せっかくのTS転生だし可愛い幼馴染を化け物にしてみた(責任取るつもりは一切ございません)   作:すっごい性癖

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初めて主人公の名字が出ますがあまり覚える必要はありません 基本は登場キャラクター全員がユリ呼びとなる予定ですので


最推しカワイイ、こっち見て!

 

「先生、ここに置いときますね?」

 

「ありがとね~、ほんと立花さんにはお世話になりっぱなしだよ~」

 

「いえいえ、これくらいなんてことないですよ!」

 

にっこり、と努めて人に好かれそうな笑みを浮かべながら両手に持っていたノートの山を机の隅の方に置く。今日提出の数学の課題の回収です。

 

私は教科ごとにイメージカラーを設定してそれに沿った色のノートを使っているんですけど、他の人もそうなんだろうか。私は数学は水色イメージで、ノートももちろん水色なんだけど。

 

ざっと今置いた山を見て見てみれば私のイメージ、水色は若干多い気がするのでそういったことをしている人はクラスの中に私以外に居るのかもしれないですね、なんて思った。

 

「いやぁ、本当に助かってるよ~。立花さん、別に係でもないのにさ」

 

「これくらいでしたら何時でもお手伝いしますから、気軽に声をかけてください!」

 

「うぅ、優しさが心にしみるよぅ……」

 

目の前で若干オーバーリアクション気味に感激を表現する小柄な若い女性は呟く。しかしその言葉は本心のようで真に迫ったものであった。

 

大分お疲れの様です。大変ですね、と他人事ながら若干の憐れみを心に持つ。

 

そんな小柄でグロッキーな彼女は私たちのクラスの担任兼数学の教師である守連スミレ先生その人でもあった。

 

彼女はその小柄な見た目と二十代半ばといった年齢からよく言えば生徒と距離が近く、悪く言えば舐められている。クラスの大半が彼女のことをスミレちゃん、などと呼ぶと言えばどの程度舐められているかも分かるだろう。

 

そういった生徒と教師との近い関係性は相談がしやすい、とかいった精神的な部分ではプラスに働いてくれることもあります。しかしこと実務、仕事の部分となると舐められることはマイナスに働く傾向があってしまう。

 

現に彼女が受け持つ数学のノートを回収する係は別に居るのだけれども、彼女自身が舐められているからかその仕事が真っ当に成されることは殆ど無い。

 

というか、絶対に無いのです。

 

「先生がお優しいのはわかりますがもうちょっと強気になってみられては?」

 

「うぅ、そうなんだけどねぇ。あんまり先生として言っちゃいけないかもしれないけどさぁ……。怖いんだよねぇ」

 

ね?とこちらをチラリとこれ以上は言わなくてもわかるよね、と言いたげに見てくる。

 

そう言った仕草がイチイチ小動物じみていて可愛らしい。なんだか私の少し汚れた心も洗い流されそうです。これがアニマルセラピーでしょうか。

 

まぁ先生が言いたいことも分かりますけどね。

 

だって何を隠そう、その数学担当の生徒こそ我らが最推し、カレンちゃんなのですから。

 

自分でもうちょっと強く彼女を叱ってみれば、なんて言ったが私自身そんなことには絶対にならないだろうと確信しての発言でもある。守連先生ことスミレちゃんとはこういった手伝いでまぁまぁの付き合いとなっているからその人となりはなんとなくわかっているからね。

 

上部からその芯まで全てが小動物じみている彼女は誰かに立ち向かう、ということが苦手なのだ。だから強気なカレンちゃんと対立することは避けたいし、私みたいに自身を助けてくれる人はすぐに懐に入れて依存気味になる。

 

きっと彼女も今からカレンちゃんが真面目にノートを持ってきてくれることなんて本気で望んでいないのだ。

 

別に彼女がカレンちゃんの更生を望んでいない、という訳ではないけど。ただもしそうなったら苦手意識のあるカレンちゃんと絶対的に接点が生まれるから嫌だなぁ、程度に思っているんだろう。本当にカレンちゃんがまじめになればそれはそれで喜ぶとは思う。

 

それくらいの人並みな善性に小動物性を併せ持ったのがスミレちゃんなのでした。

 

だから今のまま、別に苦手意識のない私こと立花さんが手伝ってくれるならそのままで良いかなぁ、なんて思っているのでしょう。

 

