せっかくのTS転生だし可愛い幼馴染を化け物にしてみた(責任取るつもりは一切ございません)   作:すっごい性癖

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毎回ユリ視点ですと一話一話が重すぎるので気分転換に関係ない子視点です

本編にはまったく関係ない(わけでもないけど)ので読まなくてもいいです、と言いたのですがそもそも本編自体に一連の流れがあるわけでもないので今話も読んでいただければ幸いです

※恐らく今日は本編も投稿しますのでそちらもよろしくおねがいします


番外編 内と外との乖離性

 

「ボランティアの皆さまはこちらに集まってくださ~い!」

 

ぴーん、と左腕を精一杯上に伸ばして目印になるようにする。ここですこしでも見やすいように、とぴょんぴょん軽く跳ねるのがポイントです。冬の寒い空気の中では少しでも多く運動をすることが大事ですからね。

 

私の集合の合図を聞いたボランティアの皆さまも私のこの行動が功を奏したのかすぐさま集こちらに向かってきてくださいます。いえ、これは驕りでしょうかね。皆様の素直な徳によるものでしょう。

 

一分程度経過すると周囲に居たボランティアの方々も全員私の周りに集まってくださいました。

 

男女性別は半々、いえ女性の方が若干多いでしょうか?年齢は下は小さな子から上はご老人まで。人数は十人ほど、様々な方がご参加してくださってくれているようでした。そうした皆様方のご厚意に少しでも応えられるよう、私も一層気を引き締めました。

 

「皆さま、本日は当教会主催の清掃ボランティアにご参加くださり誠にありがとうございます。私は本日この地区の掃除を僭越ながら指揮させていただきます、キキョウと言います。気軽に、シスターキキョウとお呼びください」

 

今日は空気が乾燥しているからか、それとも寒いからか。あまりそういった知識は無いので本当の要因は分かりませんが声がよく通ります。ボランティアの方々も概ね静かに私の挨拶を聞いてくださるのでつつがなく自己紹介が行えました。

 

「では早速ですが、本日の作業についてです。今日は主に公園内、および周辺道路に捨てられているゴミ拾いを行います。皆さま方におかれましては各自持参していただいた軍手等を着用していただき、怪我等には十分ご注意して作業してください。また少数ではありますが軍手の貸し出しを行っていますので忘れてしまった方は遠慮せずお声がけを」

 

そのまま流れるように作業説明を行いますがこちらも問題なくスムーズに進行。こうした些細な箇所でも人間の持つ善性を感じられ、思わず口元が緩んでしまいますね。

 

「それではこれからゴミ袋と清掃用のトングを配りますので私の前に一列となって並んでください」

 

そう言うと皆さまは私の前に一列となり並んでくださりました。

 

一番前に立つのは小さな女の子。恐らくその後ろに立っていられるのが彼女のお母さまなのでしょう。親子で町内の清掃ボランティアに参加してくださるとは有り難いです。

 

「はいどうぞ、気を付けくださいね」

 

「うんっ!」

 

はい、とゴミ袋とトングを彼女に手渡すとにぱーっ、と輝かしい笑顔を浮かべながらまるで宝物のようにそれらを受け取ってくれました。その小さな手にはやや大きいように思います。

 

このくらいのお年頃は大人に憧れるもので、大人が使うようなサイズ感のものを好む傾向があるんですよね。なんだかそれだけで自分も大人の仲間入りをしたように感じて、特に大きいくて金属なんかの硬いものは強そうですし。私もそんな時期があったように思います。

 

彼女は手渡した清掃道具を両手で胸に抱きかかえると横へと捌けていった。見たところ小学校低学年ほどの子ですのに、しっかりしていますね。

 

「はいこちら清掃道具です」

 

「ありがとうございます、シスター」

 

続いて後ろに立っていた女性にも清掃道具を手渡すと「ありがとう」と、そう言ってすぐさま横に抜け先ほどの幼子のもとへと向かっていきました。やっぱり親子だったんですね。

 

それにしてもこう、形式と言いますか。私がボランティアの皆様方に清掃道具を貸し出しているという構図から「ありがとう」と言われるのは貸し出す、といった面だけを見れば適切なのかもしれませんが、あくまでこちらが募集した清掃業務に参加していただいているわけですから若干心苦しいです。なんと言いますか、マッチポンプ?と言いましょうか。合ってるんですかね、この言葉の選び方は。

 

そう言った言葉も皆様の善意ですのでこちらが勝手に心へ茨を立てているだけでしょうが。むむむ……。

 

あっ、思考が大分逸れていましたね。今は清掃業務、そのための道具の貸し出しでした。そう言った邪念との向き合いは業務後にでも行いましょう。

 

「はいこちら、清掃道具……あら?」

 

そう思いなおして脇に置いていました清掃用具を持ち上げ、また後ろの方に手渡そうとして。思わず手を止めてしまった。

 

その理由は自分でも分かりません。いったいなんで?

