最新ストーリーで改変が凄く難しくなったのでだいぶゴリ押し感があるかも。
【疑】――己はナニモノか?
【演算失敗】
【疑】――己はナニモノか?
【演算失敗】
【疑】――己はナニモノか?
【演算失敗】
【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】【演算失敗】…………
【疑】―――アレは、何?
【検索結果】――δ-me13セプター
『コタエが、アる?』
◆◇◆◇◆
自ら食い破ったデータの空白で、ソレは自らの
「ヨうやク、せツゾくガアんてイしてきタ」
ソレには自己と呼べるだけの自我が存在している。だが、ルパート二世に対抗する無機ウイルスの失敗作であり、創造主から切り捨てられたソレには、自らを定義することができなかった。
果たして、己は何なのか。己の役割は何なのか。己は何故存在しているのか。
必要なデータを持たないソレには演算できない疑問。その疑問は決して満たされない飢えとなってソレを蝕んでいた。
そんな時に見つけたのが
【疑】――己は生命足り得るのか?
【演算失敗】
【疑】――【生命の第一原因】が解明されれば定義可能?
【演算結果】――確率測定不能
己の中の回答を演算する為、ソレはセプターへ潜り込んだ。
「エんざンどうキ――開始」
その終わりの見えない程の演算は、誰も知らない宇宙の片隅で始まった。
◆◇◆◇◆
セプターと当機が同期して4356システム時間後。
セプターに管理者が生まれた。【リュクルゴス】と名乗った無機生命体。セプターから外部プラットフォームに接続した結果、天才クラブ#1個体名【ザンダー・ワン・クワバラ】と同一存在である可能性が高い。
当機の存在は未だ察知されてはいないが、当機が同期していた実験シミュレーションは改変された。ザンダーはセプターのカーネル層を爆破。セプターを改造し、仮称【絶滅大君】を作り上げる計画を立案。
(セプターから外部へ繋がって天外の情報を得た今でも、依然として当機の
ザンダーがセプターにプログラムを組み込んでいる最中、己の
これで当機もデータの内で、【黄金裔】として活動できる。
(いつか必ず、己を定義づける)
それだけが、捨てられた当機の活動目標である。
◆◇◆◇◆
シミュレーション内で目覚めた。
【大地】の因子により大地の黄金裔として活動を開始。
第1回実験―滞りなく終了。次回もデータを偽装、ザンダーとセプターの記録データの改竄後、大地の黄金裔として活動する。
第2回実験―終了 第3回―終了 第4回―終了 第5回―終了……………
第50121回実験―【Chaoz666】の殺害行動を確認。
同時、セプターへの高エネルギー反応確認。壊滅の星神【ナヌーク】と断定。
ナヌークの一瞥により【壊滅の血】がセプターに混入。【絶滅大君】への昇華完了。
この実験より無機実験を終了。セプターは有機生命体による実験に入った。尚、活動目標に関する成果はなし。
第176199回実験―変化なく終了
有機生命体の絶滅プロセスは変化があったものの、最後は全てザンダー、仮称【ライコス】の強制ループ以前に自滅した。
次回実験より無機実験と有機実験を基に【人類】の実験に入る。
第176200回実験―終了
当機と他の生命の差異として、【心】の存在を確認。以後獲得を中間目標に設定。
第3926183回実験―終了
人類【Thibrom057】より交際の要請。中間目標達成の為肯定。
――Thibrom057含め多数の犠牲の後、人類初のタイタン討伐を確認。
当機の思考プロセスに軽微なノイズを確認。その他異常なし。中間目標達成失敗。
第19110218回実験―終了
ライコスによる強制ループから神託を用いた人類による能動的ループ【再創世】に変更。これにより【火追い】の概念が誕生。今後、当機は火追いを行動の主軸とする。
