せっかくのTS転生だし可愛い幼馴染を化け物にしてみた(責任取るつもりは一切ございません) 作:すっごい性癖
私は悩みました。
現在私は、カガリちゃんのおうちに通い詰めて不登校をどうにか、せめて学校には来るようにはさせようとしているところです。
そしてそれをし始めた最初の理由はスミレちゃんにお願いされたからで、これを何とかすればさらに学校で私の行動は自由度を増すだろうと企てて了承したから。
でもそれだけではほどんど無給での仕事になるから、いつもの私らしく可愛い女の子を誰もが嫌うモンスターへと育成、今回はカガリちゃんを引きこもりちゃんか引きニートちゃんへ進化させてつり合いを取ろうと考えていました。
しかしその目論見は覆った。私がどうこうする以前に家庭環境に難のあったカガリちゃんはもうとっくにモンスターへと化けていた。そしてその魔の手が及ぶ範囲に私は自ら飛び込んでしまった。
他者からの愛に飢えていたカガリちゃんは私を母親と思い込むことで自身への愛を証明しようとしています。
これでは私が初めに考えたつり合いが不成立、いやそれどころか余計に私にとっての負担となってしまっていますよね。先生へのご機嫌取りの為に同級生に母親扱いされて授乳やらなんやらを強制される、というのは明らかにおかしい。
ならばどうするか。
まず思い付くのは、今すぐあの家には行かないこと。
しかしあのサイコパスがどんな行動をとるようになるか想像ができないので下手な行動が出来ないからそれは厳しいのが現状。それに順序としてはカスミさんから私への関心をなくさせてからでなくてはならなく、それ即ち私が先生に任された業務の失敗を意味します。カガリちゃん関係が一切変化ないまま、私が嫌な思いをしただけでおわる。
これはいただけません。ここまで身体を張って一切報酬が無いというのは納得がいきません。
ですので家に通うのを止める、という案は却下。
そして次に思い付く案。こっちも話は簡単です。
さっさとカガリちゃんを学校に行かせればいい。カガリちゃんが自分から復学する判断を行えば私はあの家へともう行く必要が無くなります。
案と言いますか、もはやどちらを先に行わなければいけないかの順序整理でもありますね。
私が正当な報酬を得て、なおかつあの家に寄りつかなくてよくなる順番はもう一つだけ。
しかしこの順番で重要なのはカガリちゃんをどうやって学校に行かせるなければいけないか。
この点で私は色々と悩みましたよ。
そもそもそれが難しいから拗れているというのに、それを早急にとプラスのオーダーが付け加わるんですもん。
それに引きこもりだった子を復学させるために私が奔走する、というのも私自身の主義と言いますか、性癖に反します。
問題児を作って観察することが趣味な私が、どうして問題児を普通の子に戻す為に頑張らないといけないんですか。
長ったらしくなりましたからさっさと結論を述べましょう。
私は花火カガリを自身の娘として認知します。
「ママぁ、今日もいらっしゃい!」
「うん、ありがとうねカガリちゃん。お出迎え出来るなんて偉いねぇ」
「へへっ。大好きなママのためなら、ボク、なんでもするよ!」
言ったね?言質取りましたからね。
「偉い偉い……。ねぇカガリちゃん?」
「ん、なぁにママ?」
はぁ……。これから自分が言う内容を思うとどうにも億劫になります。胎の底に異物を感じる様な、そんな風に錯覚を。
だってそれは今生での私自身を否定するようなものですから。
……はぁ。
「カガリちゃんは、いい子だよね?」
「うんっ、僕いい子だよ!」
「ママのいうコト、なんでも聞いてくれるんだよね?」
「もちろんだよっ!」
しかしそれも仕方がない。たった一時だけ、これっきりだけですから。今だけは苦渋の判断と飲み込みましょう。
「……じゃあさ、一緒に学校行かない?」
「……え?」
ぴたり。先ほどまで身振り手振り大きくしながらこちらにニコニコと笑顔を向けていたカガリちゃんが動きを止める。
その顔は驚愕に満ちていて、裏切られたと書かれているようでした。
「マ、マ……?ウソだよね?ママがそんなこと、僕に言う訳ないよね?じょ、冗談キツイよ……」
「冗談じゃないですよ、カガリちゃん」
「やっ、やだ!僕はずっとココに居て、ママと一緒に仲良く暮らせればいいの!学校とか、行かないでイイじゃん!ね、僕いい子でしょ?凄い子でしょ!!じゃあ学校とか要らないでしょっ!?」
泣きそうな顔をしながら抗議する彼女は必死そうで、私の腰に縋りつきます。その姿を見るとチクリと胸が痛まなくもないですが、このままでは遅かれ早かれ損失が生じてしまう。
心を鬼にする必要があります。
「ねぇカガリちゃん。学校に行かないとさ、困るのは将来カガリちゃんなんだよ?」