「それでは守連先生、私はこれで……」

 

「あっ、ありがとね~!」

 

私も別にそれでいい。スミレちゃんは見ていて和むし、教師の物覚えが良い方がこちらもいろいろと動きやすいから。ノートを運ぶ、とか。授業前の準備を手伝う、とか。他の教科ならともかく、大して作業がない数学ならコストよりパフォーマンスの方が高いですしね。

 

きゅっ、とそのまま職員室から踵を返して教室へと戻ろうとする。次の授業は古典だったか、あと二分程度で始まるから急がなくては……。

 

「あっ、立花さん……」

 

なんて風に帰路に付こうとしたら後ろから先ほどまで会話をして居た声が耳に届いた。いったいどうしたのだろう、と振り返り顔をコテリと横に倒す。

 

しかし呼びかけの声から続きの言葉が一向に出てこない。いったいどうしたのか、彼女はただ備え付けの椅子に座りながら視線を右往左往させてアワアワしている。

 

可愛らしいとは思うけれど授業に遅れそうな今は要件の方を早く行ってほしいのが本音ですね。

 

しかし待てども待てども彼女は要件を口にしようとせず、ならばいっそこちらから切り込もうか、なんて思い始めた頃。

 

「……ごめんね、やっぱりなんでもないよ」

 

と。絶対何でもないってことは無いであろう言葉を口にしました。普段ならその言葉にツッコミを入れ詳しく聞きこもうとしたでしょうが、生憎先ほど言った通り時間がない私に選択肢などありません。

 

そうですか、と簡単な返事を述べて今度こそ教室へと戻りました。

 

 

 

 

 

「ユリ最近付き合い悪くな~い?」

 

「そうかな~?今日もこうして一緒に遊んでるよ?」

 

学校も終わって放課後、今日はカレンちゃんと適当に遊びにきている。別に目的は無いけど、ぶらぶらとウィンドウショッピングをしたりしながら時間を潰して、お腹がすいたら適当なお店に入るかいっそカラオケにでも行って気が向いたら帰るのだろう。

 

いつものことです。

 

「そうだけどさぁ、なんか違うくない?この間カラオケ誘ったときとかも断ったじゃん!」

 

「アレは急用が出来ちゃってさ、ほんとごめんねって」

 

「最近も用事があって~、とか言ってたじゃん!私が誘ってるんだから他のヤツ、ドタキャンしてでも来てよねっ、最優先で!!」

 

うん、最高かな?

 

やっぱりコレだよコレ。最近はスイレンちゃんでジェネリックカレンちゃんを作ってみてるけど本家のもってる天然の旨味には勝てないねぇ。養殖物は結局たかが養殖なのだ。

 

実際は養殖の方が美味しいモノも多いんだけどね?やっぱり天然の二文字に私たち日本人は何故か頭を垂れざるを得ない傾向があるのでしょう。

 

「バツとして後でハンバーガー奢りだから!セットでね!」

 

「それで許してくれるなら全然大丈夫だよ♪」

 

「やりぃ!あとその後はクレープだから!」

 

「カレンちゃんはいつも元気だね~」

 

口を開いて自分を優先しろ発言のジャブの後はすぐさま他人の財布を狙ってくるブロー。しかも贅沢にデザート付き。本家はやっぱり違いますね、重みが。

 

多分彼女の中で私のお財布は彼女のサブウォレット的な認識なのでしょう。もしくは私自身が全肯定bot兼ATMか。どちらにしてもゴミ思想で最高です。

 

こんな娘、絶対社会じゃ生きていませんからね♡彼女の今のまるで神様のような振る舞い方と今後絶対避けられない転落を想像すると二重で美味しくてお得ですね。

 

「あっ、アレ可愛くない!?」

 

きらり、と瞳を光らせてまっすぐ走っていくカレンちゃん。その視線の先にはとある店の中に陳列されている高価そうなバッグたちの列。

 

そういった高級そうな商品が置かれているような店内で、周囲の目を一切考えずに、迷惑とか全く知らなそうな顔で小走りで向かっていく彼女の姿は正しくモンスター。場の空気を一気に切り裂く鋭い爪の様な彼女の振る舞いに私もニッコリ、100点をつけるしかありません。

 

走ったらあぶないよ、などと思ってもいないことを小声で口にしながら彼女が向かった先についていく。先に到着していた彼女はキラキラと子供がクリスマスプレゼントに向ける様な憧れを込めてその商品を眺めていた。

