せっかくのTS転生だし可愛い幼馴染を化け物にしてみた(責任取るつもりは一切ございません)   作:すっごい性癖

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ユリは自分の娘です、と考える母親 自分の母親です、と述べる娘
この異常親子は思った以上に反響を得られ驚いています

それでいてアンケートの票数が一切伸びない当たり珍獣枠ですね


果たして認知すべきかどうか それが問題

 

「ママ、ママぁ♡もっと褒めて?」

 

「あーはいはい、偉いですねぇ、可愛いですねぇ、カガリちゃんは私の自慢ですよぉ」

 

「わ~いやった~!バブバブ~!」

 

はてさて、どうしたものでしょうか。

 

カガリちゃんが私を実の母親だと思い込むようになる事件から数日経ちましたが、その妄想が掻き消えることはなく、いまだにママ、ママと甘えてきています。

 

むしろ時間が経ったせいでその存在しないはずの記憶がより強固になってきて、最初はあやふやなエピソードトークでしたのに、今では私が病院で彼女を産んでから今日までの親子の日常までを全て架空で作り上げる始末でして。なんといいますか、はっきり言って恐ろしい。

 

何が恐ろしいって、『ママって確かギョーザが好きだったもんね?』とか、『でも小籠包とかは苦手なんだよね?』とか言ってきて、それが実際当たってるところが本当に怖い。言ったことないプロフィールを妄想だけで看破してこないでください。

 

勝手に十六年分の家族の思い出を創り上げて滔々と語られ続けれたせいで最近、夢でも見るんですけど。お母さんな私が娘のカガリちゃんと仲良くお菓子つくりするシーンとか求めてませんし、チョコが油分分離して失敗して二人で苦笑いするリアリティもノーセンキュ―です。

 

しかも更に恐ろしいのが今の状況。

 

分かります?彼女、ただノリでバブバブ言ってるんじゃないんですよ?花火カガリの異常さを舐めないでください?

 

この子、私があの日から翌日訪れるとどこからか涎掛けとガラガラを用意してたんです。当然といいますか、当たり前のように涎掛けを自分に着けて、おしゃぶりまでしゃぶって。

 

私、今本当におっきな赤ちゃんをあやしながらガラガラ振ってるんです。ガラガラ、ガラガラって振れば無邪気にキャッキャ、キャッキャ笑って。傍から見る分には微笑ましい笑顔ですが、全体を見ればドン引き確定の構図でしょう。

 

さらにさらに、これ。ただの赤ちゃんプレイでもないんです。カガリちゃんが新しい性癖に目覚めた、とかそんな生ぬるい話じゃない。

 

これ、記憶の塗り替え、既成事実の上書きですよ。

 

彼女が作り上げたユリママとカガリちゃんの心温まる親子の愛情譚、その内容を事実に後から置き換えて明度を上げようとしているんです。しかも本人はこのことを無自覚に、一通りのことが終わった後真顔で、『昔はママにガラガラ振ってもらうのが好きで、よく甘えてたな~』とほざくんですよ?それ、昔って言うより数分前の話だっていうのに彼女の中では十数年前の記憶に分類されている。

 

ようは私、着々とカガリちゃんのママにされていっています。

 

……認知とか、した方がいいのでしょうかね。産んだ記憶はないんですけど、育てた記憶だけ少しずつ積もっていってますし。

 

「ママぁ……」

 

「ハイハイ、なんですか?カガリちゃんは今日もとってもいい子ですよ?」

 

「そうじゃなくてぇ、いやいい子なんだけどぉ。……あのね?」

 

もじもじとこちらを伺ってくるその様子に内心嫌な予感しかしない。それこそこの態度、この赤ちゃんプレイモドキをした時にも見た気がしますが。

 

そんな私をさしおいて、カガリちゃんは今日もまた気が狂ったような話をしてきました。

 

「ママ、僕ね、お腹すいちゃった……」

 

「お腹が?……え、もしかしてまさか」

 

ほんと、イヤな予感しかしないんですけど。でもカガリちゃんは止まってはくれない。壊れた電車のように勢いよく突っ込んでくる。

 

「だからね、ママ……。おっぱい――」

 

「マジですか……」

 

いい、カガリちゃん?ママね、いやママじゃないんだけどね?おっぱい出ないの。というか出たら困るの。妊娠してないのに母乳なんか出たらそれこそ人体の不思議。そんな不思議は願い下げですって。

 

「あのねぇカガリちゃん?さすがに母乳はでないか……」

 

「うぅっ……、ぐすっ」

 

やめてくださいよ!そんな泣く寸前みたいにならないで、こっちが悪いみたいじゃないですか?!私、珍しくカガリちゃん関係は悪いことしてませんよ?!基本、やってることドクズの愉快犯ですけど、貴女に関しては勝手にママ認定して、勝手にぐずってるんですよ?!たしかに最初は全肯定マシーンをやってましたけど、こんなの予想できるわけないですし。

 

……。

 

あぁ、もうっ!