「……ふぐっ、ひぅっ」
とうとう泣き出したカガリちゃん。頬は真っ赤になっていて、眼も充血していました。私という愛してくれるママが自分を拒絶することに心が割れそうになっているのでしょう。
「もしカガリちゃんがこのまま学校に行かないとね、学歴としては高校中退中卒ってことになる。そうなると就けるお仕事なんてたかが知れてるの。カガリちゃんは一日中辛い肉体労働をするのと、えっちなことを知らない人にするの。どっちがいい?」
「そっ、そんなの。……やだ、よ。やだ、けど……」
「日本でね、高校すら卒業していないで就職しようとするとそれくらいしかないの。ママはね、カガリちゃんにそんな辛い目にあってほしくないなぁ……」
「……ぐすっ」
実際彼女がこのまま引きこもっていてそう言う仕事に就くことになるか、と言われたら実際はそうはならない。だってこの部屋から出ないままならあのサイコパスは機械的にこの娘を養い続けるだろうから。お金には困っていなさそうですしね。
でも今カガリちゃんの頭の中の人間の中での序列はすべての人類をぶっちぎって私が一番。私が話すもしも、の話はもしも、ではなくそのうち必ず起きる絶対と感じてしまうことでしょう。
幼子にとって世界とはすなわち親を指しますから。
「でもさでもさっ、がっこいかなくても、高校卒業の資格とかもあるって聞いたことあるよっ?」
「うんそうだよ、確かにあるね」
「じゃあさっ」
「でもね、高校中退から高校卒業になったところでカガリちゃんの取り巻く環境が良くなることは無いの。今の日本でまともな就職を目指すにはまず、大学卒業が求められる。カガリちゃんが知っているような会社はね、就職の段階で大学卒業をして居なきゃ応募できません、ってところもいっぱいなの」
「……んぅ」
これも同じ理由でまかり通っている暴論です。実際学歴が高卒で成功している人はたくさんいるし、成功でなくても高校中退に比べたらよっぽどマシにはなります。比較的マシ、ってだけで全体で見ればマシなどとは決して言えませんが。
カガリちゃんが私をある種、崇拝しているから通っています。
「――ねぇカガリちゃん、カガリちゃんはさ。なんで学校に行きたくないの?ママにだけ教えて?」
ぎゅう、と足元で蹲る彼女を抱きしめながら耳元でささやきます。
自分ながらサブイボが起ちそうですね。私がなんでこんなことをしなければいけないのか。
「ね、教えて?誰にも言わないから、ママが約束する」
「……ほんと?ほんとに言わない?約束する?」
「うん、ママとカガリちゃんとの約束だから。絶対に破らないよ、親子だからね?」
ぶるる、と身体を震わせる彼女。恐怖が心の奥から漏れ出しているようで、それでもこちらに縋りたいと私を強く抱きしめます。
ちょっとの間、カガリちゃんは黙り込む。
「あのね、あのね……。僕ね……」
数分ほどして、彼女は口を開きました。
「僕ね……、イジメられてたんだ」
知ってますよ。
と、言う訳には当然いかず震える彼女をより強く抱きしめました。
「僕ね、僕ね。みんなと仲良くなりたくてさ、そのためにいっぱい喋りかけたの。自己紹介もいっぱい、僕はどんな人間で~、とか、どんなのが好きなんだ、とかね。いっぱい、いっぱい……」
「うん、うん……。それで?」
「それでね、僕一杯頑張ったんだよ?でもね、みんな僕のことをウザいって、話しかけるなって……。それからね、ノートとかペンとか、教科書とかを盗られて酷い事されたり。トイレでお水を掛けられたり……」
「そっか、辛かったねカガリちゃん……」
いじめっ子の幼馴染、いじめられっ子のお母さん。私以上にダブスタを決め込んだ人間も人類史には居なさそうですね。
きゅうと喉が閉まっているからか、すすり泣きながらも上ずっている声はとても聞き取りにくい。彼女に起きたイジメの内容を知っているから補完できています。
「それがさ、……っひぐ。こわ、くて……。こ゛、わ゛くってさ。っぐ、っ……。それでっ、いか……。がっこ、いかなくなったの……」
「……そっか。ありがとうね、つらいのに話してくれて」
これ以上ないほどに強く抱きしめ合う。
きっと肌の下に青あざが残っているでしょうし、残しているでしょう。それでも気には留めません。今止まったら彼女は一生自身の殻の中に籠るでしょうから。
他人に愛されるために嘘を重ねて、いつしか自分自身にも嘘をつくようになった彼女が初めて自分の心の奥を明かした。
二回目なんて起きるはずがない。
だから踏み込む。このままでは、だから行かないで止まってしまうから。
いつもの私なら手放しで喜んだでしょう、彼女がこれからさらなるモンスター化への飛躍を成し遂げるんですから。
ですが私は決めてきたのです。
私は彼女を、カガリちゃんを真っ当な真人間に育てて見せると。