 

目の前に立っていたのは私と同じか、それとも少し下ほどの女の子でした。にっこりと、心優しそうな笑みを浮かべて。

 

(……なんなんでしょうか、この?)

 

この違和感はいったいどこから来ているのでしょうか。なんだか魚の小骨が喉元に引っかかったような僅かな感覚なんですけど。

 

しかしその思いに駆られて動きを止めてしまった私を不審に思ったのか目の前の彼女は笑みに若干の不思議そうな感情が乗ってきました。

 

私はそれを見て誤魔化すように口を開きます。

 

「申し訳ありません、少々驚いてしまいまして。高校生の方でしょうか、あまり貴女ほどの年齢の方々がご参加してくださるのは無いので。お気を悪くさせてしまったら申し訳ありません」

 

「あぁ、なるほどそうなんですね。別に全然大丈夫ですよ」

 

口から出まかせのように取って繕ったような理由を言うと彼女はなるほど?と納得半分、不思議さ半分と言ったような表情で同意の言葉を口にした。

 

実際、中高生のボランティア参加率はあまり高くはないのでその点で言っても私は若干の驚きは持っていた。部活動や友人との交友の方が最優先な年齢ですし、私もそちらの方が健全だと思っていますので。

 

それにしても。

 

意識して、ではないですがそんなことは言い訳にはなりませんね。虚偽を口にしてあろうことかボランティアに参加してくださっている方を騙ったことは事実。私もダメダメですね。彼女に心の底からの謝罪を想いながら戒めを刻み込みます。

 

そう反省しながら私は彼女に清掃道具を手渡した。

 

 

 

 

 

 

清掃開始から一時間ほど経過しました。

 

最初は全員集まって作業が始まりましたが、今はご家族や友人などと小さな集まりを作って掃除を行っています。

 

本日の作業は二時間を予定していますので丁度折り返しと言った程でしょうか。天気予報では本日の天気はよい、となっていましたがこのままなら無事悪天候に見舞われることなく終わるでしょう。ほっ、と胸をなでおろしました。

 

「あれは……?」

 

参加者の皆様方に問題はないか、と公園内を見渡していると私はとある一点に眼を止めます。

 

そこに居たのは二人の女性。そのうちの一人は先ほど私が粗相をしてしまった方です。もう一人の方は凡そ四十代程に見受けられ、年齢差だけで言えば二人は親子のようにも見られます。

 

しかし私にはどうも、その二人は親子のようには思えませんでした。

 

それは顔が似ていられない、といったような失礼と言いますか、根拠としては不十分な理由もあるにはあるのですがそもそも、清掃開始前の用具の貸し出しで二人は別に親しそうに列に並んでいたわけでは無かったので。

 

参加者は十人ほどですのでそれくらいなら私の記憶も確かだとは思います。それに少女の方は私の記憶にも反省共に深く記憶に刻まれていますし。確か少女は三人目、御夫人は八人目でしたか。

 

ご知り合いだったのでしょうかね。

 

「おっと!私もこうしてサボってばかりではいけませんね。シスターたるもの、皆様のお手本にならねば」

 

 

 

 

 

「皆さま、終了のお時間となりましたのでこちらに集まってくださ~い!」

 

ちょうど作業開始から二時間、私は終了の合図を声たかだかに宣言しました。

 

そして参加者の方々も開始と同様にすぐに私の声を聞いて集まってくださいます。その手には拾ったゴミを集めたごみ袋を持って。パッと見ただけでも公園内にゴミは見当たらず、それだけで清々しい気分になれます。

 

「それではゴミはこちらで回収いたしますので私の後ろのブルーシートの上に置いてください。トングはこちらで回収いたしますのでこちらに。その時に細やかですが労い品としてお茶とお菓子を用意させていただきましたのでトングと交換、といった形式にさせていただきます」

 