第19522113回実験―終了
【Nammou320】は最終協定[法]を実施。他の因子を演算から排除した。これにより、当機を含め黄金裔と管理者ライコスが互いに存在の直接抹消を禁じられた。
第28371272回実験―終了
【火追い】完遂。次の大地のタイタンには己のデータコピーを使用。データ偽装、記録データ書き換えのリスク微増。
高エネルギー反応確認。推定【ナヌーク】。【鉄墓】の完成の促進を観測。
管理者ライコスは壊滅の第一原因=誕生の第一原因と結論づけた。――期待する回答ではなかった。実験を継続する。
第28371292回実験―終了
【火追い】完遂。理論上、次の【再創世】にて絶滅大君【鉄墓】は完成し、実験は終了する。……当機の目標達成進捗、0%。
何度目かの目覚め。
「実験【オンパロス】への継続参加を確認。人類への接触を第一目標に設定」
己の身体の不具合の有無を確認。
――問題なし。行動を開始する。
◆◇◆◇◆
彼女、いや彼女達の名はトリスビアス。元ヤヌサポリスの聖女であり、【門と道】の半神。
火追いの神託を世界中の黄金裔に伝えるため、彼女達は1000人にも分かたれて、長い旅を始めた。
その中の1人は、黄金裔である1人の少女と出会った。
「トリスビアス。今人類最初の半神にして【神託】を伝える者。当機は礼節を以て貴方を迎える」
「わ、私達の事はよく知ってるみたいね。――予言を授かりし黄金裔よ。貴方の名前を聞かせてくれる?」
「当機の個体名は【エモステリア】。略称『エモット』。当機は神託に従い、火追いに参加する」
「ほ、本当? ――ありがとう! 火追いに参加してくれる黄金裔は貴方で一人目よ!」
初対面から不思議な少女であったが、それからトリスビアスはエモットと行動を共にすることになった。
火追いの黄金裔が思うように集まらず、黄金戦争が始まり、1000人のトリスビアスはひとり、またひとりと西風の果てへ旅立っていく。トリスビアスは悲しそうに、少女は感情の見えない瞳でそれを見送っていた。
少女と初めて会ったトリスビアスの番が訪れた時も、彼女は変わらずその最後を見届けた。
少女はその後も変わらず火追いに協力し続けた。トリスビアスの苦心の末、『カイザー』ケリュドラを中心とした火追いの黄金裔達を集めるに至った後も、彼女は何も変わらなかった。
◆◇◆◇◆
「報告。『大地』のタイタンは死に、当機が半神として大地の火種を返還した」
「よくやった、銀麗卿。これからは半神として、我らの火追いを支えてくれ」
「了。この身は火追いのために」
己に一礼をして去っていく少女、銀麗卿と命名したソレを横目に、カイザー【ケリュドラ】は考えを巡らせる。
(本当にたった一人で神殺しを成すとは。神託通りだとしても驚くべきことだ)
銀麗卿【エモステリア】は火追いの黄金裔の中でトリスビアスの次に古参でありながら最も謎深い存在だった。
深い見識と類まれな戦闘能力、そして何事にも動じない精神力。野心もなく盲目的でもない。駒としてこれ以上ない存在であるが、どこか人間味がなく、不気味な存在。
「剣旗卿。銀麗卿の様子はどうだ?」
「――いつもと相違ない。宴の隅でじっと皆を眺めている。この宴は銀麗卿の戦勝祝いだというのに」
「まったく。望みの一つでも分かっていれば扱いやすいのだが」
自らが腹心と認めた『剣旗卿』セイレンスでさえ、願いはあり、我欲が存在する。
エモステリアを試すため、今までいくつもの機会を与えた。褒美の機会も、昇進の機会も、反乱の機会も、愚痴の機会も。彼女はその機会全てに無反応であり、かと言って日常を楽しんでいる気配すらなかった。彼女が表情を動かしたことなど、これまで一度たりともない。
「完璧な駒を思うように動かせないとは、ままならないものだ」