですのでこうして毎日学校帰りに寄らざるを得ないんですけれどもね。先日とうとう、休日まで呼び出されましたし。
しかも近所の公園の清掃ボランティア。呼び出しというよりは一応お誘いでしたけど、あの時の彼女の眼を見たら嫌だなどと言えませんよ。明らかに私が初めて彼女と会った、こちらを鑑定するような瞳でしたから。
「それじゃあユリちゃん、また明日ね~♪」
「えぇカスミさん、また明日お伺いさせていただきます」
「もぉ、そんな堅苦しくしなくたっていいのに。我が家を第二の家と思ってくれてもかまわないんだから♪」
「あははっ、そんなそんな」
そんな感じの会話を玄関口で交わして私は魔境から出ます。
――すぅ。なんだかやっぱり外の空気は美味しい気がしますね。さきほどまでどぶ川の水を飲まされていたような気分ですよ。
この一月の付き合いでなんとなくカスミさんの人となりが分かりましたが彼女はあれですね。自分の理想を他人に押し付けようとする方。
カガリさんへの無関心もその心からでしょう。初対面の時にもやけに私をカガリさんと比較しては立派、立派と褒めそやしまくっていましたし。
彼女にとって子供に求める姿は礼儀正しく、可愛らしく、優秀で従順。ほかにも色々と求める条件はあるんでしょうけど、今のところ分かるのはこのあたりですか。
先日のボランティアも、ようは休日の無給奉仕に自分が誘ったとして断るかどうかをみていたんでしょう。そして断った時点で私は彼女の理想から離れ、一気に無関心への対象と変化する。
彼女にとってもはや花火カガリさんは娘ではないんでしょうね。
ただ自分の卵子と夫の精子とが結びつき、子宮内から零れ落ちた何か。人はそれを自身の子供だと定義しますが、彼女はその定義を捨て去りただただ自分の股から堕ちただけの存在としか認識していません。
逆に、彼女にとっての娘の定義は先ほど挙げた理想の子供像。
つまりは、
「私、ですか……」
今現在、おそらく私は花火カスミの娘として彼女に認定されている。血のつながりなんか彼女にとってはどうでもいいのだろう。
ただ優秀で礼儀正しく、可愛らしくてそして自分に従順ならば子供として愛し、甘やかす。
あれは私の定義するモンスターではありません。
私のいうモンスター、化け物は自身の幼さを制御しきれず、他者を無差別に傷つける存在のことです。
しかし花火カスミさんは違います。
あれは彼女の幼さなんかではない。彼女の幼い心が完璧以外を認めないのではない。
彼女は大人として成熟した心で、他人をふるいにかけている。
アレは完全に人です、欲を理性で押さえつけています。
彼女とモンスターとの違いを人間に例えるとするのならば、性欲が適切でしょうか?
モンスターは自身の持て余した性欲に自我を失い、見境なく道行く異性、はたまた同性を犯すような存在。一方彼女は性欲を自覚したら手を出す相手に薬をもる、お金をチラつかせる、脅す……、とあらゆる手段を通じてその欲を満たそうとする。
欲の前に理性が顕れる、明らかな人間の兆候。
はっきり断言してしまいましょうか。
花火カスミはサイコパスです。しかも重度の。
あのような人間が子供を身籠れたこと自体が信じられません。すくなくとも普通の人間が辿る恋愛からの結婚、出産ではないでしょう。
(ほんと、やっかいなものに眼を付けられました……)
逃げること自体は簡単ですよ。だって彼女の理想的でない姿を見せるだけで勝手に興味をなくすんですから。
ただそのタイミングがカガリさんの問題解決前となると非常に厄介なことになりうる。それが問題です。
「……、来てませんね」
ちらり、とスマホをポケットから取り出し通知を確認する。が、そこには一つも連絡は入っていない。
先ほど、彼女の部屋の扉の隙間から私の連絡先を書いた紙を投函したんですけれども反応はないです。
こんな手段、最初から思いついておくべきでしたが私もだいぶ動転していたのでしょう、この異状な現状に。
しかしこのまま彼女の部屋の前で声をかけ続けてもきっと成果は得られません。
今は唯、彼女があの紙に気が付き、連絡をくれることを願うのみです……。
珍しく受け身のユリです
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