 

「ねっ、ユリ!これ、ちょー可愛くない?!」

 

ぴっ、と指をさしながら興奮気味に話すカレンちゃん。そんな君が一番かわいいよ、と言いたいものです。

 

なんて冗談は置いておいて。私も促されるまま指さされた先の商品に目を向けました。

 

(おぉ……)

 

内心、感嘆の言葉を漏らす。

 

それは小さい黒のショルダーバッグでした。重厚な色合いからは素材とした革の品質を伺わせ、また金属であしらわれたブランドマークは黒と白銀という定番の組み合わせながら定番になるだけはあると納得させるだけの気品を示しています。

 

しかし私はそう言ったデザインに慄いたわけではありません。

 

彼女はそのバッグを食い入るように眺めていますが私はその隅にさりげなく飾り付けられた白い紙きれを見つめます。小さな面積の中には不釣り合いに主張するようにいくつかの0の文字が並んでいて壮観です。

 

人はそれを値札と呼びました。

 

(たっかいですねぇ……)

 

ブランド、と言った概念は正直私には理解できない。どの企業が作ったかや、材料や製品の質なんかよりも大幅に値段を左右する要素としてそれは無駄というか、意味のない概念だと認識しています。

 

もちろんそれらの名声を得る為に企業側が多額の広告投資や市場展開を行ってきたことによるブランド性の樹立は理解していますが、それはそれとしてぼったくりではあると認識しています。

 

同じ高級品であってもご飯なら納得できるんですけどもね。アレは倍の金額を出したら倍美味しくなるわけでは無いですけど、高い金額を出せば出すほど品質は上昇していく傾向がありますから。お金に余裕があるのなら美味しさ一割増に倍額出すというのも納得はできますし。

 

ちらり、と隣に目線を向ければその商品にもう夢中、といった感じのカレンちゃん。

 

「いいなぁ、欲しいなぁ……」

 

そう呟きながら度々こちらをチラチラ見てくるカレンちゃん。気分は貢ぎ彼氏ですね。可愛い彼女をお金の力でつなぎ留めてる感じの。

 

普通の、同じ女子高生たる私に。しかもは幼馴染という関係性の存在に向ける視線じゃあ無いですよ、それ♪

 

こんなお高い商品、買ってもらえると思っているんですかね?私がこれまでずっと甘やかしてきて、肯定してあげてきて。緩め捲った頭のねじはその行動にゴーサインを上げたんですか、そうですか……。

 

「……っふふ」

 

あぁ、はしたない。思わず笑みを漏らしてしまいました。

 

でも仕方がないでしょう。

 

カレンちゃんがこんなにも無様で下品で無遠慮で、そんでもって可愛いんですから!

 

こんな高い品物を買ってくれるのか、ですか?

 

えぇ、えぇ!もちろん買います、買いますよ!カレンちゃんの為にプレゼントしますとも!

 

何のために今世で私がこんなに丁寧で愛想よくなったと思っているんですか!毎年の新年、両親、祖父母、親戚の皆様方!

 

彼ら彼女からこれでもかってほどにお年玉やお小遣いをふんだくる為ですから!!

 

これでもかってくらい親戚の方々の人脈を増やし、祖父母には理想の孫を演じ、両親には手のかからない優秀な子でいるんのはそのためです。彼女、カレンちゃんに会ってすぐに思いつきましたよ。

 

彼女を甘やかすうえではまずお金が最重要になるってわかってたんですから。バイトなんかで増やすことも考えましたが時間はなるべくカレンちゃんの調整に使いたかったですし。そのために新年一発目にどかんと大稼ぎすることに決めたんです。

 

おかげで私の通帳の中にはこれくらいのバッグなら買っても全然痛くない程度の貯金がありますから♡

 

……でも、さすがにこの金額のモノをぽん、とあげるのもそれはそれで問題があります。いつものプレゼントの延長にしかならないので金額に見合った成長には繋がらないでしょうから。

 

ならばどうするか。

 

特別を演出しましょう♪

 

「カレンちゃん?」

 

「えっ、なになにっ!?」

 

バッ、とこちらに一気に振り向いて期待したような眼差しを向けてくるカレンちゃん。彼女のその態度はもう、買ってもらえることを半ば確信しているようなモノ。やっぱり演出を計画してよかったです。ここで買ってあげます、なんて言っても彼女の心にあまり影響は生まなかったでしょうし。