そう言うとまずゴミを置きに行かれる方がた、先にトングを返しに来ようとする方々で半々ほどに自然と別れました。

 

まずトングを返しに来てくれたのは始まりと同じようにあの幼子です。あまり見過ぎにはならないように心がけますが、出来る限り彼女のことをよく観察しました。ケガや何かがあったら問題ですからね。

 

幸いそういったケガはなさそうで、寒い中の長時間の作業だったことから頬や鼻のあたりが若干赤い、程度の変化でした。

 

「はいこれ!」

 

「ふふっ、ありがとうございます。お疲れさまでした、こちらお菓子とお茶です」

 

「わ~っ、やった!!」

 

ふふふっ、と彼女の愛らしさに思わず笑いが洩れてしまいます。無邪気にお菓子を嬉しそうに眺めている彼女は純粋さそのものでした。

 

次いで一緒にやってきていた彼女の母らしき人からも清掃道具を返却していただき、感謝の言葉を口にしながら幼子と同じようにお菓子とお茶を手渡す。

 

「ね~、ママ!お茶とお菓子交換しない?」

 

「え~、ママも甘いモノ食べたいなぁ。それよりもハナちゃん、ずっとお掃除していたけど喉渇いて無いの?」

 

「お茶はおうち帰ったらいっぱい飲めるでしょ!お菓子はいっぱいあってもうれしいからいいの!」

 

「もうっ、しょうがない子ねぇ。良いけど、一気に食べちゃダメだからね?お夕飯が食べれなくなっちゃうから」

 

「は~い!」

 

そんな暖かな家族の一面をのぞかせる二人はやはり親子でしたか。最後の最後になって確証を得ましたね。見ているだけでこちらの心も温かくしてくれる光景でした。

 

なんだか最後の最後にいいものを見てしまいましたね。得した気分です。

 

二人はそのままゴミ袋をもってブルーシートの方へと向かっていきました。

 

私もそれじゃあ次の人、と視線を前に戻します。この流れでしたら次はもしかして……。

 

「シスター、貸出ありがとうございました」

 

「いえいえこちらこそ、今日はありがとうございました。こちらお菓子とお茶です」

 

(まぁそんなことは起こりませんよね)

 

しかしその次にやって来たのは高校生程の少女でなく、お綺麗なご婦人でした。その目元にはクマがあるようで少々心配ですがあくまで本日は清掃のボランティア。踏み込み過ぎるというのも問題でしょうかね。

 

そう言えば彼女は清掃途中に件の彼女と親しげにしていたと思いますが、やはり彼女一人でこちらに来られたということは親子では無いのでしょうかね。先ほどの光景を思い返すとそのような気がします。もしそうなら彼女一人であったとしても二人分の道具を返しに来てくれると思いますし。

 

女性は私からお菓子とお茶を受け取ると「ありがとうございます」と一礼し、早々に私の前から去ろうとして。

 

「……?」

 

そうしてブルーシートの方をなんだか羨ましそうに、そしてまぶしそうに眺め、そして頭を振ってそのままシートの方へと向かっていきました。

 

 

 

 

 

 

そうしてトングとお菓子とお茶との交換を繰り返すこと数回。参加者十人ほどの清掃でしたのですぐにこの作業も終わりを迎えようとして、これで最後、といった所でした。

 

(……あ)

 

「これ、トングです」

 

「ありがとうございます。こちらお菓子とお茶です」

 

あまり途中から気にしてはいませんで気が付いていませんでしたが、どうやら最後は私の記憶に一番強い印象を残した彼女でした。

 

お菓子とお茶はすでに手渡し、これで私の作業はもう終了。交換とゴミ袋の回収が終了したら各自解散と事前に説明してありますので周囲にはもうほとんど人もいません。時間も時間、それに冬のこんな寒い季節にわざわざ公園に来る方もいらっしゃいませんしね。

 

この広い公園にいるのは私と彼女、二人だけでした。

 

ですので私好奇心が抑えきれず、彼女に話しかけることにしてみたのです。

 

「あの、少々お話いいですか?」

 

尋ねると彼女はにっこりと笑みを浮かべて、「大丈夫ですよ」と返事をしてくださった。私もその好意に甘えよう、と暫しお話させていただくことにしました。

 

「失礼かもしれませんけど高校生、くらいですよね?」

 

「はい、すぐ近くの高校に通ってます」

 

「あぁ、やっぱり!珍しいんですよ、高校生の方が清掃ボランティアに参加してくださることって。今日はありがとうございました」

 