 

「いいですよ、飲みたきゃ勝手に飲みなさい!」

 

「きゃっ、きゃっ!」

 

バッ、と制服のブラウスのボタンを外し、ブラもずらして胸を曝け出すとまるで餌を差し出された犬のように真っ直ぐに顔を近づけてくるカガリちゃん。

 

すぐさまカプリ、と右の方の乳首を咥えちゅーちゅー吸い出しました。

 

「あー、美味しいですか~?美味しいわけないですよねぇ~。だって何も出てませんし~」

 

「あぶっ、あぶっ!」

 

「そんな強く吸わなくても出ないものは出ない……。といいますかカガリちゃん、そこまで赤ちゃんでしたっけ?さっきまで日本語使っていましたけど」

 

はぁ、何してるんでしょうか私。

 

学校帰りの放課後に不登校の女の子に授乳(出ないものは出ない)って。変態そのものでしょう。警察がこの場に居たら真っ先に捕まえますよ、きっと。いえ、こんなとこに居る警察が真っ先に捕まるべきですがね。そのくらい酷い状況ってことですよ。

 

それから五分ほどしてやっと、気が済んだのかカガリちゃんは胸から口を離してくれました。

 

あ~あ、唾液でテロテロになっちゃってますよ。ティッシュ、ティッシュ……。

 

最初の方こそ不登校とは言え同級生が胸先を吸っているんですからエッチなことも考えましたけど、こうも長時間ひたすら吸われていますと気分はもう、無です、無。

 

はよ終わらんかな、くらいしか最後考えてませんでした。

 

なんで私、母性を獲得する前にこんなリアルな感情を知らなきゃいけないんですか。知りたくなかった、授乳している時の気持ちとか。

 

あぁもう、やめてやめて。そんな飲み終わったからゲップさせて、みたいにするの。なんでカガリちゃんは度々リアリティを求めるんですか。

 

彼女にとってはこれがリアルで過去起きた確かな記憶だから?ほんとなんなんです、貴女。気のせいか顔の血色もよくなってません?ほんとなんで?

 

「美味しかったですか、カガリちゃん?」

 

「うんっ、とっても!僕もう、お腹いっぱいだ!ありがと、ママ!」

 

「……」

 

そんな訳ないでしょう。誓って言いますけど私の胸から何も出てませんからね。あなたは何も飲んでいないし、お腹なんて満たされる訳もない。血色とか良くなるわけがない。

 

「ママのおっぱいはね、ほんのりしょっぱいんだけど甘みもあってね?それに若干暖かくて、『あぁ、愛されてるなぁ』なんて感じられるんだ!僕大好き!」

 

「……それは、よかったです」

 

もう、飲んでもいない物の食レポしてることになんか突っ込みませんからね。なんですか甘じょっぱくて温かいって。私の母乳は甘酒か何かですか。愛されてるって、もうどこからそんなのを読み取ってるんですよ。ダメじゃないですか、本文に書かれてないような内容で答えを書いても現代文は零点ですから。

 

「ねぇママ覚えてる?」

 

「おそらく何も覚えていませんね。知らないので」

 

「私の小学校入学式の日さ?学校の前の看板で一緒に写真撮ったの」

 

「案の定知らない話ですし……」

 

なんかホントに、口を開けばもう知らない記憶がどんどん溢れてきますね。こうなる前は虚言癖を持っていましたが、それがこの記憶の捏造を手助けしているんですかね。一から十まで全部出鱈目。

 

愛されないから愛されるために持つようになった虚言癖が、今度は愛されていると実感したから愛されていると自分自身に虚言を持つようになった、みたいに。母親に愛されたいという気持ちに、初めて他者から愛されたという事実が変に混ざり合って自分を愛してくれた人が本当のママだ!と。

 

そしてママなら今日までの思い出があるはず。それが無いということはあり得なくて、なかったらママがいないということに繋がり、それ即ち自分は愛されていないという点に戻ってしまう。

 

それを本能的に恐れた彼女が知らない記憶を生み出し、補完することで自己を保っている。

 

 

……あれ?これ、思ったよりも私のせいじゃないですか?

 

 

ずっと被害者気分でいましたけど、カガリちゃんの変化を一から丁寧に考察していくと全部私に帰結しそうといいますか、逃げ場がないような……。

 

もしかして割と真面目に認知した方がいい案件?私、零歳の頃にカガリちゃんを産んだことを認めなきゃダメ?人道的に……。

 

 

「ママ大好き~♡僕たち、ずっといっしょだよね?」

 

認知、しなきゃダメぇ?

 

若干の罪悪感と多量の恐怖を抱えながら、とりあえず今はと抱き着くカガリちゃんの頭を撫でることにしました。今はあまり考えたくないです。

 

 




こいつらキモイ

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