 

「カレンちゃんは今年、とってもいい子でしたよね?」

 

「えっ、何なの急に……?」

 

「素直で、優しくて、頑張ってて。とってもいい子でしたよね、私はそう思っていますが」

 

嘘だけど。どこにいるんですかそんな気持ちの悪くてつまらないカレンちゃんは。連れてきてくださいよ、私がそろって調教しますから。

 

急な質問に疑問符を浮かべるカレンちゃんは若干不満そうに、『してたけど……』と答えた。すぐに買ってあげる、と言われなかったことが不満なんでしょうか。

 

あり得ないはずの返事に勝手に期待して、そして失望して不満そうにする感じも、自身を全く客観視できていなくてなんの躊躇いも無くいい子にしていたと答えられるその頭もすっごくカレンちゃんだ。

 

可愛くて頭がおかしくなりそう。これだけですぐに買うんじゃなくて演出を入れてよかった、と思えます。

 

「カレンちゃんも自分でいい子だったと思いますか!それは良い事ですね♪」

 

「ほんと急に何なの……?」

 

しかしこれ以上カレンちゃんを困惑させていても今度は衝撃が小さくなってしまうでしょう。困惑がクッションの役割を担って。大事なのはタイミング。

 

ということでそろそろ確信に触れていきますか。

 

「いい子なのでしたらきっと……、えぇ。そう、きっと。プレゼントが送られてくるんじゃないでしょうかね?もうしばらくしたら、そんなイベントが、ね?」

 

「……っ!!」

 

本日は十二月の十三日。年の瀬も見えてきた私たちには、しかし子供にとっては年末なんかよりもよっぽど大きな意味を持つイベントが待っています。

 

赤い特徴的な衣装と長い白髭がトレンドマークのおじいさんの存在をしらない人はきっとごく僅かでしょう。

 

もちろんカレンちゃんも例にもれず、彼の存在を知っています。いっしょにパーティー、何回もしましたからね?

 

そして彼の持っている年に一度だけの大仕事も当然ご存じでしょう。

 

その証拠として見る見るうちに不満そうだった顔が喜色に満ちていきます。今すぐ叫びそうなほどに嬉しそうなその顔はとても可愛らしく、私も思わずぎゅう、って抱きしめたいほど。

 

「そうだねっ、私今年一年もいい子だったしきっと良い事あるよね!」

 

「えぇ、きっと♪カレンちゃんの頑張りは誰よりも私が一番近くで見ていましたからよ~く知っています♡」

 

「そっか……。そっか!」

 

るんるん、と小躍りしそうなほどに上機嫌なカレンちゃんの姿はここ数年見た中でも一番うれしそうです。

 

やっぱり一芝居うって良かった。心からそう思います。

 

「そろそろお腹空いて来たな、もう行こうかな。どう、カレンちゃん?」

 

「そだね行こっか、ユリ!」

 

 

少し、この彼女にプレゼントを用意せずその事実を叩きつけたらどうなるか。きっとすごく落ち込むだろうし、逆ギレもしてくるだろうなとは思う。

 

そんな彼女も見てみたいけれど、それはやっぱりメインの欲求じゃないので却下して後日暇を見てこのお店に寄ることにしました。

 

このシーズン、すぐに買いに行かなければ他の方の贈り物用として購入されるでしょうから。

 

 




クズなだけで影が薄くてもカレンちゃんがメインヒロインなのだと主張していく所存

別にヒロインとして扱うつもりは毛頭ございませんが

それはそうと新キャラの設定 今回は薄目
守連スミレ(かみつれ すみれ)
その小さな見た目から生徒に舐められている若手教師 本人の気質と相まって注意とかができないのでクラスは騒がしいモノとなっている そんなクラスの中でユリは唯一自身を手助けしてくれるので好感を持って接している しかし本人の気の弱さから手助けのいる作業の多くをユリに依存してしまってもいる また実はお酒が大好きで帰宅後はすぐに冷蔵庫から缶を取り出してはプルタブを開けていた

R18版希望調査

  • カレンちゃん
  • キッカちゃん
  • スイレンちゃん
  • カガリちゃん
  • カスミさん
  • スミレ先生
  • シスターキキョウ
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