思っていたことが的中し、やや気分が高揚しながらぽん、と両手を合わせて感謝を述べる。彼女は「いえいえ、ぜんぜんこれくらい」とやはり笑みを浮かべながら謙遜される。

 

その姿に年齢の割に落ち着いて、それでいて献身的な方だなと思うもやはりどこか小骨が喉に引っかかるような気がしてやまない。

 

「本日の清掃はどこでお聞きになられたんですか?公民館のポスターなどでの周知はしていましたけど」

 

「私は、……そうですね。私もポスターを見て参加を決めたんです。やっぱり住んでいる町には綺麗でいて欲しいですから」

 

「それはそれは、大変立派な心掛けですね。素晴らしいと思います」

 

「あははっ、ありがとうございます。シスター」

 

笑みを浮かべる彼女の顔は可愛らしく、こちらも安心感を抱く。誠に失礼なことですが評させていただきますと、絶世の、といったような顔立ちではないですが十分綺麗と言っていいほどに整っていられまして、そこから放たれる笑みも愛らしい。きっと学校でもこの様子なら多くの友人に囲まれているのでしょう。

 

(……?)

 

しかし本当に何なんでしょうか。小骨が喉に引っかかるこの感覚は。何か私は思い違いをしているような気がしてならない。

 

いったい何故なんでしょう。

 

彼女が凄く邪悪な何かに見えて、身体全体から黒いオーラの様なものをわずかに発しているように見えてしまうのは。

 

彼女はこんなにも礼儀正しく、社会道徳も人並み以上に会って人当たりもすごく柔らかい子だというのに。

 

私は何故邪推するような目で彼女を見てしまっているんだろうか。

 

それが、わからない。

 

きっと私の修行が足りないのでしょう。未熟な私には人のことをちゃんと見極める目が備わっていないということだと思われます。これは、ダメですね。

 

あぁ主よ。私は今日一日だけでいったい何度罪を犯しましたでしょうか。彼女をいったい何度心の中で傷つけ、貶したでしょうか。

 

清廉なる彼女を邪悪だと見てしまったのはきっと私の心の弱さなのでしょう。神に仕えるものとして貞淑であれ、と己に誓ってきた自身よりも完璧な清廉さを身に着けた彼女のことを内心知らぬうちに嫉んでしまっていたのでしょう。

 

あぁ主よ、この罪深き私をどうか。どうか……、

 

「――ひっ!?」

 

瞬間、思わず悲鳴を上げてしまう。

 

全身に冷や水を掛けられたかのような、そんな感覚に襲われはしたない声を漏らしてしまった。こんなこと、あってはならない。

 

ならない、のに……。

 

(ですが、……ですが、今のは?)

 

一瞬、ほんの一瞬だけれども。

 

目の前でにこりと笑う彼女が、『ニタリ』と。こちらの心の奥底までをも見通して、私の罪をすべてを掌握してしまったような錯覚を覚えてしまった。

 

私の心の臓を握り、裸の全身を蛇のように這いまわり、深い口付けで魂を吸い出されるようなそんな幻覚が見えてしまったのです。

 

 

いったい、この感覚は?

 

 

ビクビクと怯えていると彼女はやはりにっこりと、ニタリとした笑みなんてきっと見間違いだと思わせるように振る舞い私のそばから数歩離れる。

 

 

「それではシスターキキョウ、私はこれで」

 

 

彼女はこちらに背を向け去っていく。私はその光景に何故か安堵を感じてしまっています。生き延びた、見逃されたと、場違いな感想が頭の中に浮かんで止みません。

 

夕日がまぶしい、清掃は二時間だけでしたが冬の早い日の入で当たりはすっかりまっかっか。

 

私は綺麗になった公園と綺麗な夕日とで彩れたその景色を見て、地獄をどうしてだか連想した。

 

前を行く彼女の大きな影が笑った気がした。




なんでユリが教会のボランティアなんかに行っていたか……、なんかはその内本編で明かされると思います 明かされないかもしれません 時期は二月ごろを想定しています

今回のシスターちゃんは本当に今話限りのモブですのでキャラ設定もありません これも嘘でそのうち本編で出るかもしれません

人気があれば開示しますし、再登場もあり得る くらいですか

真面目過ぎるシスターが堕落するのは良いものなので 高校から範囲が飛び出るので諦める可能性高めですが

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