幕間-2 メスガキ天使
ルーデンスが“不可視のロック”と繰り広げた、激闘を映し出す、携帯配信ラクリマ。
手のひらほどのサイズ感のそれを手に赤毛のツーサイドアップの美少女、ネリルは鼻で笑う。
彼女がいる場所はプライベートビーチ、天使の羽休めと呼ばれる場所だ。
サマーベッドに横になり、サングラスをかけなおしてパラソルから差し込む陽をかわすように態勢を変える。
赤いビキニ姿の美少女が一人でいる様子も絵になるが、彼女には待ち人がいた。
「にーにー!おっそーい!!
ふふ、今日はステンバー・アイズじゃないんだね」
言葉とは裏腹にネリルは到着を心待ちにしていたのが窺え、紅い流星が纏う、赤い魔力の奔流に笑顔を向ける。
紅い流星は赤い《ベイルナイト》だった。
ヒルダ、ルーデンス姉弟のアルビオンとどことなく、似た雰囲気を持つそれを解除される。
現れたのは、ベイルバトル着装者の頂点に君臨する、世界最強のランカー、コウゼンである。
ルーデンスたちが住む、リオネルの首都アリアーデから離れた海辺。
そこは、先の大戦で破損したベイルギガントの残骸が
「ネリル。ロックの戦いは見たな?」
「あの子、にーにーの前にチャンピオンだった真面目女の弟でしょう?
よくわかんないけど、非合法チャンネルから全世界一斉送信した悪い子。
あたし、ああいうの気に入らないのよねえ。
簒奪だっけ?あの子の武装。
六位の拳闘バカボックスも付き合わなくて良いのに」
ネリルはコウゼンに抱きつき、出てきた名前にわざとらしく眉尻を下げ、批評を述べる。
身長差があるコウゼンをネリルは見上げるようにしつつ、胸板をなぞりながら、口にした言葉はコウゼンの満足のいくものだった。
コウゼンは自分を慕うネリルは他のアクの強い
そして、なによりも。
「ネリル。お前にマグナスローネを
ベイルギガント級を扱えるからだ」
「えへへ。でっか〜いのを軽々と使いこなせるのもエンターテイメントだもんね?
あたしのファイトスタイルは色々言われるのウザいけど、エンジュにぃはよくわかってる!」
コウゼンの言葉にネリルは嬉しそうに笑みを浮かべる。
キスをねだるような顔を見せると、コウゼンは顔を差し出した。
そのあまりにも真摯な様子にネリルは頬を染め、コウゼンの頬にキスを落とす。
ネリルのマグナスローネは発見された、ベイルギガント級の残骸から作り出された《ベイルナイト》である。
通常の等身以上のサイズに相応しい、その体躯はまるでハエと人間だ。
自ら、《ベイルナイト》を製造することもある、コウゼンは残骸から新たな《ベイルナイト》を作るのは慣れっこだった。
「当たり前だ。
だが、ブリュンヒルドの弟と戦う時は忘れるなよ?」
自ら、膝をついてネリルに手を差し出す様子は彼女には王子のように見えた。
頬を染めつつ、コウゼンの手を取り、ネリルは凶悪に笑う。
「ランカーのバトルはエンターテイメントであることを、だよね。
あたしに任せてよ、にーに!