他の人と仲良くできるような協調性や人間性をもってもらうのだと。
「ね、カガリちゃん。こんどはママのお話を聞いてくれる?」
「……ひぐっ、ママの?」
「うん、そう……」
「……いいよ」
ありがとう。そう彼女に伝えてから少し間を取る。今のカガリちゃんは頭の中が真っ白になっているでしょうから、少しでも時間を空けて冷静さを取り戻してもらうために。
私は彼女がそろそろ会話内容を理解できるくらいには落ち着いたでしょう、と口を開くことにしました。
「カガリちゃんが辛かったのはママ、よくわかったよ。カガリちゃん、よく頑張ったね?」
「うん、僕頑張ったよ……、ママ」
よしよし、と頭を撫でてあげれば心地よさそうに目を閉じるカガリちゃん。
もうすっかり私のことを母親としか思っていないのでしょうね。最初の頃は自分自身を騙すためにか過剰な演技じみた挙動がありましたが、今では本当に母親に甘える子供のようです。
「でもね、それでも……。ママはカガリちゃんに学校に行ってほしいの」
えっ、と驚きの声を上げようとするカガリちゃん。そんなカガリちゃんを押しとどめて先に言葉を放つ。
「ママがあなたを守るから、学校で絶対に一人にしないから……。ね?」
「まも、る……?」
「うん、守る。虐めっ子たちからカガリちゃんを守って、それでいっしょに学校で授業を受けて……。楽しい学校生活を送らせたいの、ママは」
なんで、どうやって。そういった疑問が彼女の顔に浮かんで満たしていく。
「ママはね、カガリちゃんが。大好きな娘が、元気に、ちゃんと育ってくれることが一番うれしいの」
「うれ、しい……?」
「そう、嬉しい。ママね、今みたいにカガリちゃんとお部屋の中で仲良くするのも好きだけどね?出来るんだったら一緒に外でお買い物したりさ、映画を見に行ったり、動物園なんかも行ってみたい。あっ、遊園地とかもいいよね?」
「ゆう、えんち……」
「うんそう、遊園地。でもさ、今のままだとカガリちゃんはずっとお部屋から出られないままになっちゃう。それがママは悲しいんです……」
「あっ、ママ……。泣か、ないで……っ」
「……っ、ごめ、んね。つらいのは、カガリちゃんなのに……。っぐ、ママが泣いちゃ、ダメなのに……」
ぽろり、と自然と瞳から涙をこぼす。
頬を伝った雫は抱きしめたカガリちゃんの頬に落ちました。そうしてカガリちゃんは何か、覚悟を決めたような顔をします。
「……ママ、ほんとに守ってくれる?一緒に学校に行って、守ってくれる?」
やり切りました。今年のアカデミー賞は私のモノです。
はぁ、つっかれました。慣れないことはするものでは無いですね。
この私がまさか人を悪い意味でなく、ちゃんとした意味で教育をすることになるなんて。カガリちゃんというモンスターをもう一度もとの人間へと戻すことに……。
でも仕方ないですよ、仕方ない。今の問題を一気に解決するにはこれしかないんですから。
ですが、絶対ここで終わりませんからねッ!
いつか、その内!高校在学中には!!
普通の人間に戻ったカガリちゃんを、今度は私が毒親となってもう一度モンスターに育て上げてあげますから!!
今回の件はママ、ママ、って甘えてくる子に情が湧いちゃったとか!決してそんなんじゃないんですから!
未来への先行投資ですからっ!!
そこら辺、勘違いしないように!!
「うん、もちろんだよ。ママが、カガリちゃんを見捨てるわけないじゃんっ」
「……じゃあ、さっ。じゃあさっ、じゃあさっ」
「……いいよ」
毒親でぶっ壊れた女の子を、一回ちゃんと愛してから普通の子にもどして、それからもう一回今度は自分が毒親になってモンスターにする
遠回りですがこれがユリの許容ラインぎりぎりの判断でした
R18版希望調査
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カレンちゃん
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キッカちゃん
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スイレンちゃん
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カガリちゃん
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カスミさん
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スミレ先生
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シスターキキョウ